英国大使館の大使公邸で、UK-Japan 2008 Design UK フォーラムが開かれて、英国の革新的な新鋭デザイン会社 The Division のデイビッド・トング代表が「3Dデザイン」について、そして、日産自動車の中村常務執行役CCOが日産のグローバルデザイン戦略などについて、夫々非常にユニークな講演を行って感銘を与えた。
ウインブルドン現象で、殆ど製造業を海外企業に明け渡し、成長を謳歌して来た最も得意とする金融においても海外資本がシティを押さえている英国だが、
最近、”UK Creativity―創造する英国”をテーマに、クリエイティブ産業に力を入れ、その創造的な経済効果を活性化するために、広告、建築、デザイン、ファッション、映画、音楽など13分野の育成強化に努めており、その一環として、
英国大使館とブリティッシュ・カウンシルが、日本にデザイン通商使節団を送り込むなど積極的に活動を行っている。
先日、青海のトヨタで開かれたユニバーサルデザイン2008ビジネス・シンポジウムでも、この一環だが、英国アロイ社のガス・デバラ会長が基調講演を行って、イギリスにおける革新的な万人に等しく貴重なユニバーサルデザインへの取り組みが如何に進んでいるかを説明していたが、古風で保守的なイメージの強いイギリスが、率先して革新的でクリエイティブな創造社会へのアプローチに非常に意欲的なのが印象的だった。
日本では、イノベーション、イノベーションと騒いでいるが、イギリスやアメリカでは、正に、今日の知識情報化社会の根幹であるクリエイティビティをインスパイアして、経済社会の根本から変革して価値を創造しようとしているのであろうか。
トング氏は、前1世紀時代のローマ人マルカス・V・ポーリョが「アーキテクツーラ」に記載した、Structureは、History Function Beautyの3つの特質を体現していなければならないと言う説を取って、これに基づいた3Dデザイン・コンセプトを編み出し、実際に実践することによって、素晴らしいクリエイティブなデザインを次から次へと生み出している。
現在は、正に、デザインの危機に直面している。
テクノロジーは、顧客を無視して早くて手っ取り早くて安いものばかりにフォーカスしてコモディティ化してしまい、
悲しいかな、デザインも、将来を見越した企業価値の創造やブランド力強化に力を入れずに新規を衒ったものばかりに傾注し、企業の歴史や伝統とかけ離れたビジネス無視と言ったどこもかしこも同じ手法でデザインされてコモディティ化してしまっており、
市場においても殆ど差別化されない同じようなものばかりしかないので消費者はうんざりしている。と言う。
この製品が、何であり何を顧客に提供しようとしているのか、はっきり、伝達する物語がなければならないし、
会社の過去の歴史と将来像を体現してコア・バリューをはっきり示していなければならないし、
顧客が買い続けたいと熱狂するようなものを作らなければならない。
そうするためには、3Dデザイン・コンセプトで、創造的なデザインを生み出さなければならないと言うのである。
歴史や文化遺産を無視した日本のデザインの例として、過去の砂庭や漆器や鉄瓶の素晴らしいデザインと、現在の国籍不明の音響機器のデザインとを対比させて、日本人やその過去の文化伝統と決別したデザインの虚しさを説明する。
デザインを通して、製品に物語らせ、会社のコア・バリューが何なのかを顧客に訴えかけるようなものを作り出さなければならないと説く。
History, Function, Beautyを夫々体現すれば、どのような製品のデザインになるのかフォルクスワーゲンや婦人服のファッションなど色々なケースを説明していたが、非常に面白かった。
日本の企業と一緒に仕事をしていて気づいたのは、日本の企業のデザインは殆ど他の部門と関係なく独立で仕事をしているが、欧米の場合には、販売・営業・製造・企画など色々な部門と連携しながら行っているとコメントしていたが、
日本企業の業務遂行の整合性の欠如、連係プレーの欠如、セクショナリズムなどを指摘していて興味深いと思った。
先日、TOTOのプレザンターが、便所のユニバーサル・デザインの斬新でユニークなデザイン・コンセプトを作り出す時に、初めて、独立のアーキテクトの仕事やデザインを勉強したり、他部門と協調したと語っていたが、このことを語っているのであろう。
日産の中村常務も語っていたが、素晴らしいデザインを生むためには、多くの異分野の人材の協力強調が必要であり、その人材もグローバルベースであることが望ましいと言うことであろう。
このブログでも何度も触れているが、異文化、異分野の科学知識など、異質な分子を糾合してメディチ・インパクトをスパークさせて、知の創造を生み出すことが大切だと言うことであろう。
ところで、このフォーラムの後、大使公邸のレセプション・ルームやロビーを開放して、フォートナム&メイソンのアフタヌーン・ティーが振舞われた。
欧米に駐在していた頃には、良く、大使館や企業や役所などでこのようなレセプションや晩餐会が開かれて出ていたのだが、日本では、久しぶりであった。
日本でよく開かれるホテルの大宴会場で開かれるような無粋なパーティとは違って、庭を散策したり、豪華なヨーロッパ風のリビングルームなどでの会話にはそれなりの楽しみがある。
私自身は、久しぶりに、クロッテッド・クリームとたっぷり熟成したストローベリー・ジャムをつけて本格的なスコーンを頂きながら、イギリスでの思い出を反芻していた。
