ニューヨーク・タイムズに、クルーグマンとフリードマンが、コラム欄を持っていて、定期的に興味深い記事を書いていて、電子版で読める。
今回のフリードマンのコラムは、”Invent,Invent,Invent"と言うタイトルで、アメリカは、現下の経済危機を如何に乗り切るかについて、ロシアで、バレット前インテル会長にインタビューした時の感想を交えて、面白いレポートをしている。
大恐慌など、経済的危機ほど、企業にとってはチャンスで、マイクロソフトのような会社が生まれるのも、そして、競争相手を蹴散らして超優良企業が群を抜いて台頭して来るのも、リセッションの時である。
経済社会状況が厳しい時には、人々は、旧弊を廃して、新しくより経済的で廉価なものを追求する。必要は、発明の母である。と言うのである。
従って、国家は、こんな時こそこの危機を活用して、国民を、より賢く、より革新志向に変えると同時に、新しい財やサービスを創造できるように、積極的に援助や基礎的研究などのサポート体制を確立して、次の繁栄を目指すべきだと説く。
ここで、将来の繁栄の為にどうすべきか、フリードマンは、アメリカとロシアを対比させながら、面白い議論を展開している。
アメリカについては、並ぶものなき自由、ベンチャー・キャピタル産業、大学等の研究機関、有能な移民に対する開放等世界に冠たるイノベーション志向の環境が整っており、これらの利点を総合的に活用発揮すべきであると言う。
一方、ロシアについては、
経済危機と言う、この千載一遇のチャンスを浪費している。
本来なら、潤沢な外貨収入のある間に、構造改革を実施して経済を多角化するなど経済成長を画策すべきなのに、石油価格が、30ドルから70ドルに高騰するや否や、その方針を止めてしまった。
地下資源を国民生活の豊かさの為に掘り起こしてOECD型の国家を目指すべきなのに、OPEC型国家に成り下がろうとしている。と指摘する。
ザンクト・ペテルブルグの国際展示場での最大のブースは、ロシア輸出額の3分の2を占めて儲けているガスプロムと、その金を貸し込んでいる国営銀行スベルバンクだと揶揄しながら、
石油価格が35ドルなら、経済の多角化を図るなど改革を実施して成長を図らざるを得なかったのだが、70ドルになると、現在クレムリンを支配している石油KGB同盟(the petoro-old K.G.B.alliannce)の政治的な意思が前面に出て、法と透明性の法則が、支配集団自身の勝手気ままな自由意志と抵触し始めている。と言うのである。
結局、自由な民間の経済開発意欲を圧殺して、将来の蓄えに心掛けずに、アブク銭を浪費するキリギリスのようだだと言う訳であろうか。
フリードマンは、更に、中国のポルノ情報のセンサー政策Green Dam Youth Escortに触れて、グーグルへのアクセス制限やPCへのポルノ・センサー・システムの繰り込みなどを実施して、実際は、プレイボーイ対策ではなく政治的情報のブロックを画策していると指摘。
ひとたび、ウエブの検閲を始めれば、人々の自由な発想やイノベーション意欲を圧殺すると警告し、中国人の若者たちに、冒険したければ外国へ行けと言う。
一寸、前置きが長くなってしまったが、フリードマンが言いたかったのは、このようなことではなく、
要するに、社会を豊かに前進させるためには、世界中から優秀な頭脳を糾合して、その持てる能力をフル回転して価値あるものを生み出せる環境を整備することが急務だと言うことである。
ロシアのオイル・マネーを批判したが、アメリカも、マネーを印刷出来る特権を、瀕死の恐竜GMやクライスラーを救出するために使うなどで浪費しているのだと、痛烈な皮肉で締め括っている。
ドルを刷ることばかりに現を抜かし過ぎて、次代のThomas Edison,Bob Noyce,Steve Jobs,Bill Gates,Vint Cerf,Jery Yang,Marc Anderssen,SErgey Brin,Bill Joy and Larry Pageを生み出す努力(mintすること)を怠ってきたのではないかと言うのである。
蛇足ながら、フリードマンは、世界の頭脳をアメリカに糾合するために齟齬を来たしているグリーン・カードやH-1Bヴィザの改革を説きながら、バレットの次のような頭脳獲得戦略を紹介している。
世界最高の教育水準志向、基礎科学研究への予算倍増、法人税率の削減、小企業設立容易化へのSOX法の改善、効率的な国民皆保険の実施。
また、GEのイメルトの演説を引用して、
今、我々が実施すべきは、新規事業を早急に生み出すために、もっともっと優秀な多くの頭脳に、もっともっと多くのキャピタルをつぎ込むことである。
今現在こそ、アメリカに永続する価値を生み出すイノベーションを誘発するために、この金融危機という逆境を、逆手にとって、国富の進行と国際競争力の強化を図るべき絶好のチャンスだと言うのである。
私が、フィラデルフィアで学んでいた1970年代のアメリカも多難であったが、紆余曲折を経ながらも、アメリカは不死鳥のように蘇り成長を続けてきた。
活力とバイタリティのあるアメリカの底力は侮るべきではないと思うが、何をおいても、アメリカの素晴らしさは、世界中から素晴らしい頭脳を糾合し、イノベーションを追求し続けてきたことだと思っている。
