現在の為替レート1ドル90円は、決して円高ではなく、むしろ、円安である。
日本がデフレ不況で呻吟していた間に、アメリカは30%以上のインフレでドルは減価しており、為替レートが、歴史上最高の円高であった79円の水準に上昇すると仮定すると、1ドル60円となり、現在の90円は、危機的な数字ではない。
これが、以前からニューヨークで語られている見解のようだが、その所為ばかりではないであろうが、中国の元高ばかりが問題になって、日本やアジアの通貨高は問題にならなかったのであろうか。
しかし、これまで維持してきた円安基調の日本政府の為替政策が裏目に出て、円安状態にどっぷり浸かった製造業が輸出ドライブをかけて、内需が弱い日本の経済成長(?)を支えて来たのだが、世界同時大不況に拠るドラスティックな輸出の減少で、壊滅的な打撃を被っている。
日本経済の下支えは、輸出によってなされてきた。今回の日本の経済不況は、企業の財務状況は良好であるにも拘らず、行過ぎた円安政策がアダとなり、ものを造り過ぎた製造業が、輸出ダウンによる売り上げ減少で経営状態が極端に悪化しているので、製造業不況の様相を濃くしている。
伊藤元重教授は、翔泳社のセミナーの現下の国際経済情勢を語る講演のなかで、こんな話をした。
日本の製造業の国際競争力とイノベイティブな革新性については、世界屈指の実力を持っているので、イノベーションを推進するためにも、円安維持の外為政策を止めて、為替は自由市場の趨勢に任せるべきで、むしろ、円高政策を国是とすべきであったと、私自身は、このブログで持論として述べ続けてきた。
伊藤教授の見解は、日本経済を輸出に頼り過ぎたところに問題があると指摘しているが、優良企業の大半が、輸出比率が異常に高く、それにも拘らず、国内生産の比率が低くて輸出に依存しておれば、当然、外需頼みで、かつ、為替の影響をモロに被ってしまう。
それに、日本の製造業は、オープン性に欠けた自社主義を固守する傾向が強く、国内に膨大な工場等生産研究開発拠点を温存しており、極めて固定コストが高くて腰が高いので、ITやサービス産業と比べても、或いは、ファブレスやアウトソーシングなどで製造拠点持たない米国製造業と比べても、製造売り上げ高の減少による稼働率の低下は、致命的な結果を招く。
私は、ソニーの苦境については、TVの業績悪化が問題となっているが、既にコモディティに成り下がってしまったTVをコアビジネスとして維持し、持続的イノベーションを追及しているからで、この世界は、中国やアジア新興国の分野であり、
かってのソニーのように革新的で他社の追随を許さないようなファンをワクワクさせるようなものを作り出せなくなった、即ち、破壊的イノベーションの追及が出来なくなった歌を忘れたカナリアになってしまったら明日は暗いと思っている。
世界の趨勢は、マスプロダクションを意図するのなら、1にも2にも安くて品質の良いものの製造販売で、有能な新興国の製造業が虎視眈々と狙っており、最早、日本製造業の目指すべき道ではないと思う。
伊藤元重教授は、この講演で色々と面白いことを語っていたのだが、IT関連のセミナーでありながら、日本企業がITにうつつを抜かすのは止めて、全く後塵を拝し得意でもないITは、グーグルなどに任せて、もっと、付加価値の高い将来の趨勢を見越した製造システムを開発推進した方が良いと言う。
代替(コーヒーと紅茶)と補完(コーヒーと砂糖)の話で、経営では、代替で成功したケースはなく、日本は、補完を目指すべきだと言う。(蛇足だが、代替でも成功例はあるが、それらは、悉く、破壊的イノベーションによる。)
コンピュータに弱いので、故障すれば学生を呼んでお金を払って直して貰い、操作は秘書に任せて、自分は価値創造的な仕事に勤しむ方がはるかに効率的であることが分かり、そうしているのだが、これと同じだと語る。
日本の今後目指すべき道として、伊藤教授が提起したのは、医療、環境、住宅関連のフルパッケジでのシステムの開発で、日本の需要を喚起するのみならず、将来無限の可能性を秘めたアジア市場をターゲットにすべきだと言うのである。
今回の不況で、苦境に立って散々苦しんでおり、活路を見出すべく、日本の製造業は必死のブレイクスルーを追求するので、創造的でイノベィティブな素晴らしい産業が生まれてくると期待している。
