ヒオウギ(檜扇)
<アヤメ科アヤメ属>
色鮮やかで、剣丈の葉の根元の並びが、
薄く削いだ檜の板を要(かなめ)でまとめた檜扇
(ひおうぎ)の根元の様子に似ているので、
この名がある。
葉は長さ30~50センチ。
6枚の花弁は淡い橙色で、濃い橙色の小点がある。
古くから庭に植えられてきたので園芸植物として認識されそうだが、
もともとは山地や海岸近くの日当たりのよい草原に自生する野草。
花は直径3~4センチで、花茎は高さ0,6~1メートル。
上部で枝分かれし、一日花が咲く。
根と茎は射干(シャガ)という漢方薬になる。
下は「ぬばたま」と呼ばれる種子。
秋に熟すと、果実は割れて
中から直径5ミリほどの漆黒の種子が現われる。
万葉集で詠われた「黒」の枕言葉である
「うばたま」や「ぬばたま」はこの色に由来します。