地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

さよなら、東急&JALITA・8613F!

2014-09-19 00:00:00 | インドネシアの鉄道


 長津田から恩田に廃車回送された直後、8613が長野へ行った8624と並ぶ。



 2009年のデビュー間もない頃、ボゴールで日本製非冷房抵抗制御車と並ぶ。



 幕を残した神編成8607Fと並ぶ。この頃が一番カラフルで楽しかったなぁ~。



 2011年の全検・塗装変更直後、チキニでメトロ7121Fと並ぶ。KCJの新イメージをこの当時最も (?) 代表していた2編成が両方とも短命に終わるとは……(7121Fはスルポン線ビンタロ踏切衝突炎上事故の当該。恐らくこのまま部品取りで再起しないでしょう)。

-----------------------------------------------
 周知の通り、急速な経済発展の中でジャカルタでの冷房電車サービス拡充に努めてきたインドネシア鉄道及び子会社KCJでは、これまで東急8000系列が絶大な存在感を持ち、その安定した性能には深い信頼が寄せられ、ほとんど終日フル稼働で八面六臂の活躍が続いて来ました。しかし、去る8月に敢行したジャカルタ遠征の際には、205系の大増殖やメトロ6000系の全面復活の影で、東急車の影が著しく薄くなった印象がありました。
 その一つの理由は、過去数年来の凄絶な酷使の中でクーラーの劣化が激しくなり、大幅修繕や終日運用への充当回避などもあって余り見かけなくなったためでありましょう。しかし同時に、いつもお世話になっておりますパクアン急行様が「故障があっても何が何でも修理して使おうという気概が205系激増の影で薄れたのではないか」と指摘されており、確かにそんなところもあるのかも知れません。
 あるいは、そもそも東急で一時のジャカルタ大量移籍の波が過ぎ去ったのち、例のJAL問題や副都心線対応もあって8500系の廃車が全く出ず、8090・8590系の廃車分は恐らく秩父&富山ということで、KAI・KCJとして見込んでいた東急8500系中間車廃車部品補充という目論見が全く成り立たなくなってしまい、急速に「壊れたらそれっきりになる可能性もあるので、余り使いたくない、騙し騙し使いたい電車」という位置づけに変わってしまったのかも知れません。
 そんな流れをあからさまに示すかのように、このたびついに8613Fが廃車回送されたとのこと……。パクアン急行様のブログにアップされた、深夜マンガライを通過するプッシュプル廃回編成の画像では、ドアが全開となり魂が抜け果てた表情のままゆっくりと走り去るさまを見て取ることが出来ます。
 もともとこの編成は東急時代から余り調子が良くなかったといわれ、しかも末期には長津田検車区の奥の方で数ヶ月間塩漬けにされていました。しかしインドネシアにて2009年にデビューした際には、KCJ発足後最初の編成として、まさにインドネシア版歌舞伎たる「JALITA」となり、一転前途は洋々たるもののように思われました。それでもやはり調子は悪かったようで動かない日が多かったといわれ……2011年にはイメチェンして復活を告げるも約半年で完全離脱、結局ジャカルタでまともに動いたのは2年程度だったのではないかと推察されます。そして、昨年8月の訪問時には、デポックの広大な留置線の中で、徐々に部品をもがれて荒れる一方となっていました。
 要するに8613Fは、元々薄幸だった運命なのですが、結局東急からの追加部品供給を受けることなく再起が断念され、「東急ジャカルタ線時代の終わりの始まり」を象徴する編成となってしまったのは本当に残念なことです。ジャカルタの東急8000系列の中でも最も鮮烈な存在であり、COMMETカードをはじめ電車のシンボルサインとして採用された存在でもありますので……。
 しかし、こうなってしまった以上仕方がありません。まずは、長年の活躍本当にお疲れ様でしたと申し上げつつ、残る編成が一日でも長く活躍することを祈るばかりです。ありがとう8613F、さようなら!

 そして、次回訪問時には……もし解体されていなければ、放置されたJALITA・8613Fを訪ねて西ジャワ州の田舎に出向くことが決定です (爆)。
 但し問題は……廃回先のチカウム (Cikaum) 駅は列車が停まらず(とにかく田んぼのど真ん中のド田舎)、極めて行きにくいこと。検索を駆使して何となく調べた方法は以下の2通り。
 (1) 早朝ガンビールを出る「Argo Parahyangan」でプルワカルタへ。さらに路線バスで40kmほど東のスバン (Subang) へ。そこでオジェックを約20km北上。
 (2) 早朝パサールスネンを出る3等急行「Kutojaya Utara」に乗ってジャワ縦貫本線のプガデン・バル (Pegaden Baru) へ。駅前でオジェックを雇い、ジャカルタ方向へ1駅分戻る (直線道路がないため、多少遠回りして15kmほど?)。
 (3) 鉄道にこだわらなければ、ジャカルタのカンプン・ランブータンBTとスバンの間に長距離路線バスが走っているようですが、非冷房でトロい模様。
 ……一応、ジャカルタからの日帰りは十分可能で、とくに (2) はプガデン・バルに7:05到着後、9:27発車でジャカルタに戻る「Tegal Arum」があります。いっぽう (1) は、プルワカルタとセットの周遊が可能 。まぁいずれにしても面倒……。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