熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

メールが開けなくなってしまった

2024年06月30日 | 
  朝起きてパソコンを起動して、真っ先に開くのは、Outlookのメール。
  ところが、今朝、パソコンを叩ても、画面が動かない。
  Plalaの窓が表れたので、メールアドレスとパスワードを打ち込んだが、エラーが出て前に進まない。
  メールアドレスは表示されているので間違いないし、パスワードはブラインドなので、何度も打ち直して試みたがエラー表示は消えなくて画面は変わらない。

  仕方なく、Plalaに電話を入れた。音声電話が続くのだが、待っていると、Plalaの場合は、かなりの確率でスタッフにつながって、丁寧に対応してくれる。

  色々調べてもらった結果、わがメールアドレスが盗まれて、大量の異常なメールの攻撃があったので、Plalaが察知して、メールのパスワードを変更して、ブロックしてくれたということが分かった。
  したがって、変更されたパスワードを何回叩いても表示されない筈である。

  結局、Plalaのスタッフが丁寧に誘導してくれたのは、新パスワードの設定で、20年以上も馴染んできたPlala設定のパスワードの変更である。
  単純な作業かもしれないが、傘寿を超えたITディバイドの私を、懇切丁寧に教えてくれるスタッフのサポートがありがたい。

  新パスワードを入力してOutlookを起動すると、いつものように、正常にメールが表示されたのでホッとした。
  一気に、150本以上のメールが表示されたのだが、その内、50以上は、Mail Administratorというメールで、これが、問題の原因だったのであろう。何も見ずに、即刻削除した。
  Plalaが、PWを変更してブロックしなければ、延々と続いて、わがメールをダウンさせようとしていたかと思うと恐ろしい。

  後で、マカフィーのページを開いたのだが、大量メールのアタックに対する警告表示もなく、「問題はありません」の表示だけである。
  マカフィーは、このようなアタックには、対応していないのであろうか。
  それでは、何のためのセキュリティソフトなのか、心配になってきた。

(追記)エンジニアの説明では、メールアドレスとパスワードが、盗まれて、悪用される可能性を察知して、PWを変えて対応した。しかし、同時に、勝手に2件のオプションが申請されていていた。仮にストップさせせているとのことだが、このオプションを削除するのに3日待たねばならなくて、Plalaでは出来ないので、私自身で自分でアドレスを開いて削除するために、指導するという指示をもらった。既存のPWは、Plalaが設定した私には馴染みのない英字の大文字だったので、Plalaメールから盗まれたようであった。
最近、Plalaから契約確認のメールがしきりに入っているので、注意する必要があるのであろう。

同時に、マカフィーの完全スキャンを指示されたので、行ったが、異常はなかった。マカフィー関係では、問題ないという。

3日、新しく作成されていたオプションメールアドレス2件を、Plalaのエンジニアの指示で削除した。とにかく、セキュリティソフトのフルスキャンは、頻繁に行えということであった。
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LIVE配信の株主総会を見た

2024年06月28日 | 経営・ビジネス
   LIVEで放映の株主総会を見て、久しぶりに株主総会の雰囲気を味わった。
   開催日が月末に集中していて重なっているので、見たのは、日産とみずほと三菱UFJであった。
   それぞれ不祥事があったり業績が悪かったり問題があるのだが、全く無風状態で、平穏無事に終わった。  
   株主総会に出かけて行って、それなりに楽しんでこのブログでも感想を書いたりしていたのは、カルロス・ゴーンの頃であったから、随分、離れている。

   あの頃は、専攻がビジネスであった所為もあって、会社経営に興味があったので、その方面からかなり真面目に見ていたが、その後、徐々に娯楽と言った感じで見るようになって行った。
   そういう意味では、今回の株主総会は、特に面白くも楽しくもなく、途中で、中継を切ったりしていた。

   新聞やテレビでは、アクティビストの活躍が報道されていた。
   メガバンクでは、環境問題に対して定款変更が、株主提案として議題に提起されていたが、これなどは会社の経営方針の一部であって、定款には無関係で、あっさりと否決された。
   
