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中国ネタでついでにもう一つ。最近中国の鉄道といえば、やれパクリだの事故だのといった理由でCRH・和諧号に強い関心が集まっていますが、これは所詮カネにものを言わせて外国から手っ取り早く技術を買ってきた底の浅いものに過ぎませんで、むしろ長年中国国鉄と付き合ってきた物好きなファンの視点からみれば、むしろ地味に走り続ける機関車や一般客車・貨車こそ中国国鉄の真髄であることに変わりはないと思う次第です。しかし、実際に中国で鉄道に乗り、あるいは時間を見つけて撮り鉄活動に興じるとしましても、デカくてイカツい罐や実際に自分が乗る客車に注目が行きこそすれ、罐に牽引されている貨車につきましては、余りにも茫漠として(そして大量にあり当たり前すぎて)逆に注意が向かないものです。
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しかし、恐らく本邦における中国&朝鮮半島貨車研究の第一人者にして、当ブログにもしばしばコメントを頂いておりますSY1698様がこのたび個人出版された『中国貨車論叢』(お台場での販売後、現在神保町書泉で販売中。700円) は、そんな漠然とした中国貨車の世界(そして中国国鉄そのもの)に歴史的視点から切り込んでおられ、車番の振り方や車両分類といった基本的なポイントは勿論のこと、貨物シーンから中国(そして北朝鮮)という国の本質や日中関係の曲折が浮き彫りにされています。傍目には最高にマニアックな世界ですが、ご関心をお持ちの方には大いにオススメです……。私も神保町で購入後、田園都市線の車内で一気に読了してしまいました (50050でしたが……汗)。
とくにツボにはまった論点としましては、
*車両&鉄道技術輸出における日本の国家戦略の欠如
(それを統計的に明らかにしている点が見どころ)
*今や中国全土を覆い尽くしている25系客車も基本的に日本技術の
固まりであること(→しかし中国は日本に設計図のみ吐き出させて
国有企業で製造。約20年前のRF誌に載っていた内容とのことですが、
当時私は非鉄につき、このたび初めて知った次第……)
*日本の近年の鉄道技術輸出における中国の比重は激増する一方で
あるゆえ、安易に関係を切れないこと。
*何にでも思いつきで口を出して現場を翻弄させ、結局経済建設の墓穴を
掘りまくりな金日成のアホぶり。
……などなど。そして、偶然の目撃から資料を掘り起こされたという大連・甘井子埠頭のレポートは、何とも凄まじいスタイルの石炭積み電車にメロメロです (笑)。
というわけで、激しく濃いぃ読後感も醒めやらぬうちに、自分のPCの中にある画像を漁ってみたところ、5年前に北京北駅にて撮影した貨車の写真が出て来ました (^^;)。上は何と検量車ですが、何故ウルムチ常備の車両が北京にいるんだろう……と (汗)。下はごくありふれた軽油用タンク車ですが、1車のみポツンと草むした線路に放置されているシーンは何故か絵になります (^_^)。
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