伊藤邦雄教授が、日経主催のフォーラムで、本邦初公開と銘打って、次のような発表をした。
東証1部上場企業かつ3月期決算を行っている1250社を対象に、2007年3月期の海外売上高比率を軸に、日本企業を5グループに分類し、その時価総額、売上高、総資産、営業利益、売上高営業利益率および総資産を、2001年を起点にして時系列でその推移を観察して得た結論としての「グローバル企業成長戦略」は、
「EUを拠点に加えたバランス型グローバル戦略へ」である。
企業の海外売上高比率で20%を基準にして、20%以下を日本重視型、20%オーバーで、その50%以上を占める市場によって、北米重視型、欧州重視型、アジア重視型と区分し、さらに海外市場がバランスしている企業をバランス型として比較した場合、日本重視型とアジア重視型の数字が振るわず、欧州重視型とバランス型(やや遅れて北米型)が良い結果を得たので、こう結論したと言う。
まず、2001年はITバブルの年であり、世界の経済状況は地域によって大きく差があり、起点として適切かどうかが問題だが、それよりも、会場からも指摘があったが、為替の問題がどう作用しているのかによって大きく影響される筈で、ドル安で、更にユーロの価値が異常に上昇した時期でもあり、簡単には比較できない。
それに、アジアと言っても、その間の中国、インド市場などの特殊要因や90年代後半のアジア危機の影響など濃厚に影を落としている時期でもあり、この6年間の時系列比較で結論付けるのは非常に危険だと言う気がしている。
もっとも、どの資料からも、国内重視型の企業には明るい未来が感じられないと言う数字が出ている。さもありなんと思うが、業種にもよるのではなかろうか。
一般的に内需産業は、国際競争に曝されずに、生産性向上など企業努力を怠っている日本のお荷物産業だと言うことになっているが、その辺りにも問題があるのであろう。
伊藤教授の講演は、日経 BUSINESS INNOVATION FORUMの「拡大するEU圏にみるパラダイムシフト~グローバル競争の中で変化する企業戦略~」での、同タイトルの基調講演であったのだが、このフォーラムは、フランクフルトラインマイン国際投資促進公社の投資呼び込みセミナーでもあった。
伊藤教授のセミナーとしては、非常に総花的な講演で、意図が良く分からなかったが、冒頭から企業価値の向上戦略の重要性を説き、話題を日本のみならず欧米のM&Aに集中していたので、日本企業の欧州進出のためには、欧州企業との提携/M&Aの活用が有効であると言うことのように感じた。
進出に当たって、バリューチェーンをどのように構築するのかが問題だとして、
総ての機能を自社で構築することも可能だが、スピードの面では後れをとってしまう可能性が高いので、「時間を買う」と言う点では、現地企業との提携、合弁、合併が重要な選択肢となると説いている。
なお、この企業誘致フォーラムだが、少し以前にペンシルヴァニア州のフォーラムがあり聴講したが、非常に熱が入っていて、新しい先端技術に特化した工業団地の実情や産官学の調和の取れた地域連携など意欲的なキャンペーンであった。
しかし、今回のフォーラムは、フランクフルトラインマインがEUの中でも最も魅力的で素晴らしい地域であることは衆知の事実であるにも拘らず、その肝心の投資環境情報が希薄で、交通が至便であるとか日系人の生活がどうだとか全く末梢的なパネルディスカッションになってしまったので中座してしまった。
最近は、結構、世界中からの投資勧誘セミナーが開かれているが、余程、注意して準備しないと効果が全く違ってくることに留意すべきだと思っている。
東証1部上場企業かつ3月期決算を行っている1250社を対象に、2007年3月期の海外売上高比率を軸に、日本企業を5グループに分類し、その時価総額、売上高、総資産、営業利益、売上高営業利益率および総資産を、2001年を起点にして時系列でその推移を観察して得た結論としての「グローバル企業成長戦略」は、
「EUを拠点に加えたバランス型グローバル戦略へ」である。
企業の海外売上高比率で20%を基準にして、20%以下を日本重視型、20%オーバーで、その50%以上を占める市場によって、北米重視型、欧州重視型、アジア重視型と区分し、さらに海外市場がバランスしている企業をバランス型として比較した場合、日本重視型とアジア重視型の数字が振るわず、欧州重視型とバランス型(やや遅れて北米型)が良い結果を得たので、こう結論したと言う。
まず、2001年はITバブルの年であり、世界の経済状況は地域によって大きく差があり、起点として適切かどうかが問題だが、それよりも、会場からも指摘があったが、為替の問題がどう作用しているのかによって大きく影響される筈で、ドル安で、更にユーロの価値が異常に上昇した時期でもあり、簡単には比較できない。
それに、アジアと言っても、その間の中国、インド市場などの特殊要因や90年代後半のアジア危機の影響など濃厚に影を落としている時期でもあり、この6年間の時系列比較で結論付けるのは非常に危険だと言う気がしている。
もっとも、どの資料からも、国内重視型の企業には明るい未来が感じられないと言う数字が出ている。さもありなんと思うが、業種にもよるのではなかろうか。
一般的に内需産業は、国際競争に曝されずに、生産性向上など企業努力を怠っている日本のお荷物産業だと言うことになっているが、その辺りにも問題があるのであろう。
伊藤教授の講演は、日経 BUSINESS INNOVATION FORUMの「拡大するEU圏にみるパラダイムシフト~グローバル競争の中で変化する企業戦略~」での、同タイトルの基調講演であったのだが、このフォーラムは、フランクフルトラインマイン国際投資促進公社の投資呼び込みセミナーでもあった。
伊藤教授のセミナーとしては、非常に総花的な講演で、意図が良く分からなかったが、冒頭から企業価値の向上戦略の重要性を説き、話題を日本のみならず欧米のM&Aに集中していたので、日本企業の欧州進出のためには、欧州企業との提携/M&Aの活用が有効であると言うことのように感じた。
進出に当たって、バリューチェーンをどのように構築するのかが問題だとして、
総ての機能を自社で構築することも可能だが、スピードの面では後れをとってしまう可能性が高いので、「時間を買う」と言う点では、現地企業との提携、合弁、合併が重要な選択肢となると説いている。
なお、この企業誘致フォーラムだが、少し以前にペンシルヴァニア州のフォーラムがあり聴講したが、非常に熱が入っていて、新しい先端技術に特化した工業団地の実情や産官学の調和の取れた地域連携など意欲的なキャンペーンであった。
しかし、今回のフォーラムは、フランクフルトラインマインがEUの中でも最も魅力的で素晴らしい地域であることは衆知の事実であるにも拘らず、その肝心の投資環境情報が希薄で、交通が至便であるとか日系人の生活がどうだとか全く末梢的なパネルディスカッションになってしまったので中座してしまった。
最近は、結構、世界中からの投資勧誘セミナーが開かれているが、余程、注意して準備しないと効果が全く違ってくることに留意すべきだと思っている。