   銀行株で問題なのは、PBRが、1に達していないこと。
   みずほなど、興銀絶頂期に買ったので、いまだに、時価が、購買時の半分にも達していないので、何十年も塩漬けである。
   レッド・オーシャンの最たる業界で、その中でも業績が思わしくなく競争力のない銀行なので、株価がもっと上昇して、日本経済なり銀行業が浮揚するのを待つ以外はなさそうであるが、ほかで相殺できれば、損切も考えている。

   日産は、いち早くEVに先行したので買ったのだが、EVも後塵を拝する状態で推移して、カルロス・ゴーンで、無茶苦茶。
   この会社も、みずほ同様に、ブルー・オーシャン戦略もないので、期待など出来そうにない。

   監査役をやっていたのは、総会屋の全盛時代。
   今のように、企業倫理もコンプライアンスも問題にさえならなかった時代であり、どんなに優良な企業でも、脛に傷を持つ身であり叩けば埃のでる状態であったから、総会屋の餌食になれば、株主総会も大荒れに荒れて、その日に終わらず翌朝まで延々と引き延ばされた大企業もあったほど。
   各企業とも、総会時期が近づくと、弁護士や信託会社のベテランアドバイザーの助力を得て、想定問答集を作って、リハーサルに明け暮れていた。

   バランスシートを読めるかなりの経営知識を持った総会屋もいたが、殆どはあることないこと口から出まかせで、恫喝脅し口調で経営陣を攻め続けるのであるから、真面な経営論の埒外で、どんどん、株主総会が暗礁に乗り上げてゆく。
   そんな時代であった。

   そう考えれば、今日のアクティビストや機関投資家などの株主総会に対する陳述や株主提案も、会社にとっては、脅威かもしれないが、しかし、経営論としては、かなり正鵠を得た要求もあって、脆弱な経営には良い薬になっている場合もあるのが興味深い。
   日本のトップ企業でも、株主の過半が外国人株主で占められている会社もあり、グローバルベースでの経営が求められる。
   国際的アクティビストの標的になる危険があるということである。

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PS:ダロン・アセモグル「それ自体が労働者びいきにならなければ、民主主義は死滅する」

2024年06月26日 | 書評(ブックレビュー)・読書
プロジェクト・シンジケートのダロン・アセモグルの論文「それ自体が労働者びいきにならなければ、民主主義は死滅するIf Democracy Isn’t Pro-Worker, It Will Die」が興味深い。

   民主主義は、約束された成果が達成されていないため、先進国全体で危機に瀕している。中道左派と中道右派が、賃金停滞、格差拡大、その他の好ましくない傾向と密接に結び付いているという事実から、極右と過激派政党は恩恵を受けて勢力を拡大している。
   民主主義が、国民の支持と信頼を取り戻すには、より労働者寄りで平等主義的になる必要がある。というのである。

   論点を抄訳すると、次のとおり。
   世界中で民主主義がますます緊張し、権威主義政党からの挑戦が激化していることは、すでにわかっていた。調査によると、民主主義制度への信頼を失っている国民の割合はますます増えている。極右が若い有権者に浸透していることは特に憂慮すべきである。今回のEUの選挙が警鐘だったことは誰も否定できない。
   しかし、この傾向の根本原因を理解しない限り、制度の崩壊や過激主義から民主主義を守る取り組みは成功しそうにない。
   先進国全体で民主主義が危機に陥っている理由は、制度のパフォーマンスが約束された水準に達していないことである。米国では、所得分布の底辺と中間層の実質所得は1980年以降ほとんど増加しておらず、政治家もそれについてほとんど何もしてこなかった。同様に、ヨーロッパの多くの国では、特に 2008 年以降、経済成長が鈍化していて、最近低下傾向にはあるが若者の失業率は、フランスや他のヨーロッパ諸国では長い間、大きな経済問題となっている。

   西側の自由民主主義モデルは、雇用、安定、高品質の公共財を提供することになっていた。第二次世界大戦後、このモデルはほぼ成功したが、1980 年頃からはほぼすべての点で不十分であった。左派と右派の両方の政策立案者は、専門家によって設計され、高度な資格を持つテクノクラートによって管理される政策を宣伝し続けた。しかし、これらの政策は繁栄の共有をもたらさなかったのみならず、2008 年の金融危機の条件を作り出し、成功の痕跡をすべて剥ぎ取った。ほとんどの有権者は、政治家は労働者よりも銀行家のことを気にしていると結論付けた。

