地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

ハノイ以北サウナ鉄 (10) ハロン駅発車を撮る

2016-08-29 12:00:00 | ベトナムの鉄道


 1ヶ月以上のご無沙汰となってしまった6月のハノイとんぼ返り遠征記、脳内での鮮度が下がらないうちに激戦の備忘録を記しておきたい……というわけで、満鉄客車使用鈍行の到着をハロン駅で出迎えてからの話をば。とにかく6月のベトナム北部は撮り鉄という人種の生存には向かない激烈な蒸し暑さであり、待ち構えて連写するだけでもクラクラになるほどヘタレ果ててしまい、いくらポカリ (ベトナムでは大型スーパーやハノイのコンビニで散見するようになったものの、今のところ粉を日本から持参) を飲んでも気分は全くシャッキリせず、行商人が客車から荷物を下ろす喧噪の風景もほとんど撮る気なし……。また、折り返し時間は1時間以上ありますので、形式写真や車内写真も撮り放題となるはずですが、ハロン駅が全く小綺麗になってしまったこともあって余り写欲が湧かず、とりわけ各客車の車内をしらみつぶしに観察して撮っておかなかったのは愚の骨頂! もっとも、住友製を含む台車は丁寧に記録しておきましたが……。



 というわけで、ひとしきり倒れそうな気分で撮り続けた後は、空腹と塩分不足のダブルパンチに耐えかねて、まさに石窯の表面のように凄まじい高熱を孕んだ線路・バラストの上をフラフラと歩き、臨港地帯へ通じる貨物線の踏切から道路に出まして、最初に現れたフォー屋に入ったのでした (フォーはベトナム風米粉うどん)。そして、牛肉をたっぷり載せたフォー (4万ドン) を猛然とすすってスープまで完飲したあとは、13時30分過ぎの折り返し発車に備え、再びとぼとぼと激暑の線路を歩き、ケップ寄りの駅の外れにて待ち構えたのでした……。
 傘を差してじっと午後の凄まじい暑熱に耐えることしばし……いよいよ、中国東風11風のマスクを前に出したD14Eがホイッスルを上げ、骨董品客車の4連がウネウネと構内のカーブを通って迫って来ました。余りにも格好良く……ファインダーの中で追いかけている間だけは、全身にズッシリとまとわりつくような酷暑を忘れていました……。
 撮影後は、急いで国道に出てミニバスを捕まえれば、何カ所かで追っかけ撮影することも出来るな……と思っていたのですが、このどーしよーもない暑さでは、国道まで約1km走ったら確実に熱中症で死ぬ……(@o@)。というわけで、ハロン線の列車が1日1往復しか来ないことを恨めしく思いつつも追っかけはスッパリと諦め、「何時なくなるか分からない旧型客車編成をこんな感じで撮れて良かった」と満足しつつ、国道の駅入口でハイフォン行きのミニバスに乗ったのでした。しかし……数分から10分間隔で来るはずのモンカイ発ハイフォン行ミニバスが、こういうときに限ってなかなか来ない……(-_-メ)。飲み物を売る屋台のパラソルがなければブッ倒れていたことは間違いないでしょう。
 なお、列車がハロン駅を去ってから30分後にようやく乗ったミニバスは、ハロンの一つ手前、イェンクー駅を少々過ぎたあたりで列車を追い抜きましたが、もしミニバスがすんなり来てくれていればイェンクーでも撮り鉄出来た……と思うと遺憾な気分なのでありました (^^;)。あと、ハロンからハイフォンまでミニバスで直行 (1時間40分~2時間程度) するのではなく、ウォンビの街外れで下車してウォンビ炭鉱鉄道 (メーターゲージで、中国製の緑色罐が鉱車を牽引) を探検するのも痛快かと思われますが、暑季に出来ることではありません……はい (11~3月頃の涼しさなら十分可能?)。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