このタイトルの前半は、WSJ日本電子版の記事のタイトルであるが、私は、これは、いみじくも、大型小売店の無印良品化現象の現れだと思っている。
”米国では、倹約のために値段の高い有名ブランドから安いブランドに移行するなど、有名ブランド以外の商品の販売が拡大している。しかし、値段以外の理由でも消費者のPB商品志向が高まりつつあり、食品や消費財メーカーにとって問題となりかねない状況だ。 一部の場合には消費者は値段のより高いPB商品を購入しており、そうした商品の多くはグルメ商品や特製品と位置付けられている。”と言うのである。
最近、PB商品の値上がり率が非常に高くなってきているにも拘わらず、PB商品の売れ行きが良い理由の調査で、「以前に比べると、(商品を選ぶ上での決め手として)値段という理由はずっと減った。」有名ブランドではなくPB商品を選ぶ要因として価格を挙げなかった。それよりも、その商品に対する志向や良好な経験が選択の理由だった。
コストが上昇するなかで、小売り各社は見栄えのいいPB商品の導入により市場シェアの拡大と利益率の押し上げを狙っている。また、質の向上に加え、小売り各店はそれぞれのPB商品の一層革新的なパッケージや外見も採用している。有名ブランドとPB商品の価格差が縮小していることをみても、こうした努力が実を結んでいることは明らかだ。 と言うことである。
さて、それでは、無印良品だが、デイビッド・A・アーカーの「カテゴリー・イノベーション」から引用すれば、ほぼ、次のとおりである。
「MUJI」は、ノーブランドの良質な商品として、シンプル、自然、洗練と言った価値観を大切にし、最高ではなく「十分」であろうとする機能的な商品を提供することをビジョンとしている。
この商品は、必要十分なものをきっちりと提供することが分かっていることから得られる満足感を意味している。
機能と関係ないうわべだけの特徴や属性は除かれる。無印良品では、機能性やデザイン性の本質をつきとめ、シンプルさを追求することで、明らかに個性が際立った世界観が築かれている。
消費者が通常憧れるような自己表現価値を排除することをはっきりと狙っている。ステイタスシンボルとしてのブランドと言う概念はない。
ところで、プライベート・ブランドは、デジタル大辞泉によると、”スーパー・デパートなどがみずから企画生産して販売する独自のブランド商品。一般にメーカー製品(ナショナルブランド)より割安になる。商業者商標。自家商標。自主企画商品。PB。”と言うことになり、必ずしも、無印良品と同じとは言えないのだが、少なくとも、ナショナル・ブランドとは違って、高級品ではないが、販売者が、十分だと考えられる商品を開発して、比較的手ごろな値段で販売している信頼のおける商品であるところは、良く似たコンセプト、ビジョンである。
私の近くには、イオンがあるので、品物にもよるのだが、ここで、イオンのPB商品である「トップバリュ」商品を、無印良品と同じような感覚で買っている。
例えば、コーヒーやジャムは、メーカーに拘るが、はちみつはPBで済ますし、乾電池やパソコン用紙などもPBだし、日用雑貨などの商品は、トップバリュ製品で十分であり、それに、イオンが企画し販売している商品であるから、無茶なおかしな商品はないであろうし、PBである分割安であろうと、会社そのものを信じて買っており、コスト・パーフォーマンスが高いと思っている。
先のWSJの記事のアメリカのスーパーなどのように、更に、PB商品が、グレイドアップすると言うのなら、願ってもないことである。
これも、アーカーが論じているのだが、「妥協効果」と言う心理的現象があって、消費者は一般に妥協を好み、最高価格の高級品と最低価格の商品との間のものを選ぶ。
したがって、一般的に、消費者は極端な選択肢を避ける傾向があるので、あるブランドが、一番上、或いは一番下にならないような選択肢が加えられると、そのブランドの魅力は高まる。と言うことで、丁度、スーパーのPBは、この位置にあり、どこの商品を買っても殆ど差のないような日常雑貨や消耗品、コモディティ商品などは、割安でお買い得と言うことなら、PB商品を買う消費者が増えるのは当然であろう。
それに、アメリカのように質が向上し、無印良品のようなコンセプトとビジョンで、今まで以上にハイグレイドのPBが生まれるのなら、同等のNB商品よりは割安であろうから、PBの快進撃が起こっても不思議はない。
いずれにしろ、小売業では、消費者に一番身近に直結している企業が最も強い影響力とパワーを持っているのだから、NBのメーカーも、進行しつつある商業革命に、おちおちとしておれない筈である。