   民主主義が経済成長、腐敗のない政府、社会と経済の安定、公共サービス、格差の少なさを実現しているという直接的な経験を持つ有権者は、民主主義制度を支持する傾向があるが、これらの条件を満たさなければ支持を失うのは当然のことである。
   さらに、民主主義の指導者は国民の大部分の生活条件の改善に貢献する政策に焦点を当てているにもかかわらず、国民と効果的にコミュニケーションをとることに成功していない。
   民主主義の指導者は、国民のより深い懸念にますます無関心になっている。フランスの場合、これは部分的にマクロンの横暴なリーダーシップスタイルを反映している。しかし、これはまた、制度に対する信頼のより広範な低下、そしてソーシャルメディアやその他のコミュニケーション技術が(左派と右派の両方で)二極化した立場を促進し、国民の多くをイデオロギーの反響室に追い込む役割を果たしている。
   政策立案者や主流派の政治家も、大規模な移民がもたらす経済的、文化的混乱に鈍感であった。ヨーロッパでは、過去10年間で中東からの大量移民について国民のかなりの割合が懸念を表明したが、中道派の政治家(特に中道左派の指導者)はこの問題への取り組みが遅かった。それが、スウェーデン民主党やオランダ自由党などの反移民極右政党に大きなチャンスをもたらし、その後、これらの政党は与党の公式または非公式な連立パートナーとなった。

   先進国における共通の繁栄を妨げる課題は、AIと自動化の時代には、さらに大きな問題となろう。気候変動、パンデミック、大量移民、地域および世界の平和に対するさまざまな脅威が、すべて懸念事項となっている時代である。
   しかし、民主主義は依然としてこれらの問題に対処するのに最も適している。歴史的および現在の証拠は、非民主的な政権は国民のニーズに応えにくく、恵まれない市民を支援する効果が低いことを明確に示しており、証拠も非民主的な政権が長期的には最終的に成長を低下させることを示している。

   それでもなお、民主的な制度と政治指導者は、公正な経済の構築に新たな取り組みをする必要がある。それは、多国籍企業、銀行、および世界的な懸念よりも、労働者と一般市民を優先し、適切な種類のテクノクラシーへの信頼を育むことを意味する。グローバル企業の利益のために政策を押し付ける無関心な役人ではだめで、気候変動、失業、不平等、AI、そしてグローバリゼーションの混乱に対処するには、民主主義国は専門知識と国民の支持を融合させる必要がある。
   これは容易なことではない。なぜなら、多くの有権者が中道政党を信用しなくなっているからである。フランスのジャン=リュック・メランションに代表される極左派は、労働者への献身や銀行やグローバルビジネスの利害からの独立という点で主流派政治家よりも信頼性が高いが、左派のポピュリスト政策が本当に有権者が望む経済をもたらすかどうかは不明である。
   これは中道政党が進むべき道の1つを示唆している。彼らは、グローバルビジネスや規制のないグローバリゼーションへの盲目的な忠誠を拒否し、経済成長と不平等の低減を組み合わせる明確で実行可能な計画を提示するマニフェストから始めることができる。また、開放性と移民に対する合理的な制限の許容との間でより緊密なバランスを取る必要がある。
   議会選挙の第2回投票で国民連合に対抗して十分な数のフランスの有権者が民主派政党を支持すれば、マクロンの賭けはうまくいくかもしれない。しかし、たとえそうなったとしても、従来通りのやり方を続けることはできない。民主主義が、国民の支持と信頼を取り戻すには、より労働者寄りで平等主義的になる必要がある。

