現在、上野の都美術館で、古代ペルシャから、正倉院の御物につながるササン朝ペルシャに到るまでのペルシャ美術の逸品が一堂に会して展示されている。
メソポタミアやヘレニズムの影響を濃厚に受けながら、独自の高度な文明を受けて発展してきた非常に密度の高い作品や遺物ばかりで、東西交渉史を髣髴とさせてくれ、平日の比較的入場者の少ない午後の展覧を楽しんだ、
何度か機会があったが、残念ながら、トルコとサウジアラビア、アラブ首長国連邦以外は、中東に行っていないので、本格的なメソポタミアやペルシャの遺跡や文化遺産に接する機会はまだ持っていない。
ダレイオス一世は、当時黄金期の頂点にあったギリシャに軍隊を派遣してペルシャ戦争を引き起こして東西対決を図ったが結局勝てずに、その後、逆にアレクサンドロス大王の東征を誘引して滅ぼされてしまった。
同時にその壮大な都ペルセポリスも廃墟に帰してしまって現在大規模な遺跡が残っているのだが、いつの日にか、このミヤコを是非訪れて見たいと思っている。
しかし、ペルシャの文明品や文化遺産は、ルーブルや大英博物館、メトロポリタン博物館など欧米で断片的には見ているので、今回は一度に体系付けて見られたので嬉しく、一つ一つ解説を読みながら丹念に見て回った。
余談ながら、10年以上前だが、この上野の森にイラン人が沢山屯して偽造テレホンカード等を売っていたのを思い出した。
同じ皇帝の国だと言うので入国ヴィザを免除していたからだが、やはり、ペルシャの印象は、シルクロードを経て日本に異国の香りを運んできた飛鳥・奈良時代であろうか、今回も展示されていたが、正倉院の御物との接点を感じさせてくれる作品である。
この都美術館は、三階まで展示場が続いていて、前五千年紀頃の新石器時代の彩文土器やその後の精巧な動物型土器や石器、銀器等から、アケメネス時代の煌びやかな金銀器、彫像、コイン、印章、首飾り等の装飾品、正倉院の御物に似た円形切子ガラス碗などまで、多くのペルシャの文化文明遺産が展示されている。
色々な器や装飾品等のモチーフとして、ライオンやヤギ、牛、鳥など動物文様や絵が描かれているのが面白かった。
やはり、この文明展での圧巻は、アケメネス朝の黄金の作品群であろうか。
まず、この口絵の「有翼ライオンの黄金のリュトン」であるが、高さ30センチ位の黄金の角杯で、ペルシャ王がワインでも飲んでいたのであろうか、とにかく、素晴らしい逸品である。
有翼ライオンの上半身がリュトンを支えている杯で、目の下に表現された涙型の皺がアケメネス朝のライオンのトレードマークだとかで、芸が細かい装飾が施されている。
リュトンの上部の口の部分には、東地中海の影響の睡蓮文様が帯状に彫り込まれていて実に優雅である。
他に、牝ライオンを3頭壁面に浮き彫りにして飛び出た頭部を貼り付けた精巧な杯や、くびれ部分に楔形文字を打ち込み菊花状の花弁文様を浮き彫りにした優雅な杯など目を見張らせる。
柄の頭部を二頭のライオン、鍔を野性山羊で装飾した黄金の短剣、盗掘されたが治安維持軍が回収した「洞窟遺宝」の黄金のマスク2面等々、黄金製品の匠の技は流石に素晴らしい。
ペルセポリスの壁画の断片などは他のメソポタミア遺跡のものに近いと思ったが、精巧な土器は、写実的なギリシャの土器の印象とは違ってデフォルメされたコブ牛等今でも通用するモダンなデザインであった。
しかし、ササン朝の王の彫像などは、色濃くヘレニズムの影響を受けているなど、文明の十字路として多くの文化文明が行き交ったペルシャの歴史を髣髴とさせてくれていて、その流れが面白かった。
