地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

べトナム国鉄の客車 (5) 裾絞り冷房軟席

2019-02-24 12:00:00 | ベトナムの鉄道


 以前、米国と北朝鮮の首脳会談会場がベトナムのダナンではなくハノイであると判明したことで、もしやすると金三胖が将軍様専用列車でハノイまで来る可能性がグッと高まったな……と記したものですが、中朝国境の線路に面したホテル客室が予約を受けなくなった、中国からベトナムに入って最初の駅・ドンダンにて花壇を撤去した、中朝国境からハノイに至る鉄道並行国道に通行止めの時間帯が設定された……そして本当に出発したという慌ただしい動きを伝えるニュースを見るにつけ、自分自身の予知能力の高さに驚いています (笑)。 
 というわけで、ベトナム国鉄のメーターゲージ客車形式写真をちまちまとアップするシリーズの続きとして、今回は裾絞り冷房車の軟席車両です。1枚目の画像は軟臥車のAn11753、2枚目の画像は軟座車のA31412となります。



 窓の間隔が開いた軟臥車の雰囲気は、さすが優雅な感じがしますね……。いっぽう軟座車は、ハノイ~ハイフォン間の機織り急行に組み込まれているものですが、個人的な感想としましては、これがとんだ食わせ物! そもそもボックスシートの硬座車と全く同じ窓割りでリクライニングシートを設けていますので、顔の位置に柱が来るのはよくあることですし、全く集団見合いの固定リクライニングシートということもあり、直前の切符購入で既に進行方向向きの席が埋まっている場合には本当に閉口します。のみならず、備え付けのテレビからやかましく歌謡曲やウリナラドラマの類が流されているのには超トホホ。挙げ句の果てには、各車両の列車員が駅間では涼みに来て大騒ぎしまくりですので、客レの乾いた走行音を楽しみたいなどという幻想は木っ端微塵に打ち砕かれること間違いなしです。最近は路線バスもどんどん冷房付きになりつつあるベトナムですので、ハノイ~ハイフォン間をサクッと移動したい客も率先して1~2両しかない軟座車に集中する傾向があり、軟座が滅茶苦茶混んでいる一方で、数両連結された非冷房硬座はスッカスカという情景も眼にします。
 要は、音鉄な方にはベトナムの冷房車は全く向いていないということなのですが、それでもあの、狂気に満ちた蒸し暑さを考えますと、やっぱり冷房軟座車を選びたくなってしまうもので、難しい問題です (苦笑)。