地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

第四ヤンゴン熱鉄記 (22) キハ38

2016-11-26 06:00:00 | ミャンマーの鉄道


 今月久しぶりに関東鉄道を訪れて、改めて遺憾に思ったのは、何故通勤型DCというジャンルがキハ30・35の隆盛を最後として後に続かなかったのかということです。実用一点張りの車体が、ブルブルガラガラとエンジンを震わせながら力強く加速して行く光景はなかなか楽しいものがありますが……。まぁ、キハ30・35という車両自体が、高度成長期における非電化線区での旅客急増に対応したという時代の産物であり、その後は電化によって対応するか、地方の通勤通学輸送の実情に対応したキハ40系列やNDCによって対応するかに分かれ、結局キハ30・35的な車両がその後現れたのは、電化できない関鉄常総線と、中途半端に都会でもド田舎でもない八高線しかなかったのが残念……。しかも八高線用のキハ38は何だかんだでお試しの7両を製造したに過ぎません。もっとも、全車が久留里線でJREでの最後を迎えたのち、2両が水島臨海、5両がミャンマーで現存しているのは、マイナーで終わってしまった車両としては余りにも上出来な結果であると言えましょう。



 というわけで、ヤンゴンでの撮影時には、5連または4連を組んでやって来るキハ38編成を狙うのもお楽しみの一つです♪ ミャンマービールの緑ラッピングを纏ってしまったのは残念な反面、まぁそこそこ似合っているので良しとします。本来は、正面まで緑色のラッピングを貼られているのですが、検査などのため久留里色のままの正面の車両が先頭に立つことも半分日常的な光景となっており、自ずとテンションが上がりますね~。
 そして今後は……ヤンゴン環状線が非電化のままであるのなら、このような車両を新造して投入するべきだと思うのですが、日緬協力にそのようなプログラムは果たして有りや無しや?! 
 そこを狙って、C国企業が割って入る可能性もなくはない、と見ております。と申しますのも……実は既に狙っている、と思われるからです。今年3月の訪問時、キハ38に乗って某撮影地駅まで向かう途中、半分観光客っぽそうで半分そうでもなさそうな中国人らしき人物が近くに座っており、ちらちら私の方を見て意識している様子……。しかし、やがて隣の車両が空いたため、私が移動したところ、何と彼も付いて来たではありませんか……。どうやら、ヤンゴン環状線を観察するためほとんど手ぶらで乗っていたC国人の彼は、ついに退屈さに身を持て余し、話し相手を求めて私のところに来たという次第。そこで彼は、私のことを同胞と思い込んでC国語で話しかけて来まして、私はといえば面倒なうえにエンジン音に集中したかったため、C国語は分からんとシカトすれば良かったのですが、しまった……ついつい返事をしてしまいました。

「Ni是C国人ma?」(君はC国人か?)
「不是!我是日本人」(否、俺は日本人だ)
「Ni雖然是日本人、也可以講C文! 那我們一起聊天ba!」
(君は日本人だと言ってもC国語が分かるのか、じゃぁ話でもしようぜ」

……というわけで会話をしたところ、どうやら彼は中国と日本と東南アジアの鉄道事情についてそれなりに良く知っており、恐らくC国中車あたりのエンジニアとして環状線の日本中古DC事情やら何やらを観察しているのではないかと睨みました。他日、C国からミャンマー政府に対して環状線用通勤DCの売り込みがなされて成功すれば、その彼も一枚噛んでいるのではないか……と思うことになるかも知れません。しかし、昨日の日経新聞にもあった通り、最近はシャン州の対C国国境周辺が極めて緊迫しているとのことで(昔は最高にザルな国境線で、ほとんど出入りしたい放題な雰囲気だったのを思い出すのですが)、緬C関係もどうなるのやら (そしてC国からミャンマーへのインフラ投資がどうなるのか) 日本としても注目しないわけには行かないのかも知れません。

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