丁度、初秋には珍しい冷たい雨で、美しい大使公邸の芝庭を散策することが出来なかったが、さすがにイギリス大使館で、広々とした美しい庭園が広がっていた。
ウインブルドン現象で、殆ど製造業を海外企業に明け渡し、成長を謳歌して来た最も得意とする金融においても海外資本がシティを押さえている英国だが、
最近、”UK Creativity―創造する英国”をテーマに、クリエイティブ産業に力を入れ、その創造的な経済効果を活性化するために、広告、建築、デザイン、ファッション、映画、音楽など13分野の育成強化に努めており、その一環として、
英国大使館とブリティッシュ・カウンシルが、日本にデザイン通商使節団を送り込むなど積極的に活動を行っている。
先日、青海のトヨタで開かれたユニバーサルデザイン2008ビジネス・シンポジウムでも、この一環だが、英国アロイ社のガス・デバラ会長が基調講演を行って、イギリスにおける革新的な万人に等しく貴重なユニバーサルデザインへの取り組みが如何に進んでいるかを説明していたが、古風で保守的なイメージの強いイギリスが、率先して革新的でクリエイティブな創造社会へのアプローチに非常に意欲的なのが印象的だった。
日本では、イノベーション、イノベーションと騒いでいるが、イギリスやアメリカでは、正に、今日の知識情報化社会の根幹であるクリエイティビティをインスパイアして、経済社会の根本から変革して価値を創造しようとしているのであろうか。
トング氏は、前1世紀時代のローマ人マルカス・V・ポーリョが「アーキテクツーラ」に記載した、Structureは、History Function Beautyの3つの特質を体現していなければならないと言う説を取って、これに基づいた3Dデザイン・コンセプトを編み出し、実際に実践することによって、素晴らしいクリエイティブなデザインを次から次へと生み出している。
現在は、正に、デザインの危機に直面している。
テクノロジーは、顧客を無視して早くて手っ取り早くて安いものばかりにフォーカスしてコモディティ化してしまい、
悲しいかな、デザインも、将来を見越した企業価値の創造やブランド力強化に力を入れずに新規を衒ったものばかりに傾注し、企業の歴史や伝統とかけ離れたビジネス無視と言ったどこもかしこも同じ手法でデザインされてコモディティ化してしまっており、
市場においても殆ど差別化されない同じようなものばかりしかないので消費者はうんざりしている。と言う。
この製品が、何であり何を顧客に提供しようとしているのか、はっきり、伝達する物語がなければならないし、
会社の過去の歴史と将来像を体現してコア・バリューをはっきり示していなければならないし、
顧客が買い続けたいと熱狂するようなものを作らなければならない。
そうするためには、3Dデザイン・コンセプトで、創造的なデザインを生み出さなければならないと言うのである。
歴史や文化遺産を無視した日本のデザインの例として、過去の砂庭や漆器や鉄瓶の素晴らしいデザインと、現在の国籍不明の音響機器のデザインとを対比させて、日本人やその過去の文化伝統と決別したデザインの虚しさを説明する。
デザインを通して、製品に物語らせ、会社のコア・バリューが何なのかを顧客に訴えかけるようなものを作り出さなければならないと説く。
History, Function, Beautyを夫々体現すれば、どのような製品のデザインになるのかフォルクスワーゲンや婦人服のファッションなど色々なケースを説明していたが、非常に面白かった。
日本の企業と一緒に仕事をしていて気づいたのは、日本の企業のデザインは殆ど他の部門と関係なく独立で仕事をしているが、欧米の場合には、販売・営業・製造・企画など色々な部門と連携しながら行っているとコメントしていたが、
日本企業の業務遂行の整合性の欠如、連係プレーの欠如、セクショナリズムなどを指摘していて興味深いと思った。
先日、TOTOのプレザンターが、便所のユニバーサル・デザインの斬新でユニークなデザイン・コンセプトを作り出す時に、初めて、独立のアーキテクトの仕事やデザインを勉強したり、他部門と協調したと語っていたが、このことを語っているのであろう。
日産の中村常務も語っていたが、素晴らしいデザインを生むためには、多くの異分野の人材の協力強調が必要であり、その人材もグローバルベースであることが望ましいと言うことであろう。
このブログでも何度も触れているが、異文化、異分野の科学知識など、異質な分子を糾合してメディチ・インパクトをスパークさせて、知の創造を生み出すことが大切だと言うことであろう。
ところで、このフォーラムの後、大使公邸のレセプション・ルームやロビーを開放して、フォートナム&メイソンのアフタヌーン・ティーが振舞われた。
欧米に駐在していた頃には、良く、大使館や企業や役所などでこのようなレセプションや晩餐会が開かれて出ていたのだが、日本では、久しぶりであった。
日本でよく開かれるホテルの大宴会場で開かれるような無粋なパーティとは違って、庭を散策したり、豪華なヨーロッパ風のリビングルームなどでの会話にはそれなりの楽しみがある。
私自身は、久しぶりに、クロッテッド・クリームとたっぷり熟成したストローベリー・ジャムをつけて本格的なスコーンを頂きながら、イギリスでの思い出を反芻していた。
丁度、初秋には珍しい冷たい雨で、美しい大使公邸の芝庭を散策することが出来なかったが、さすがにイギリス大使館で、広々とした美しい庭園が広がっていた。