地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

タイ日本中古放置車探訪 (1) HID形新塗装

2017-04-05 12:10:00 | タイの鉄道


 先月末の「落花生。様&パクアン急行様一時帰国歓迎・インドネシア鉄&アジア鉄の宴」において私が持参した土産話のうち、最も反響が大きかったのはタイの日本中古車ネタでしたので、当面はこの話題を集中的に連載して行きたく存じます。数年前までは極めて限られていたミャンマーの話題は、日本中古車の活発な動向と撮影禁止解除の結果、いつの間にか余りにも (?) メジャー化している一方、タイの話題は日本中古車の運用激減とともに顧みられなくなりつつある感があり (?)、その分ほとんど知られていない部分も多いことから、私自身が衝撃的シーンに遭遇するとひときわ感激も大きいですし、当日ご参加の皆様の興奮も大きくなるということで……。
 そこでいざ本題へ。今回の緬泰両国駆け足訪問にあたり、タイでの活動で最も力を入れたのは、(タイの) 東北本線系統における日本中古放置車両の探訪でありました。そもそも、「今は当たり前のように快速列車に連結されているものの、いつ無くなってもおかしくない」1950年代日本製の旧客非冷房2等車で一度長旅をしてみたかったのですが、これに加えて、しばしば大きな駅の片隅に放置されている休車・廃車体を探訪できれば、暑熱で過酷ながらもサイコーにマニアックな日帰りプランの出来上がりとなります。そこで、Google Earthを駆使して「快速列車の停車駅と放置車両ゴロゴロ駅が重なるところはないか」とチェックしていたところ、タイ東北・イーサーン地方最大の都会であるナコーン・ラーチャシーマ駅が見事にヒットしました。何と……少なくとも出発前に見たストリートビューでは、キハ28・58が数両、道路から撮りやすい位置に放置されている……。しかも、東北タイはリゾートのリの字もない田舎ですが、それだけに一度は行ってみたかったところであります。というわけで、あくまで日帰りの極めて浅い見聞に過ぎませんが、非冷房2等車の乗り心地と車窓を楽しみ、ナコーン・ラーチャシーマの街を歩き、放置車両を眺める……という贅沢なプランが固まってきました。



 そこで具体的にどの列車に乗るか?……帰りはナコーン・ラーチャシーマ午後3時台の快速でバンコクに戻ることにすれば良いとして、往路はバンコク6時40分の快速ウボンラーチャターニー行に乗れば12時過ぎにナコーン・ラーチャシーマに到着します。とはいえ、そこはタイ国鉄のことですので、1時間はザラの大幅遅延が何時でも起こり得ます……。従って、体力を温存しながらナコーン・ラーチャシーマでの活動時間と昼食時間を十分に確保するのであれば、バンコク5:45発のDC特急が良かろうと判断しまして、昨年末に開設されたタイ国鉄のネット予約を「ポチッとな♪」。手数料込みでも往復700バーツしないことから、本当におトク・お手軽な列車旅浪漫に満ちたプランの一丁上がりです。
 ところが、日本を出発する直前に、念のためバンコクからナコーン・ラーチャシーマに至る沿線の全ての駅をGoogle Earthで再確認してみたところ、ナコーン・ラーチャシーマのキハ28・58数両放置シーンとは比較にならないほど最高に衝撃的な光景が……。これはもう、ナコーン・ラーチャシーマまで行くどころではない! とはいえ、折角往復窓側の指定券を確保している以上、荒涼とした山越えなどイーサーンの列車旅を味わってみたい……。そこでさらに時刻表を研究してみたところ、その衝撃シーンの駅における滞在時間は極めて限られてしまうものの、まずはDC特急を途中下車のうえ (その駅から先の区間は当然無効)、バイタクを駆使して特急停車駅から往復し、後続のバンコク発6:40の快速に乗れば、ナコーン・ラーチャシーマで3時間の活動時間を確保出来ます (もうメシは車販の鶏そぼろ飯で簡単に済ませることに ^^;)。というわけで、日本からの出発2日前に、その途中駅からナコーン・ラーチャシーマまでの非冷房2等車・窓側席の指定券もゲットしたのでした。

 というわけで、ようやく当日の模様に……(^^;)。ホアラムポーン駅をDC特急が発車するのは5時45分であるとはいえ、遅くともあと2~3年 (?) となったホアラムポーン駅の雰囲気を少しでも味わい、かつSRT Prestigeを激写することを考えれば、5時には駅に着いておきたいところ。そこで空港鉄道ラーチャプラロップ駅至近の宿を4時半に出てタクシーに乗ったところ……さすが早朝は速っ! 猛スピードで走って僅か10分少々で駅に到着しました (汗)。
 早速、前回アップしましたSRT Prestigeを激写したところ、早朝とはいえ早くも汗がジットリと出て来まして、「ウボン行きDC特急、早く入線しろよ……」とブツブツ言いながら (キモッ!) 頭端式ホームの付け根でブラブラ。すると何と! ウボンラーチャターニーから来た夜行快速の罐は、塗り替えられて間もない日立製HID形 (4501~4522) DL! どこをどう見ても中国中車製新型客車に合わせてのカラーリングですが、従来のオレンジや茶色系の色を強調したカラーリングと比べれば非常に鮮烈で似合っていますし、他の標準塗装の客車との相性も抜群です♪ 翌日=帰国日の朝に朝練をした際にも、別の車番のHID形がやはり新塗装になっているのを確認しておりまして、今後はかなりメジャーになって行くものと思われますが、現時点ではレアであることは事実ですので、初物買いをしてしまったドキドキ感で胸がいっぱいになったのでした (笑)。
 さて、これで運を使い果たしたのかどうか……続きます。

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