地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

宮城乗物縦断 (12) 宮城交通@仙台

2019-09-27 14:00:00 | 濃いぃ路線バス&車両


 2017年夏時点での仙台駅前はキュービックの夢の国♪



 同じ窓割り・車体長のキュービックが続々と流れていました。



 エアロスターの比率もそれなりに高いです。



 2019年春、いつの間にかエルガが主流に……。(@富谷営業所)

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 宮城県内の奥州街道を徒歩で北上しながら鉄道とバスを撮った記録を淡々とアップするシリーズは、しばらくの間2017年夏に訪れた仙石線と仙台臨海鉄道を扱うかたちで脇道に逸れておりましたが、再び仙台駅前に戻って奥州街道を北上することにします。
 仙台駅前・青葉通り界隈をウロウロしておりますと、怒濤のように行き交う路線バスの大群に思わず目を見張るものがありますが、その中でも如何にも名鉄子会社らしいカラーリングで活躍しているのが宮城交通バスです。
 宮城交通は複雑な経緯を経て宮城県内の零細なバス会社・鉄道会社が大合併した結果として、宮城県内の非常に広い範囲をカバーしていますが、その系譜の一部は、かつて仙台市内から奥州街道に沿って北上した軽便鉄道である仙台鉄道に連なっています。仙台鉄道がもし今も存在していれば、北仙台を起点として八乙女、七北田(地下鉄泉中央駅の東)、富谷といった仙台北郊のベッドタウンを結ぶ、(宮城電鉄が鉄道省に戦時買収された)仙石線並みに繁盛した路線になっていたのかも知れないと夢想しなくもないのですが、哀れ、仙台鉄道はカスリーン台風で路盤流出の大損害を受け、運休・廃止・バス転換となってしまったのでした。また、そもそも仙台鉄道は、東京から北へ北へと路線を延ばす日本鉄道が、仙台から北では奥州街道沿いを選ばなかったことに伴い、奥州街道の宿場町の危機感を受けて設立されたものですが、かりに日本鉄道が仙台以北でも奥州街道沿いのルートを選んでいたとしたら、果たしてどのような感じになっていたのか……と想像せずにはいられないものがあります。
 というわけで、仙台駅や泉中央駅に向かう宮城交通バスを眺めながらの奥州街道の道中は、秘かに鉄道界の「もしも」に満ち溢れたものでもあるのですが、今さらそんなことを考えるのは私ぐらいでしょうか?
 そんな宮城交通・仙台近郊の車両は、2017年時点では二段窓のキュービックが大いに幅を効かせていたものですが、今年の黄金週間の時点では、かなりの数がエルガに置き換えられており(名鉄のお下がり?)、泉ヶ岳の山並みを借景にした富谷営業所の前をせっかく通っても、「あれれ……キュービックぎっしりな光景を期待していたのに」とガッカリすること限りなし。これもまた諸行無常というものでしょう。