そんな偉大な文化文明を継承して来たイランが、今揺れている。
メソポタミアやヘレニズムの影響を濃厚に受けながら、独自の高度な文明を受けて発展してきた非常に密度の高い作品や遺物ばかりで、東西交渉史を髣髴とさせてくれ、平日の比較的入場者の少ない午後の展覧を楽しんだ、
何度か機会があったが、残念ながら、トルコとサウジアラビア、アラブ首長国連邦以外は、中東に行っていないので、本格的なメソポタミアやペルシャの遺跡や文化遺産に接する機会はまだ持っていない。
ダレイオス一世は、当時黄金期の頂点にあったギリシャに軍隊を派遣してペルシャ戦争を引き起こして東西対決を図ったが結局勝てずに、その後、逆にアレクサンドロス大王の東征を誘引して滅ぼされてしまった。
同時にその壮大な都ペルセポリスも廃墟に帰してしまって現在大規模な遺跡が残っているのだが、いつの日にか、このミヤコを是非訪れて見たいと思っている。
しかし、ペルシャの文明品や文化遺産は、ルーブルや大英博物館、メトロポリタン博物館など欧米で断片的には見ているので、今回は一度に体系付けて見られたので嬉しく、一つ一つ解説を読みながら丹念に見て回った。
余談ながら、10年以上前だが、この上野の森にイラン人が沢山屯して偽造テレホンカード等を売っていたのを思い出した。
同じ皇帝の国だと言うので入国ヴィザを免除していたからだが、やはり、ペルシャの印象は、シルクロードを経て日本に異国の香りを運んできた飛鳥・奈良時代であろうか、今回も展示されていたが、正倉院の御物との接点を感じさせてくれる作品である。
この都美術館は、三階まで展示場が続いていて、前五千年紀頃の新石器時代の彩文土器やその後の精巧な動物型土器や石器、銀器等から、アケメネス時代の煌びやかな金銀器、彫像、コイン、印章、首飾り等の装飾品、正倉院の御物に似た円形切子ガラス碗などまで、多くのペルシャの文化文明遺産が展示されている。
色々な器や装飾品等のモチーフとして、ライオンやヤギ、牛、鳥など動物文様や絵が描かれているのが面白かった。
やはり、この文明展での圧巻は、アケメネス朝の黄金の作品群であろうか。
まず、この口絵の「有翼ライオンの黄金のリュトン」であるが、高さ30センチ位の黄金の角杯で、ペルシャ王がワインでも飲んでいたのであろうか、とにかく、素晴らしい逸品である。
有翼ライオンの上半身がリュトンを支えている杯で、目の下に表現された涙型の皺がアケメネス朝のライオンのトレードマークだとかで、芸が細かい装飾が施されている。
リュトンの上部の口の部分には、東地中海の影響の睡蓮文様が帯状に彫り込まれていて実に優雅である。
他に、牝ライオンを3頭壁面に浮き彫りにして飛び出た頭部を貼り付けた精巧な杯や、くびれ部分に楔形文字を打ち込み菊花状の花弁文様を浮き彫りにした優雅な杯など目を見張らせる。
柄の頭部を二頭のライオン、鍔を野性山羊で装飾した黄金の短剣、盗掘されたが治安維持軍が回収した「洞窟遺宝」の黄金のマスク2面等々、黄金製品の匠の技は流石に素晴らしい。
ペルセポリスの壁画の断片などは他のメソポタミア遺跡のものに近いと思ったが、精巧な土器は、写実的なギリシャの土器の印象とは違ってデフォルメされたコブ牛等今でも通用するモダンなデザインであった。
しかし、ササン朝の王の彫像などは、色濃くヘレニズムの影響を受けているなど、文明の十字路として多くの文化文明が行き交ったペルシャの歴史を髣髴とさせてくれていて、その流れが面白かった。
そんな偉大な文化文明を継承して来たイランが、今揺れている。