”米国では、倹約のために値段の高い有名ブランドから安いブランドに移行するなど、有名ブランド以外の商品の販売が拡大している。しかし、値段以外の理由でも消費者のPB商品志向が高まりつつあり、食品や消費財メーカーにとって問題となりかねない状況だ。 一部の場合には消費者は値段のより高いPB商品を購入しており、そうした商品の多くはグルメ商品や特製品と位置付けられている。”と言うのである。
最近、PB商品の値上がり率が非常に高くなってきているにも拘わらず、PB商品の売れ行きが良い理由の調査で、「以前に比べると、(商品を選ぶ上での決め手として)値段という理由はずっと減った。」有名ブランドではなくPB商品を選ぶ要因として価格を挙げなかった。それよりも、その商品に対する志向や良好な経験が選択の理由だった。
コストが上昇するなかで、小売り各社は見栄えのいいPB商品の導入により市場シェアの拡大と利益率の押し上げを狙っている。また、質の向上に加え、小売り各店はそれぞれのPB商品の一層革新的なパッケージや外見も採用している。有名ブランドとPB商品の価格差が縮小していることをみても、こうした努力が実を結んでいることは明らかだ。 と言うことである。
さて、それでは、無印良品だが、デイビッド・A・アーカーの「カテゴリー・イノベーション」から引用すれば、ほぼ、次のとおりである。
「MUJI」は、ノーブランドの良質な商品として、シンプル、自然、洗練と言った価値観を大切にし、最高ではなく「十分」であろうとする機能的な商品を提供することをビジョンとしている。
この商品は、必要十分なものをきっちりと提供することが分かっていることから得られる満足感を意味している。
機能と関係ないうわべだけの特徴や属性は除かれる。無印良品では、機能性やデザイン性の本質をつきとめ、シンプルさを追求することで、明らかに個性が際立った世界観が築かれている。
消費者が通常憧れるような自己表現価値を排除することをはっきりと狙っている。ステイタスシンボルとしてのブランドと言う概念はない。
ところで、プライベート・ブランドは、デジタル大辞泉によると、”スーパー・デパートなどがみずから企画生産して販売する独自のブランド商品。一般にメーカー製品(ナショナルブランド)より割安になる。商業者商標。自家商標。自主企画商品。PB。”と言うことになり、必ずしも、無印良品と同じとは言えないのだが、少なくとも、ナショナル・ブランドとは違って、高級品ではないが、販売者が、十分だと考えられる商品を開発して、比較的手ごろな値段で販売している信頼のおける商品であるところは、良く似たコンセプト、ビジョンである。
私の近くには、イオンがあるので、品物にもよるのだが、ここで、イオンのPB商品である「トップバリュ」商品を、無印良品と同じような感覚で買っている。
例えば、コーヒーやジャムは、メーカーに拘るが、はちみつはPBで済ますし、乾電池やパソコン用紙などもPBだし、日用雑貨などの商品は、トップバリュ製品で十分であり、それに、イオンが企画し販売している商品であるから、無茶なおかしな商品はないであろうし、PBである分割安であろうと、会社そのものを信じて買っており、コスト・パーフォーマンスが高いと思っている。
先のWSJの記事のアメリカのスーパーなどのように、更に、PB商品が、グレイドアップすると言うのなら、願ってもないことである。
これも、アーカーが論じているのだが、「妥協効果」と言う心理的現象があって、消費者は一般に妥協を好み、最高価格の高級品と最低価格の商品との間のものを選ぶ。
したがって、一般的に、消費者は極端な選択肢を避ける傾向があるので、あるブランドが、一番上、或いは一番下にならないような選択肢が加えられると、そのブランドの魅力は高まる。と言うことで、丁度、スーパーのPBは、この位置にあり、どこの商品を買っても殆ど差のないような日常雑貨や消耗品、コモディティ商品などは、割安でお買い得と言うことなら、PB商品を買う消費者が増えるのは当然であろう。
それに、アメリカのように質が向上し、無印良品のようなコンセプトとビジョンで、今まで以上にハイグレイドのPBが生まれるのなら、同等のNB商品よりは割安であろうから、PBの快進撃が起こっても不思議はない。
いずれにしろ、小売業では、消費者に一番身近に直結している企業が最も強い影響力とパワーを持っているのだから、NBのメーカーも、進行しつつある商業革命に、おちおちとしておれない筈である。