   以上が、アセモグルの主張だが、
   危機に瀕している民主主義を救済するためには、そのパフォーマンスに失望して信頼を失っている重要な担い手である労働者や一般市民の安寧と生活水準をレベルアップすることによって、中道政治の支配体制を取り戻す以外に道はない、ということであろうか。
   私が興味を持ったのは、ワシントン・コンセンサスを皮切りとした、そして、EUのブラッセル官僚に至る独善的強権的に民主主義の政策を操ってきたテクノクラートの政治経済政策管理が、資本主義の方向性を誤って民主主義を窮地に追い込んできたという強烈な糾弾である。
   国際機関や官僚機構の主導を許して、 高邁な哲学思想を欠いた為政者や政治家に支配されたリーダー不在の世紀末から今日にいたる政治経済社会体制が、民主主義を弱体化させてきたということである。


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総合病院でマスク掛け忘れて10分

2024年06月25日 | 健康
   コロナの状況がどうなっているのか分からないが、某総合病院で、マスクをかけ忘れていて、看護師さんに注された。
   勿論、病院ではマスク掛けは厳重に守られていて、最初から最後までマスクを外さないのだが、その日に限って、院内のドトールコーヒーショップで、軽食を取ったので、マスクを外したまま、外に出てしまったのである。
   その後、ロビーに出て、機械で病院の支払いを済ませて、少し小休止して、聞くことがあったので受付でコンタクトして、出入り口近くにデスクしていた看護師さんに話していた時に、「病院だから、身を守るために、マスクは大切です。」と注意されて、やっと、気付いたのである。

   6回か7回か忘れたが、ワクチンはこまめに打っていたし、午後に入っていたので人の混み具合も減っていたし、ほんの5分か10分足らずの小時間なのだからと思っても、看護師さんの注意が気になる。

   それから、四六時中体温を測り、毎朝、体調に変化がないか気にしながら起床していた。
   一週間経ったが、別に変わった様子はない。
   無罪放免ではなかろうが、一寸、ほっとしている。
   歳を取ると、非日常のほんの些細なことでも対応をミスる。注意しなければと心している。
   

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住所表示システム、面か線か

2024年06月24日 | 海外生活と旅
   今日の日経の文化面に、下嶋一浩さんの「京都に出没、謎のひげ紳士」というコラムが掲載された。仁丹が設えた京都の道路標示看板の話だが、私が注目したのは、京都の住所表示である。
   西洞院通花屋町下、花屋町通西洞院西入、と言った日本では特異な条里制の住所表示である。

    日本の住所は、奈良や平安の時代には、京都のように、条里制の住居表示方法を導入したのだが、なぜか、そこから離脱して、面で住所を表示する方法に変わった。
   道路は付属物で名前がなく、一番最初に家が建った所が一丁目一番地で、次に建った所が二丁目、従って、最近では住所表示の変更で大分ましになったが、面表示なので順列が歪で分かりにくい。 

    余談だが、今は知らないが、サウジアラビアも、道路名も住所もなく、昔は、総て郵便は私書箱であった。
   タクシーに乗ったら余程上手く説明しないと目的地に行き着けないので、出張で何回か行ったが、タクシーには乗らなかった。 

   ところで、大まかに言うと、欧米の場合は、まず、道路ありきで、総ての道路に名前が付いていて、市役所に近いところから、その道路沿いに住居番号が付けられている。通りの一方の片側は奇数、反対側は偶数表示で、そして、次の交差点から、10番台乃至100番台の番号が一つずつ大きくなる。
   従って、通りの名前と、住居番号さえ分かれば、大体間違いなく正しい住所に行きつける。

    尤も、理屈はそうだが、実際には、入り組んでいたり、大きな門の中にまた通りがあって名前が付いていたりで、集合住宅が密集している場合など中々難しく、ウィーンで、シュタット・オペラの著名指揮者のアパートを探すのに難渋した記憶がある。
   ロンドンの場合も、アッパーかアンダーかの確認をミスして上下を間違って困ったロンドンっ子もいた。
   それにローマ時代の入り組んだ路地がそのまま残っていて、これが道かと思う様な所も多いのがロンドンで、兎に角、場所探しは何処も大変である。 
   現在は、デジタル革命でカーナビなど進化して問題ないのであろうが、そんな牧歌的なアナログ時代が懐かしい。 
 
