木村剛氏の出た「攻めのリスクマネジメント」セミナー聴講に興味を持ったもう一つの理由は、パネル・ディスカッションに、ドン・キホーテの安田会長がパネリストとして登場したからである。
ドン・キホーテの店には一度だけ入ったが、あのジャングルのような店の雰囲気に圧倒されてしまって、私の趣味に合わなかったので一渡り中を歩いて退出した。
しかし、日本そのものが、商品で溢れかえっている商品ジャングルのようなものであるから、何もドン・キホーテの店構えに驚くことはないのだが、この斬新で意表を衝いたビジネスモデルに関心を持って、一度勉強してみようと思っていた。
ドン・キホーテのホームページを開くと、顧客のニーズは、コンビニエンス(便利さ)とディスカウント(安さ)で、その購買意識を促するのがアミューズメント(楽しさ)であり、この3つを統合したものが会社の経営理念だと書いてある。
私自身は、この考え方には基本的には賛成だが、しかし、私が買い物をする場合には、自分の買いたい商品に関する知識が十分にあれば別だが、まず第一に、その店の信頼性が最も重要で、付加価値が高くて品質のしっかりした商品を買いたいと思っているので、別に便利に買えたり必要以上に安い必要はないし、その店での買い物が特別楽しくなくても良いと思っている。
おそらくドン・キホーテでは買い物をしないだろうと思うのだが、しかし、卓越した一家言を持って果敢に事業を展開している安田会長の経営哲学とこの徹底したビジネスライクな会社の姿勢と経営には感服している。
安田社長は、社是だとして次の5項目を挙げた。
・公私混同の禁止
・役得の禁止
・不作為の禁止
・情実の禁止
・中傷の禁止
自分自身への戒めだと言いながら、自分は今まで一点のくもりもなく、クリアホワイト、一線を踏み外すこともなく誠心誠意真面目に生きて来たので、役所であろうと暗い世界に対してであろうと怯むことなく言いたいことを言って生きて来たと語っていた。
内部統制とリスク管理のセミナーなので、安田会長の発言で興味深かったのは、自社の社内ルールについては、①着手容易性 と ②継続容易性を重視しており、そうでなければ役に立たないと言う。
従って、最近の有識者が内部統制システムで語っているのは総花的なマニュアルで、熱心に守れば会社の事業がおかしくなる、会社が倒産しても良いから守らなければならないと言うのはおかしいと言う。
現実には、どこの会社も、利益ぎりぎりの鬩ぎ合いで事業を行っているのである。
リスクについては、ドン・キホーテは、不幸な放火事件に遭遇して辛酸を舐めている。防災対策については、社運のかかっているリスクなので、利益とその対策コストとを天秤にかけるようなことは絶対にないと言い切る。
リスクには、二種類あると言う。
一度不祥事が発生すると容赦なく鉄槌が振り下ろされるので万全を期して対処すべき社運がかかっているようなリスクと、リターンとリスクがセットになっていて損得を天秤にかけて対処すべきリスクの二つだと言って、
例えば万引きの場合はゼロにしようとすれば異常なコストがかかるので、適当なところでリスクヘッジせざるを得ないと言う。
リーガルリスクについては、絶対に避けるべきリスクだと考えているので、必ず役所の指示を仰いで対処している。利益の為には、奇抜なことはやるが姑息なことはしないと言う。
その日のセミナーの一つの柱は、IT技術を駆使したドン・キホーテの子会社ドンキコムの「個人情報の流通革命 PDL(Personal Data Logistics)」の披露であった。
流通革命の旗頭の一つドン・キホーテのビジネス・プロセス・イノベーションを革新的ソフト技術の形で汎用ソフトとして開発したもので、広く一般にも幅広く活用出来るということであり、非常に素晴らしいことだと思って聞いていた。
安田会長は、何故こんなことが今まで気付かれなかったのか不思議だと言いながら、初めて言うのだがと恥ずかしそうに、
