ジョン・レノンが殺害されたことをラジオで聞いた時
初めて経験する感覚だったが、足元から力が抜けていく感じを覚えた
予想以上にショックだったかもしれない
自分にとってのジョン・レノンは、ポール・マッカートニーとの比較
として気になる存在だった
親しみやすいメロディーメーカーのポールの作品だけで良いのか?
それをいつも問いかけられているような気がした
真面目なジョン、お気楽なポール
でも好きなものはしょうがない
あの当時けちょんけちょんに酷評されたポールのアルバム「RAM」は
自分にとっては最高のアルバムで、ポールのエッセンスがふんだんに溢れていて
「これは絶対に良い」と確信していた(その後世間の評価は肯定的になった)
真面目なジョンの気になるアルバムは「イマジン」ではなく「ジョンの魂」だった
冒頭に「マザー」があって最後に「母の死」が納められた統一感のあるアルバムで
シンプルな編成の音楽故に言葉の訴える力が強く、自分にとってはこれは一番のアルバムだ
でも何度も聴けない
印象が強すぎるからだ
一方ポールの音楽は深みはない(?)かもしれないが刹那的な、そして身体的な歌う快感に
満ちた音楽で、誰もが真似しようとしても真似できない音楽のようで、ついついその音楽に
身を委ねてしまう
最近、「イマジン」が多くの人の集まるところで歌われたようだ(アメリカで)
今こそ「イマジン」の世界観が必要とされることを直感的に感じ取った人が
歌い出したところ、周りにいた人々が合わせて歌ったらしい
ところで日本ではこのような時、みんなで歌う曲があるのだろうか?
(ある時、イタリアのフィレンツェの美術館の開館を長い列で待っていた
多くの人は、誰かがビートルズの歌を歌いだしたところみんなが声を合わせたとか)
日本の誰もが知っている曲を自然発性的にみんなで歌い出す
そんな場面に出会えたら高揚感とか一体感を感じられ、幸福感も合わせて感じられるかもしれない
ところで、「イマジン」だが、この歌はデリケートなつぶやきのような歌で
みんなで歌うには歌いにくい音楽のような気がする
みんなで歌うには「パワー・ツー・ザ・ピープル」とか「ギブ・ピース・ア・チャンス」
のようなシンプルな繰り返しの多い、大声を出しやすい曲のほうが良さそう
ところで、自分の好きなジョン・レノンの楽曲は
「ジェラス・ガイ」「ハッピークリスマス」「ゴッド」
それにしても、一時期ジョン・レノンとポール・マッカートニーという才人が
同じ地区にいて一緒に仕事をして切磋琢磨し合ったというのは、歴史の(時間の)
気まぐれのようで、とても不思議な気もする