地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

べトナム国鉄の客車 (3) リブ付き冷房軟臥

2019-02-08 00:00:00 | ベトナムの鉄道


 An11723。窓間隔が他の車両と比べて広く、高級感が際立ちます。



 An11718。



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 北の金某と美国の壁マニア大統領が2回目の会談をベトナム・ダナンで開催することになったようですが、そのことと関連して、昨日のN経新聞にマニアックな記事が載っていました。曰く、金一家のプライベート・ジェットは老朽化が甚だしく、先般シンガプラに往復した際にもレンタルしたものであったところ、今回は中国経由でベトナムと北がつながっていることから、将軍様専用列車で往復することも有り得るのではないか……とのこと。
 しかし個人的には、「事はそう甘くはないのでは? 記者はベトナムの鉄道を見聞したことがあるのか?!」と思います。朝鮮半島や中国東北から延びてきた標準軌はハノイのザーラム駅の南で尽き、ロンビエン橋を渡ってハノイ市内中心部に入ることは出来ません。また、北の25m級大型車は台車振り替えでソ連、もとい恐ロシアに直通することは出来ても、ベトナム国内や中越国境に台車振り替え場があるとは聞いたことはなく、中国から来た車両は必ずザーラム (国際客レ) またはイェンビエン (貨物列車) が終点となっています。さらに、ハノイ以南のメーターゲージ統一鉄道が、25m級大型車に対応した車両限界であるとも思えません (25m級大型車にメーターゲージ台車を穿かせることでしたら、サハリンの恐ロシア客車を見る限り、不可能ではないのでしょうけど)。
 したがって、もし金三胖 (金家の三代目のデブ) が列車に乗って来るとしても、必ずザーラム・イェンビエン・中越国境のドンダンのいずれかで、ベトナムの客車に乗り換える必要があります。そこでそもそも、ベトナムの共産党幹部御用達「専運車」とはどんな車両なのか……?? 多分存在するのでしょうが、ベトナム共産党はホーおじさんこと胡志明主席以来の伝統で何事もあっさり・簡素を旨としているようにも思われますので、金三胖のお気に召すような超!重装備の専運車を用意できるのやら……? 結局、疑い深い北の要求を満たすような重装備の客車がベトナムには存在しないため、何だかんだで鉄道は使わず、さっさと飛行機をどこかの国から拝借してダナンに飛ぶような気がしております。まぁ仮に列車で来るとすれば、ベトナムの専運車が大っぴらに国際的注目を集めるということで、私としても興味深々ですが……(笑)。
 というわけで、ベトナム国鉄の客車形式写真のつづき……計画経済時代の香りを僅かに残す (?) リブつき空調軟臥車です。このグループは11700番台を名乗っており、大まかな形態も統一されています。しかし窓間隔 (コンパートメントの広さ) や、トイレ・洗面所部分の窓の設け方がまちまちで、何とも不思議なグループです。その理由は全く知る由もありませんが、恐らくザーラム工場のハンドメイド感覚の現れなのかも知れません。