日本がデフレ不況で呻吟していた間に、アメリカは30%以上のインフレでドルは減価しており、為替レートが、歴史上最高の円高であった79円の水準に上昇すると仮定すると、1ドル60円となり、現在の90円は、危機的な数字ではない。
これが、以前からニューヨークで語られている見解のようだが、その所為ばかりではないであろうが、中国の元高ばかりが問題になって、日本やアジアの通貨高は問題にならなかったのであろうか。
しかし、これまで維持してきた円安基調の日本政府の為替政策が裏目に出て、円安状態にどっぷり浸かった製造業が輸出ドライブをかけて、内需が弱い日本の経済成長(?)を支えて来たのだが、世界同時大不況に拠るドラスティックな輸出の減少で、壊滅的な打撃を被っている。
日本経済の下支えは、輸出によってなされてきた。今回の日本の経済不況は、企業の財務状況は良好であるにも拘らず、行過ぎた円安政策がアダとなり、ものを造り過ぎた製造業が、輸出ダウンによる売り上げ減少で経営状態が極端に悪化しているので、製造業不況の様相を濃くしている。
伊藤元重教授は、翔泳社のセミナーの現下の国際経済情勢を語る講演のなかで、こんな話をした。
日本の製造業の国際競争力とイノベイティブな革新性については、世界屈指の実力を持っているので、イノベーションを推進するためにも、円安維持の外為政策を止めて、為替は自由市場の趨勢に任せるべきで、むしろ、円高政策を国是とすべきであったと、私自身は、このブログで持論として述べ続けてきた。
伊藤教授の見解は、日本経済を輸出に頼り過ぎたところに問題があると指摘しているが、優良企業の大半が、輸出比率が異常に高く、それにも拘らず、国内生産の比率が低くて輸出に依存しておれば、当然、外需頼みで、かつ、為替の影響をモロに被ってしまう。
それに、日本の製造業は、オープン性に欠けた自社主義を固守する傾向が強く、国内に膨大な工場等生産研究開発拠点を温存しており、極めて固定コストが高くて腰が高いので、ITやサービス産業と比べても、或いは、ファブレスやアウトソーシングなどで製造拠点持たない米国製造業と比べても、製造売り上げ高の減少による稼働率の低下は、致命的な結果を招く。
私は、ソニーの苦境については、TVの業績悪化が問題となっているが、既にコモディティに成り下がってしまったTVをコアビジネスとして維持し、持続的イノベーションを追及しているからで、この世界は、中国やアジア新興国の分野であり、
かってのソニーのように革新的で他社の追随を許さないようなファンをワクワクさせるようなものを作り出せなくなった、即ち、破壊的イノベーションの追及が出来なくなった歌を忘れたカナリアになってしまったら明日は暗いと思っている。
世界の趨勢は、マスプロダクションを意図するのなら、1にも2にも安くて品質の良いものの製造販売で、有能な新興国の製造業が虎視眈々と狙っており、最早、日本製造業の目指すべき道ではないと思う。
伊藤元重教授は、この講演で色々と面白いことを語っていたのだが、IT関連のセミナーでありながら、日本企業がITにうつつを抜かすのは止めて、全く後塵を拝し得意でもないITは、グーグルなどに任せて、もっと、付加価値の高い将来の趨勢を見越した製造システムを開発推進した方が良いと言う。
代替(コーヒーと紅茶)と補完(コーヒーと砂糖)の話で、経営では、代替で成功したケースはなく、日本は、補完を目指すべきだと言う。(蛇足だが、代替でも成功例はあるが、それらは、悉く、破壊的イノベーションによる。)
コンピュータに弱いので、故障すれば学生を呼んでお金を払って直して貰い、操作は秘書に任せて、自分は価値創造的な仕事に勤しむ方がはるかに効率的であることが分かり、そうしているのだが、これと同じだと語る。
日本の今後目指すべき道として、伊藤教授が提起したのは、医療、環境、住宅関連のフルパッケジでのシステムの開発で、日本の需要を喚起するのみならず、将来無限の可能性を秘めたアジア市場をターゲットにすべきだと言うのである。
今回の不況で、苦境に立って散々苦しんでおり、活路を見出すべく、日本の製造業は必死のブレイクスルーを追求するので、創造的でイノベィティブな素晴らしい産業が生まれてくると期待している。