地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

タイ東北部で生きる日立製RHN型DC

2017-08-25 12:00:00 | タイの鉄道


 去る9日に発売されたばかりの、下川裕治『東南アジア全鉄道制覇の旅 タイ・ミャンマー迷走編』(双葉文庫)がなかなか面白い。かねてからバックパッカー旅にまつわる文章を生業として世界各地で乗り鉄もされている筆者が、編集者の口車に乗せられて東南アジア諸国鉄道の全線乗り潰しという偉業に踏み出したものの、ご自身のホームグラウンドであるタイですら「マイペンラ~イ」な雰囲気に翻弄され、路線数が少ないにもかかわらず意外と長大な (?) タイ国鉄のド田舎路線を乗りつぶすのに、難行苦行を重ねるという……。
 ただ、タイはそれでもまだましで、ミャンマー編はもっと地獄をみるわけですが (汗笑)、たとえばタイの場合、列車の接続を図らないのは当たり前、何やら良く分からない運行形態なのも当たり前……(例えば、スプリンターが1日1往復寄り道するだけのサワンカローク線とか、ほとんど乗客皆無の列車が闇夜を突っ走るだけのスパンブリー線とか)。とはいえ、タイ語がバッチリ話せると、「それでもまったり楽しい」タイ国鉄の旅が一層楽しいように見えるのはうらやましい限りです。また、1日1往復の列車が夕方に終点に着いて翌朝折り返すキーリラッタニコム線について、駅の近くに宿があるという話や、平日のみ運転される東線・バーンプルータールアン行も終点近くからロットゥー (乗合ミニバン) の便があるという話など、有り難い情報も載っています。



 というわけで、去る3月に撮影したタイ国鉄画像の続きは、1970年頃に日立で製造されたRHN系ディーゼルカーです。現在バンコク界隈はもとより急行列車でも活躍するTHN系DCの基本形はこの車両で確立したようで、かつては各地で見られたようですが、如何せん製造から40数年が過ぎており、今ではイーサーン=東北地方限定で細々と運用されています。例えば、上記乗り潰し本で出て来たケーンコーイ~ブアヤイ間のバイパス線の線内完結鈍行は全てこのRHN系で運用されている模様ですし、ノーンカーイからラオスのターナレーンまでちょこっと走る国際列車もこの車両の独壇場となっています。
 ただ、上記2路線を除けば、イーサーンの鈍行のどの列車が客レで、どの列車がRHN系なのか、ネットで閲覧できる時刻表ではさっぱり不明。見たまま情報を蓄積するしかありません。しかし少なくとも、運行管理上の拠点はナコーンラーチャシーマーということで、私が11時台に快速列車で到着したところ、ちょうど駅ホームの西外れにある給油線に4連が停車していました☆ そこで下車後、ホームを走ってRHN系のもとに向かったところ……あららら……まずは西のはずれ→構内を縦断して東の外れの踏切→構内南側の入庫線を通ってクラの中、という順序で入庫してしまいました。1枚目の画像は、まさに「待ってくれ~!俺を置いて行くな!撮らせろ!」と内心叫びつつ後追い撮影したもので、2枚目の画像は入庫線の脇からRHN系が機関区内でくつろぐシーンを超望遠撮影したものです (機関区の手前には門があり、駅構内のルーズさとは裏腹に部外者立入禁止)。
 う~む、今の塗装は正面があまりイケてないものの、紺色メインの1960~70年代カタギなボディは実にシブくて宜しい……。毎晩ガイヤーン (鶏の炭火照り焼き) とビールを楽しみつつ、イーサーンのド田舎を走るRHN系を心ゆくまで追っかけることが出来れば、かなり幸せ度が高そうです……。

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