今回のフリードマンのコラムは、”Invent,Invent,Invent"と言うタイトルで、アメリカは、現下の経済危機を如何に乗り切るかについて、ロシアで、バレット前インテル会長にインタビューした時の感想を交えて、面白いレポートをしている。
大恐慌など、経済的危機ほど、企業にとってはチャンスで、マイクロソフトのような会社が生まれるのも、そして、競争相手を蹴散らして超優良企業が群を抜いて台頭して来るのも、リセッションの時である。
経済社会状況が厳しい時には、人々は、旧弊を廃して、新しくより経済的で廉価なものを追求する。必要は、発明の母である。と言うのである。
従って、国家は、こんな時こそこの危機を活用して、国民を、より賢く、より革新志向に変えると同時に、新しい財やサービスを創造できるように、積極的に援助や基礎的研究などのサポート体制を確立して、次の繁栄を目指すべきだと説く。
ここで、将来の繁栄の為にどうすべきか、フリードマンは、アメリカとロシアを対比させながら、面白い議論を展開している。
アメリカについては、並ぶものなき自由、ベンチャー・キャピタル産業、大学等の研究機関、有能な移民に対する開放等世界に冠たるイノベーション志向の環境が整っており、これらの利点を総合的に活用発揮すべきであると言う。
一方、ロシアについては、
経済危機と言う、この千載一遇のチャンスを浪費している。
本来なら、潤沢な外貨収入のある間に、構造改革を実施して経済を多角化するなど経済成長を画策すべきなのに、石油価格が、30ドルから70ドルに高騰するや否や、その方針を止めてしまった。
地下資源を国民生活の豊かさの為に掘り起こしてOECD型の国家を目指すべきなのに、OPEC型国家に成り下がろうとしている。と指摘する。
ザンクト・ペテルブルグの国際展示場での最大のブースは、ロシア輸出額の3分の2を占めて儲けているガスプロムと、その金を貸し込んでいる国営銀行スベルバンクだと揶揄しながら、
石油価格が35ドルなら、経済の多角化を図るなど改革を実施して成長を図らざるを得なかったのだが、70ドルになると、現在クレムリンを支配している石油KGB同盟(the petoro-old K.G.B.alliannce)の政治的な意思が前面に出て、法と透明性の法則が、支配集団自身の勝手気ままな自由意志と抵触し始めている。と言うのである。
結局、自由な民間の経済開発意欲を圧殺して、将来の蓄えに心掛けずに、アブク銭を浪費するキリギリスのようだだと言う訳であろうか。
フリードマンは、更に、中国のポルノ情報のセンサー政策Green Dam Youth Escortに触れて、グーグルへのアクセス制限やPCへのポルノ・センサー・システムの繰り込みなどを実施して、実際は、プレイボーイ対策ではなく政治的情報のブロックを画策していると指摘。
ひとたび、ウエブの検閲を始めれば、人々の自由な発想やイノベーション意欲を圧殺すると警告し、中国人の若者たちに、冒険したければ外国へ行けと言う。
一寸、前置きが長くなってしまったが、フリードマンが言いたかったのは、このようなことではなく、
要するに、社会を豊かに前進させるためには、世界中から優秀な頭脳を糾合して、その持てる能力をフル回転して価値あるものを生み出せる環境を整備することが急務だと言うことである。
ロシアのオイル・マネーを批判したが、アメリカも、マネーを印刷出来る特権を、瀕死の恐竜GMやクライスラーを救出するために使うなどで浪費しているのだと、痛烈な皮肉で締め括っている。
ドルを刷ることばかりに現を抜かし過ぎて、次代のThomas Edison,Bob Noyce,Steve Jobs,Bill Gates,Vint Cerf,Jery Yang,Marc Anderssen,SErgey Brin,Bill Joy and Larry Pageを生み出す努力(mintすること)を怠ってきたのではないかと言うのである。
蛇足ながら、フリードマンは、世界の頭脳をアメリカに糾合するために齟齬を来たしているグリーン・カードやH-1Bヴィザの改革を説きながら、バレットの次のような頭脳獲得戦略を紹介している。
世界最高の教育水準志向、基礎科学研究への予算倍増、法人税率の削減、小企業設立容易化へのSOX法の改善、効率的な国民皆保険の実施。
また、GEのイメルトの演説を引用して、
今、我々が実施すべきは、新規事業を早急に生み出すために、もっともっと優秀な多くの頭脳に、もっともっと多くのキャピタルをつぎ込むことである。
今現在こそ、アメリカに永続する価値を生み出すイノベーションを誘発するために、この金融危機という逆境を、逆手にとって、国富の進行と国際競争力の強化を図るべき絶好のチャンスだと言うのである。
私が、フィラデルフィアで学んでいた1970年代のアメリカも多難であったが、紆余曲折を経ながらも、アメリカは不死鳥のように蘇り成長を続けてきた。
活力とバイタリティのあるアメリカの底力は侮るべきではないと思うが、何をおいても、アメリカの素晴らしさは、世界中から素晴らしい頭脳を糾合し、イノベーションを追求し続けてきたことだと思っている。