鉄道がなかった時代の旅を追体験し、地理や土地柄や風景の見え方を確認しつつ、鉄道のありがたみを再確認する、最高にマニアックな徒歩鉄活動……既に五街道は首都圏の外側に達してしまい (中山道と日光街道はコンプリート)、いっぽう今は周知の通りの事情であまり遠出するのは控えた方が良いと思っておりますので、近場でさっくり日帰りできるルートとして、鎌倉から高崎に至る「鎌倉街道上道(かみつみち・かみのみち)」を歩いてみることにしました。
神奈川県〜東京都〜埼玉県のあちこちに、思い出したように現れる鎌倉街道という道は、この古道の一部を拡幅して多くの車の往来に供しているものですが、だいたい途中で途切れて「どうやって行けば鎌倉に?」というシロモノとなっています。しかし、その途切れた途中の細い道や山道を拾って行くと、今でも見事に鎌倉から高崎に行けてしまうものなのです。
そして、途中には自ずと、首都圏西部の鉄道網が現れますので、随所で撮り鉄をすれば丁度良い休憩になります。また、一見すると現在の鉄道網ではネットワークを十分に構成しているとはいえず、相互の往来にはやたらと乗換が必要な都市間であっても、徒歩旅の時代には密接な関係があったのか……ということが分かります、例えば、神奈川県央と東村山・所沢・狭山のあいだを往来するには非常に面倒ですが、直線距離では全然遠くなく、実際そこを鎌倉街道が貫いている、といった具合です。
というわけで、はじめの一歩は鎌倉の鶴岡八幡宮。西へ細い道をテクテク歩いて行きますと、寿福寺前の踏切があり、そこからしばらく、トンネルの手前までは横須賀線と鎌倉街道上道が並行します。そこで、今年から置き換えが始まり、もしかするとジャカルタに行くかも知れないE217系を撮ってみました。長年、E217系はどうでも良く、写欲の湧かない電車でしたが、もしやKCI色になり、熱帯のジャングルを横目に走るかもと思うとワクワクしますし、昨年末からは仕事の都合で相鉄〜西大井〜東京駅という乗り継ぎをたまにするため、利用頻度が上がってそこはかとない親しみが湧いた、ということもあります。