ドン・キホーテは、「力と根性」の会社だと言われているが、実は、システマチックな会社なのである、と語っていた。
ドン・キホーテの店には一度だけ入ったが、あのジャングルのような店の雰囲気に圧倒されてしまって、私の趣味に合わなかったので一渡り中を歩いて退出した。
しかし、日本そのものが、商品で溢れかえっている商品ジャングルのようなものであるから、何もドン・キホーテの店構えに驚くことはないのだが、この斬新で意表を衝いたビジネスモデルに関心を持って、一度勉強してみようと思っていた。
ドン・キホーテのホームページを開くと、顧客のニーズは、コンビニエンス(便利さ)とディスカウント(安さ)で、その購買意識を促するのがアミューズメント(楽しさ)であり、この3つを統合したものが会社の経営理念だと書いてある。
私自身は、この考え方には基本的には賛成だが、しかし、私が買い物をする場合には、自分の買いたい商品に関する知識が十分にあれば別だが、まず第一に、その店の信頼性が最も重要で、付加価値が高くて品質のしっかりした商品を買いたいと思っているので、別に便利に買えたり必要以上に安い必要はないし、その店での買い物が特別楽しくなくても良いと思っている。
おそらくドン・キホーテでは買い物をしないだろうと思うのだが、しかし、卓越した一家言を持って果敢に事業を展開している安田会長の経営哲学とこの徹底したビジネスライクな会社の姿勢と経営には感服している。
安田社長は、社是だとして次の5項目を挙げた。
・公私混同の禁止
・役得の禁止
・不作為の禁止
・情実の禁止
・中傷の禁止
自分自身への戒めだと言いながら、自分は今まで一点のくもりもなく、クリアホワイト、一線を踏み外すこともなく誠心誠意真面目に生きて来たので、役所であろうと暗い世界に対してであろうと怯むことなく言いたいことを言って生きて来たと語っていた。
内部統制とリスク管理のセミナーなので、安田会長の発言で興味深かったのは、自社の社内ルールについては、①着手容易性 と ②継続容易性を重視しており、そうでなければ役に立たないと言う。
従って、最近の有識者が内部統制システムで語っているのは総花的なマニュアルで、熱心に守れば会社の事業がおかしくなる、会社が倒産しても良いから守らなければならないと言うのはおかしいと言う。
現実には、どこの会社も、利益ぎりぎりの鬩ぎ合いで事業を行っているのである。
リスクについては、ドン・キホーテは、不幸な放火事件に遭遇して辛酸を舐めている。防災対策については、社運のかかっているリスクなので、利益とその対策コストとを天秤にかけるようなことは絶対にないと言い切る。
リスクには、二種類あると言う。
一度不祥事が発生すると容赦なく鉄槌が振り下ろされるので万全を期して対処すべき社運がかかっているようなリスクと、リターンとリスクがセットになっていて損得を天秤にかけて対処すべきリスクの二つだと言って、
例えば万引きの場合はゼロにしようとすれば異常なコストがかかるので、適当なところでリスクヘッジせざるを得ないと言う。
リーガルリスクについては、絶対に避けるべきリスクだと考えているので、必ず役所の指示を仰いで対処している。利益の為には、奇抜なことはやるが姑息なことはしないと言う。
その日のセミナーの一つの柱は、IT技術を駆使したドン・キホーテの子会社ドンキコムの「個人情報の流通革命 PDL(Personal Data Logistics)」の披露であった。
流通革命の旗頭の一つドン・キホーテのビジネス・プロセス・イノベーションを革新的ソフト技術の形で汎用ソフトとして開発したもので、広く一般にも幅広く活用出来るということであり、非常に素晴らしいことだと思って聞いていた。
安田会長は、何故こんなことが今まで気付かれなかったのか不思議だと言いながら、初めて言うのだがと恥ずかしそうに、
ドン・キホーテは、「力と根性」の会社だと言われているが、実は、システマチックな会社なのである、と語っていた。