   ずっと昔の話だが、それでも、ロンドンのタクシー運転手の資格取得試験は難しかった。
    運転手に聞いた話では、お客の要求する場所に最も早く最も経済的かつ正確に行かなければならない義務がある、と言うことで、
   その為に、試験を受ける前には、ロンドン中の道と言う道は総て単車で回って道を覚えたのだと言う。試験官の顔が鬼に見えるとも。
   ここで工事をしていて通行止め、ここで何時から何時まで通行禁止、それでは、ここからここへどう行くのか等々、複雑な難しい質問をされたら、道だけではなく交通標識、交通ルール等など一切を知っていないとダメである。
   実際に、ほんの数百メートルだが間違って行って引き返したことがあったが、運転手は自分が間違ったのだから、料金は要らないと固守されたことがある。
   道が分からないのでタクシーに乗ったのに、「お客さん、先日、岡山から来たとこなんですけど、どの道行きましょうか?」と言われた日本とえらい違いだったのを強烈に覚えている。

   住所表示システムを、面で表示するか線で表示するか、国民性の違いが垣間見えて興味深い。
   
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W・チャン・キム 他著「ブルー・オーシャン・シフト」

2024年06月21日 | 書評(ブックレビュー)・読書
   W・チャン・キム & レネ・モボルニュ 著の「ブルー・オーシャン戦略――競争のない世界を創造する」の続編である。長い間積読であったのを、パソコン故障で手持無沙汰となって、書棚から引き出した。
   このブルーオーシャンの本は、クリステンセンの「イノベーターのジレンマ」に関する一連の本とともに、イノベーション論で最も感化を受けた本である。
   さて、この本は、更に進めて、あらゆる組織が、レッド・オーシャンからブルー・オーシャンへシフトして、どのようにして新たな成長をつかみ取るか、その戦略と方法を説いていて興味深い。

   レッド・オーシャンは、大多数の企業が競争する既存の企業界を指し、ブルー・オーシャンは、無競争で全く新たに創造される業界すべてを指し、利益や成長は次第にここから生まれるようになる。血みどろの既存市場での競争に明け暮れて呻吟するレッド・オーシャン企業の競争の理論に対して、競争を無意味にする市場創造の理論である「ブルー・オーシャン戦略」を解き明かす。

   さて、今回面白いと思ったのは、「攪乱的イノベーション」という概念である。
   クリステンセンは、イノベーションを「持続的イノベーション」と「破壊的イノベーション」に分けて、後者の革命的イノベーションについて詳細に論じて一世を風靡した。
   ところが、キムたちは、このクリステンセンの「破壊的イノベーション  disruptive  innovation 」を破壊的ではなく、「攪乱的イノベーション」と訳して、disruptive(混乱を起こさせる、妨害する)とdestructive(破壊的)とに明確に使い分けている。このように使い分けると、クリステンセンの破壊的イノベーションは「攪乱的イノベーション」であって、低位のテクノロジーから支配的イノベーションへと進化してリーダー企業を凌駕してゆく、イノベーターのジレンマの過程が良く分かる。

   ところで、シュンペーターの説いたのは、「創造的破壊 creative destruction 」である。
   経済成長の真のエンジンは、新市場の創造であり、この創造は破壊によってもたらされる。破壊が起きるのは、イノベーションが従来の技術や既存の製品・サービスに代替することによってであり、代替なしには破壊は起きない。
   創造的破壊が、優れた技術、製品、サービスが登場して、従来のものに取って代わることによって起こるのだが、現実には多大の影響力を持つクリステンセンの説く前述の「攪乱的イノベーション」が重要である。
   最初は劣った技術なのでトロイの木馬として登場して、やがて、優れた技術や製品に進化して、市場リーダーを駆逐する。市場を揺るがせるような技術ではなかったので新参者を無視して看過したリーダー企業が気付いた時には既に手遅れとなって駆逐されてしまう。

   尤も、非攪乱的創造も生まれている。
   セサミストリートやマイクロフィナンスのグラミン銀行などその例で、それに、ICT分野でも多数生まれている。
   イノベーションは、多岐にわたっているのである。

   注目すべきは、技術イノベーターは、卵を産むかもしれないが、自分たちで孵化させるわけではない。その卵を孵化させて商業的な成功へ導くのは、他の企業家であって、例えば、
   世界最初のPCを発明したのはMITSだったが、新しいPCのマスマーケットを支配したのは、アップルとIBMであった。
   ダーウィンの海や死の谷を越えて、イノベーションを企業化するのは大変なのである。
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コンカドール、アガパンサス、アジサイ

