パンセ(みたいなものを目指して)

好きなものはモーツァルト、ブルックナーとポール・マッカートニー、ヘッセ、サッカー。あとは面倒くさいことを考えること

陰謀論は、何故信じられやすいのだろう

2021年01月10日 15時10分23秒 | あれこれ考えること

コロナの状況も気になるがアメリカの混乱も気になる
どうせなら何かを経由してではなくダイレクトに向こうの情報に接したい
だが、残念なことにスラスラ英語が読めて理解できるわけじゃない
そこであれこれ調べてみるととても便利な方法が見つかった

まずはパソコンでグーグルクロームを立ち上げる
次にアメリカのウェブサイト(例えばUSATODAY)を立ち上げる
ページが開いたら画面のどこかを右クリックすると
「日本語に翻訳」という文字が出てくる
それを選べばあとは見るだけ、、、とても便利だ
(ドイツ語のページでもできた)

アメリカで気になるのはディープステート(DS)の陰謀論
どういうわけか、いつの時代にも、どの地域にも陰謀論は生まれてくる
ヨーロッパでは「シオン賢者の議定書」と呼ばれる
ユダヤ人が世界支配を目論んでいるとする内容の偽書が現れて
ヒトラーのユダヤ人虐殺に影響を与えた

陰謀論が何故、それほど信じられやすいか?
それはそれに接した人が単に信じやすいだけでなく
その内容を(事実を、あるいは背景を)知らないからではないのか

自分の知らないことは誰かに聞いてそれを信用するしかない
ある人は自分が知らない情報をとても良く知っている
その情報はどこか感情を揺り動かす(特に怒りの感情を刺激する)
少しばかり疑わしいかもしれない、、と思っても
畳み掛けて話されることで、自分が知らないだけかもしれない
と思うようになってしまう

彼の周りには彼と同じ様な知識を持っている人がいる
知らないのは自分だけで、本当は彼らの言ってる通りかもしれない
知らないでいたのは恥ずかしい もっと深く調べなければ、、
そしてその仲間の世界に入ってしまう
だがいつになってもその仲間の上層部の情報量には届かない
上の連中は自分の知らないことを、いつもいくつも知っている

こうした情報のヒエラルキーを作るのはハンナ・アーレントの「全体主義の起源」
にも紹介されていた
情報は知る人だけが知るだけで、知ってる人が特別の存在で、彼は無条件に
従うべき、信じられる人物とみなされた

だが冷静に見れば、まずよく知っているとされる人の言い分がまともかどうかを疑ってみる
自分の知らないことなので否定はできないかもしれないが、とりあえずこの人物の素性とか
交友関係を調べてみる
すると多くのことが示唆される
盲信しては危なっかしいことになると、、、

日本でもかなりの信者がいるとされるディープステート陰謀論
これが信じるに値するかどうかは、それを公言しているメンバーの顔ぶれを見ると判断できる
すると不思議なくらい何かを支持する人たちと被る
そしてそれは、普通の人ならひいてしまう(と思われる)極端な主張を繰り返す

彼らにとって事実は関係なく、自分たちの思い込むことのみが真実となっている
こうなると、もはや討論はできる状態ではなく、ただ一方的に自分たちの言い分を
繰り返すだけとなる
まさに、アメリカで起こっていることだ

こうした状態を招いたのはSNSと言われるが、確かにそうだろう
この空中戦のような戦いは、誰もが参加できる
そしていつの間にか真実でなくても、数が多いほうが勝ち、、
とする傾向が広がってしまった

社会の分断からの回復は想像以上に時間がかかるかもしれない
感情の分断は理性による分断よりも厄介だからだ

アメリカの分断は、ここ日本でも他人事とは見ていられないと思う

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高速バスのことなど

2021年01月10日 08時40分50秒 | 住民投票・市庁舎・リコール・市政

新城市でもコロナ陽性者がトータルで32名となった
定刻ではなく少し早めに始まる防災無線は
それだけでまた陽性者が出たとのニュースだとわかる
ただ、いずれも軽症らしいので無事に終わることを祈るばかりだ

愛知県では圧倒的に名古屋市に陽性者が多い
だからこの一年、名古屋にも出かけずにいる(宗次ホールとか)
当然のごとく新城から名古屋へ行く人数は減っていると想像される
気になるのは新東名経由の名古屋直行バス「山の湊」号だ
このバスは一時期(5月)運行停止されたが、すぐに再開されて今に至っている

その利用者の数は、どうなんだろう
資料がないので(議員さんは調べようとしたのだろうか?)
なんとも言えないが、手元の8月、9月のデータでは
一便あたり3人、4.8人とさびしい数字だ

高速バス事業は年間3600万円ほど経費がかかる
公共交通だからお金だけで判断してはいけないとされるが
それでもそのお金を別の使い方をしたなら、、とつい考えてしまう

このバスについては営業運行前の実証実験の時の契約と支払いについて
若干疑われる部分が見つかり住民監査請求が行われた
それは、市の見積り金額と業者の見積もり金額がぴったり一致(談合?)
既に減価償却が終わっている車両の分の請求があったとの2点で
監査委員からは
金額が一致したのは、営業運転を可能とする企業は現実的に
現在委託している企業以外になく、金額はその企業からのを参考にしたので
一致したに過ぎないから疑われるような談合ではない
また減価償却費については(どうもここがよくわからないのだが)
「故障や事故等があった場合に対応する予備車両を含めた償却費を
運行経費に積算したもので不当な支出にはあたらない」との回答で
これに異を唱えたメンバーが行政訴訟の手続を行い現在訴訟は進行中だ

でも今回はその話題ではなく別のこと
この契約書とか支出の明細を見ると、少し疑問に思う数字が見当たるのだ
全て疑ってかかるのは好ましいことではないかもしれないが
それでも社会経験を積んだ人なら常識的に
「こんなことにそんなにお金がかかるか?」と思えてしまうことが見つかる
それは予約管理、予約システムで、前者は予約受付の電話番の人件費(?)
後者はネットの予約システムで、委託会社のホームページを見ると
既存の予約システムに相乗りしているだけなので
どちらちもそんなにお金が掛かるのかなと思わざるを得ない
不思議なのは今年度からの予約システムの費用は低くなっている
3社と契約している予約システムのうち1社変更したようだが、
1社変えるだけで割と大きな金額のダウンになっているので
そもそも最初にあった予約システムの金額は適切だったのか?と思えてしまう

この見方が正しいかどうかはわからない
特に問題のない数字だったかもしれない
でも、疑いが生じるような数字であることは間違いない
問題は、この数字をちゃんと見ているはずの議員さんがそれを踏まえて
予算執行の議決をしているのだろうか、、という点だ
一部の議員さんはこの資料をじっくり読み込んで不思議と感じている
しかし、結局は数の世界で、あまり数字に関心のない議員さんが
高速バスのお題目をそのまま信じて安易に了承しているように思えてしまう

議員さんが与えられた資料をもっと読み込んだなら、、
と思える場面は残念ながら他にも存在する

一般市民は細かな資料は手元に無いし、それを見る時間も関心もない
市議会議員にその職務・権限を分業的に任せているのは、現実的なシステムだと思う
ただし、ちゃんとやってくれている、、という前提がそこにはある

しかしながら、現実世界はこうした緩いことが新城市だけでなく
至るところで行われているのかもしれない(きっとそうだろう)
その上で、少しはうまく回っていくようにするには
やっぱり誰かが、選挙で選ばれる人たちをチェックし続けないとダメかもしれない

でもそのチェックをしてる人たちは、ちょいと白い目で見られそうな、、
世の中は難しい、、

 

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