2024年06月20日 | わが庭の歳時記
   美しい草花には縁の乏しいわが庭にも、梅雨時の花が咲きだした。
   まず、カサブランカ系の黄色いユリ・コンカドール。
   色々植えたのだが、植えっぱなしなので殆ど消えてしまって、残って咲き続けているのは、この花だけ。
   オランダ帰りの日本オリジンのユリだが、優雅である。



   
   淡い紫いろの線香花火のような大型の花アガパンサス、南アフリカ原産の花だという。     
    

   アジサイは、あっちこっちに顔を覗かせているのだが、とにかく、混み混みの庭で空間がないので、わが庭ではひっそりと咲いていて、路傍のアジサイの方が幸せであろうか。
   典型的なスタイルのアジサイよりは、わが庭では、一寸異形の花がはばを利かせている。
   

 
 

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梅の実を買って梅ジャムを作った

2024年06月19日 | 生活随想・趣味
   毎年、我が庭の梅の木には、たわわに梅の実が成って、梅酒と梅ジャム、時には梅ジュースを作る。
   しかし、今年は、冬の異常気象で、全国的にも梅は不作で、我が庭の梅も、ほんのちらほら結実しただけで、全く駄目であった。
   梅ジャムを作りたくなったので、仕方なく、スーパーで、一袋1キロの梅を買ってきたのである。千数百円で、異常に高いが仕方がない。

   梅ジャムの作り方は、毎年、インターネットを叩いて、適当なレシぺを見つけて、それを使う。
   とにかく、手間暇を掛けたくないので、簡略シンプルに徹する。
   今回取った手法は、我流折衷法で次の通り。
   梅をきれいに洗ってヘタを取って水けをふき取ってビニールパックに入れて、一晩冷凍室で寝かせる。
   翌日、鍋に梅を移して実が隠れる程度に水を入れて弱火で温め沸騰させると実が柔らかくなって崩れてくる。(冷凍梅なのですぐに崩れる)
   水を抜いて実が冷たくなると、梅の実を握り潰して果肉を残して種を取り除く。
   残った果肉を鍋に移して、弱火で煮込みながら、徐々に砂糖を加え、ヘラで攪拌する。
   レシぺでは、砂糖は同量の1キロだが、私はいつも7割程度に抑えている。
   15分くらいで火を落として、熱いままのジャムを、消毒済みの瓶に詰める。
   大瓶が二瓶、上出来であった。
   
   当分、朝食用のスコーンのジャムとして重宝する。
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カントリーライフを愛するイギリス人

2024年06月18日 | 海外生活と旅
   日本では新緑が萌えて緑の一番美しい季節だが、確かイギリスでは、ばらが咲き乱れるトビっきり素晴らしいシーズンである筈。
   June Brideという言葉が、それを最も象徴しているように思う。
 
   この口絵写真は、最も親しかったイギリス人夫妻ジム&マーゴ・アブラハムのロンドン郊外のギルフォードの邸宅というか自宅である。
   テラスから庭越しにヒースロー空港を展望したのが次の写真だが、とにかく、広大な田園地帯の中の自然に囲まれた素晴らしい邸宅である。
   バックヤードの広さは、日本なら、ゆうに、大型マンションが5~6棟は建つ広さで、季節には花々が咲き乱れ色々な果物がたわわに実るなど時々刻々と姿を変える。
   びっくりしたのは、多少、プロの手助けを借りるにしても、大手エンジニアリング会社の会長ジムがメカを担当して、会長夫人マーゴが庭仕事の一切を行って素晴らしい庭を維持していることであった。王立協会のセミナーにせっせと通って勉強していたという。
   晩餐会やオペラなどの鑑賞会には綺麗に正装して現れる英国紳士淑女が、カントリーライフに生きるときには、素足で庭を駆け巡る、私たち家族も仲間に加わって、時にはそれを楽しんだ。
   

   ところで、イギリス人のカントリーライフ志向は、いわば、イギリス人気質の象徴というべきもので、私の住んでいたキューガーデンの家でも、広大な裏庭があって温室も併設されていた。わが家がそうだと言うのではなく、そんな家が、並んで住宅街が形成されているのである。
   イギリスの家は、前庭はそれほど広くはないが、裏庭がその数倍もあって広いのが特徴である。
   私は、今日はマドリード、明日はパリと多忙を極めていたので、庭仕事の余裕はなく、東欧からの庭仕事の女性に世話を頼んでいた。近所の英国人家庭では、ナショナル・トラスト会員も多くて、それなりに、ガーデニングを思い思いに楽しんでいたようであった。
   
   ところで、私が付き合っていた要人などは、ロンドンから遠く離れた田舎に、故郷というか本拠を持っていて、ロンドンにアパートなり仮の宿舎を持って二重生活をしている人がかなりいた。
   重要な仕事は、ロンドンベースでないと仕事にならないので、週日はロンドンで仕事をして、週末に故郷に帰ってカントリーライフに勤しむという生活リズムである。

   ジムのケースは、いわば、カントリームードたっぷりの邸宅で日常生活を送りながら、都会へ鉄道で通うという田舎と都会綯交ぜの格好のトカイナカの選択だが、やはり、オールドエイジの名残というか、カントリーとロンドンでの住居併設が、英国人の好みのような気がしている。
   
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Windows11にグレードアップ

2024年06月17日 | 
   初期化してWindows10に戻った我がパソコンを、Windows11にグレードアップした。

   Windows 10 のサポートが、2025年10月14日に終了する。富士通のエンジニアは変える必要はないと言ったのだが、どっちにしてもサポートが切れる旧バージョンに固守することもないので、無料でアップグレードできる間にしておいた方がよいと思った。
   元々、新旧の端境期で、即時にWindows11にグレードアップできるというので、旧版ながらできるだけ高級品を買って、Windows11に変換して使ってきた。しかし、初期化から起動してWindows10へのUpdateが終わって正常に機能するまでは、アップグレードができなかった。
   今朝、Updateを開くと、Windows11へのグレードアップへの窓口が開いている。
   文句なしに、クリックしたら、Windows Updateのページに移ったので、次のクリックの場所を探した。しかし、待っても出てこないので再度戻ってクリックしたが同じ画面が現れる。
   不思議に思って、画面をよく見ると、状態と表示されたところに、ダウンロード中として5%の数字が表れていて、6%に変わった。機能していたのである。
   後は時間の問題で、そのまま、ダウンロードを100%まで待つと、インストールが0%からスタートして100%まで待つ。都合2時間ほど掛ったであろうか、再起動して、Windows11へのグレードアップは完了した。
   Windows11 Home へ衣替えである。

   もう一つ面白かったのは、マカフィーの再設定である。
   問題は、富士通の新品のパソコンには、マカフィーリブセーフの3年版のソフトが無料で添付されるので、我がパソコンも初期化であるから、その恩典に与かることになり、即インストールされたのである。
   前のマカフィーリブセーフの有効期限は、1年を切っているので、乗り換えればよいのだが、いわれのない不当利得なので、ダブルインストールを避けるべく、新規を切って旧に復する手続きを取った。こんな単純な話でも、色々厄介な手続きが必要で興味深い。

   厄介なのは、メール関係。
   バックアップを取っていなかったので、重要なメールアドレスを失ってしまった。
   どうするか、頭が痛い。
   他にも、初期化の被害は大きくて、修復には時間がかかりそうである。
   
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パソコンをセットアップ、動き始めた

2024年06月15日 | 
   パソコンの故障で、通常の修理で解決しなかったので、保存データの消去を覚悟して工場で初期化して帰ってきたパソコン。
   再起動について困った経緯は昨日書いたが、その後、ほぼ、自分なりにパソコンを叩きながら、あっちこっち、微調整し続けていると、色々な機能が旧に復してきた。旧に復すると、正常な日常が帰ってきたようで嬉しくなる。
   しかし、こんなことが起こると予想だにしていなかったので、バックアップが不十分であり、初期化によって失った保存データの損失は、非常に大きくて、貴重な記録や写真が消失してしまった。悲しい。

   難しい機能や複雑な新機能など込み入った使い方をしているわけではないので、それほど心配はないはずなのだが、それでも、頻繁にアタックしてくる悪質なメールや異常なページを不用意に開いたりして、虎の尾を踏むことがある。マカフィーにも全面的には頼れないし、どこからデータが流出しているのか分からないが、消しても消しても、攻撃にさらされ続けているので、気が休まらない。

   ところで、私の使用範囲では、Windows10とWindows11とは、それほど機能が変わっているという訳ではないので、今回の初期化後も、それほど困ることもなかった。
   しかし、もう傘寿も半ばで、ITデバイドエイジでもあり、少しずつ、パソコンの叩き方もアクティブさに欠け始めている。
   いずれにしろ、認知症や視力の衰えなど何らかの形で、10年も前、後期高齢者に入り始めたころから、パソコンを使えなくなった親友たちがいるので、幸いだと思うことにしている。
   尤も、先日述懐したように、パソコン漬けで人間らしい穏やかな生活からほど遠い味気ない日々を過ごしていて、何が幸せかということではあるが、それも老いの娯楽人生で、路線変更出来そうにはない。

   ところで、これまで、殆どプロの指導を受けずに我流でパソコンを操作しながら微調整して修復したり、騙し騙しどうにかパソコンとの共生生活を送ってきた。
   パソコンを使い始めたのは、会社にいた時で、専門部署のスタッフに負んぶにだっこであり、退任してからもしばらく電話でトラブル処理のガイドを仰いでいた。
   もう、それも、20年ほども前のことで、それ以降は、パソコン教室にも通わず、パソコンは5代目ながら、我流でパソコンを叩きながら、このブログも19年以上も続けてきたから、独立独歩でやってきた。

   しかし、これから、どこまでやって行けるのか、努力と運次第であろうと言う気がしている。
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パソコン修復:ブログ再開

2024年06月14日 | 
   6月1日、パソコンを、スリープ状態にして外出して帰ってきたら、勝手に電源が飛んで、起動しなくなった。
   困って、富士通にコンタクトしながら修復を試みたが、だめ。
   訪問修理だと3万5千円かかるというのだが、ITデバイドの老人には有り難いが、そんな余裕もない。
   データ消去に逡巡しつつも意を決して、初期化を目指して、電話指導によるFMVテクニカルサポートにも助力を仰いだが、解決しない。仕方なく、工場で修理ということになって、2週間パソコンなしの生活が続いた。

   今朝、パソコンが帰ってきたので、4年前に買った時のガイドブックを頼りにして、立ち上げようとしたのだが、完全にシステムが変わってしまっていて、途中で暗礁に乗り上げてしまって、パニック状態になった。
   結局、富士通のFMVテクニカルサポートに電話して、一から立ち上げを手伝ってもらって、どうにか動くようになり、このブログも再開出来るようになった。
   結構、やることが多くて、まだ、ほとんど解決してはいないが、どうにか、インターネットとメールがつながったので、ほっとしている。Windows Updateにもずいぶん時間がかかっており、旧に復すためには、だいぶ時間がかかる。
   工場でのリカバリーも含めて、富士通の皆さんには随分お世話になったが、しめて22,550円。機械の点検清掃をやっていただいたので、当分は心配なさそうなので、まだ、パソコンを叩けそうな2~3年でも持ってくれたら良いと思っている。

   買った時には、Windows10だったので、すぐに、Windows11にグレードアップしたのだが、今回は初期化でWindows10に戻って多少戸惑っている。Windows10のサポートが来年に終わるので、別に不都合はないけれど、適当な時機を見て、Windows11にグレードアップしようと思っている。

   とにかく、今回感じたのは、自分の毎日の生活が、パソコンに雁字搦めに縛られいて、如何に自分らしい生活からほど遠い無味乾燥な生活をしていたかと言うことである。パソコンにBS4Kも含まれているので、加えて、テレビ漬け。まさに、パソコンとテレビの奴隷状態で、いたく反省した。

   
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当分ブログ休憩

2024年06月03日 | 
パソコン故障の為、しばらく、ブログを休ませて頂きます。
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