地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

廃車が始まった小田急8000形

2020-04-16 21:56:00 | 大手民鉄 (小田急)


 先月運行を開始した小田急の新5000形は、順調に朝方限定のお試し運用を終え、終日運用にも投入されているようですが、私自身は運行開始の日を最後に完全自宅引きこもり生活に移行し、地元を走る小田急は見るだけとなっています……。当面は散歩の際に出会うかどうかですが、実際に安心して乗れる日が一刻も早く訪れることを願っています。
 いっぽう、新5000形就役に伴い、既存の編成の廃車が始まりましたが、その最初の対象は、踏切事故で再起を諦めた8264編成となったとか。このため、現役編成の廃車はまだ始まっていないことになりますが、第2編成の登場により、8251・8255編成または1000形ワイドドア車の廃車が進むことでしょう。



 個人的には、8000形直流モーター車も、1000形ワイドドア車も、江ノ島線各停として走る分には何ら問題のない車両だと思いますので、どうか永遠に……と願いますが、ネットで眼にする新5000形の評判はすこぶる宜しいようですので、老兵がただ消え去るのは止むを得ないでしょう。とにかく散歩の際に、これらの車両に残された日々を記録するのみです。
 というわけで、先月末の降雪後に散歩をした際のカットをアップしてみます。この日の江ノ島線は3000形の比率が非常に高く超ハズレでしたが、8255編成が運用に入っていたのは不幸中の大いなる幸いでした。とはいえ、雪が余り積もらず、止んだ後は気温も上がってしまったのはトホホ……。相模大野行きの上りを撮った際には辛うじて道床が雪にうっすら覆われていましたが、戻って来るのを待ち呆けている間に結構雪がハゲハゲになってしまいました。それでも、芽吹き・桜と雪の組み合わせという滅多に見られない光景と、先行き長くない8255編成をからめることが出来たのは本当に良かったです。

東武周遊2020春 (1) 日光線の10030系

2020-04-15 20:36:00 | 大手民鉄 (東武)


 東武では70000系列の新造に伴う車両の転配が次第に進み、20400系列が続々と日光・宇都宮線でデビューしつつある今日この頃ですが、これに伴い6050系が今後ますます減ると思われるほか、ただでさえ半直や館林地区の列車体系再編により余り気味な10000系列が、今後ますます余ることが明らかです。そこで、10000系列がワンマン化により亀戸・大師線や館林地区ローカルに転じることが予想されますが、最近のネット情報を見ていると、実際にその動きがあるとか……。最近の東武というと、70090系や北斗星色DE10といった華やかな話題に視線が向きがちですが、このように地味でも本質的な変化にこそ着目せずにはいられません。



 そこで、まだ武×漢肺炎問題が今ほど深刻ではなかった3月に、なるべく「密」を避けるべく空いている列車を選びつつ、久しぶりに東武本線系を撮り鉄周遊して参りました。最近はツイッターも同時並行でやっているため、大変恐縮ながら本家ブログの更新頻度が低下気味で、しかも他の連載ネタも全然終わらない状況で、果たして全車種を掲載するには何時になるかさっぱり分かりませんが (汗)、備忘録としてアップして参りたいと思います。
 というわけで、一発目は日光線内・南栗橋〜新栃木ローカルに入る10030系です。周知の通り、最近のこの区間の料金不要列車は、6050系とロングシート車が完全に入り乱れ、しかも最近は20400系列も参入しているため、駅の時刻表には2・3・4扉車の違いが示されるというカオスぶりですが、裏を返して言えばそれぞれの車種を極めて狙いやすい状況であると言えます。そこで、一昔前であれば練習電に過ぎなかった10030であっても、いつまで新栃木ローカルの常連として走り続けるか分からない以上、駅掲示の時刻表で「うむ、次は10030か」と気合を入れて撮影した次第です。
 できれば、ブツ2×2編成を、ド順光で撮りたいですが……。


大井川鐵道2019夏 (3) 南海21000形

2020-04-11 21:43:00 | 地方民鉄 (東海道)


 かつて南海高野線・大運転の要として君臨していたズームカー21000系は、1958年登場ということで、御年は何と62年。一昔・二昔前でしたら、車齢60年越えの車両といえば半鋼製の釣掛式電車と相場が決まっており、木製の車内と相俟って「なるほど、車齢半世紀超えだな」と納得したものですが、昭和30年代以後のノーシルヘッダー車ですと、往々にして流麗なデザインのため、車齢を知ってもなかなかピンと来ないこともしばしばです。車内に一歩入ったり、間近に眺めて車体の凹凸を確認したりして、初めて「あ、確かに古いわ」と思うという……。そんな車両の一つが、南海→大井川21000系であると言えましょう。



 去る7月に大井川を久しぶりに訪れた際、21000系は1本が運用入りし、1本が検査中。ただでさえ本数も減っており、1往復するにも時間がかかりますので、「撮って乗る」には非常にハードルが高く、来た際には絶対に失敗できないという緊張感もありますが、それだけに、高野線時代の「急」HMに範を取った「普」HMも凜々しい南海グリーンの21000系を撮った瞬間、内心ガッツポーズであったことは言うまでもありません。
 この後、しばし新金谷と家山で撮影し、家山から千頭まで21000系に乗りましたが、車内は本当に昭和30年代そのものですね……。相当年季の入った化粧板、ゴツいつくりの転クロ座席、優雅なカバーで覆われた照明……。まさに戦後ロマンスカーの良き時代そのものでした。そんな車内から眺める雄大な大井川の眺め……短時間ではありましたが、旅の醍醐味が詰まっていました。

南海高野線徒歩鉄 (4) 2300系

2020-04-10 18:05:00 | 都市民鉄 (近畿以西)


 紀見峠から高野街道をトボトボ歩いて橋本まで下ってくる途中、南海高野線を遠くに望むことはありますが、意外とスレスレを歩く機会はありません。田舎道を歩きながら、谷を挟んで反対側に忽然と現れる林間田園都市の街並みを眺めながら「6000系が急勾配を下って山の中のマンション街に到着する光景スゲーな」とつぶやくことはありましたが……。さらに、ちょっとした宿場風情が残る小原田の街並みはなかなかのものでしたが、「嗚呼……真西には車庫があるんだが」という遺憾もないわけではありません。
 ともあれ、最後に南海高野線とJR和歌山線をくぐって、昔の橋本の宿場を抜けますと、高野街道は紀ノ川の滔々とした流れに突き当たり、昔は渡船、今は橋で渡ります。そこから通称・紀伊清水の大カーブまでは徒歩20分ほど。折角ですので、緑したたる田んぼの道を歩いて寄り道してみました。



 このカーブは通称の通り、徒歩で訪れる場合には紀伊清水駅から歩くことが多いようですが、今回歩いてみた結果では、むしろ橋本駅で下車して橋を渡る方が何となく近くないか?と思いました。もちろん、紀伊清水の宿場町も見応えありますので、どちらでもどうぞという感じですが。
 ともあれ橋本を境として、南海高野線の車両の顔ぶれは一変し、ズームカーとしての性能を有する小型車 (?) しか入線しません。この変化もまた「堺からはるばる歩いて来たなぁ〜」と痛感させられるものです。そして、特急・「天空」・大運転 (及び運用面で大運転とつながる区間列車) の2000系4連を除けば、平日の高野線山岳区間は基本的に2300系2連の独壇場の感があります。2300系は登場当初、大運転にも入っていたものと記憶しておりますが、もともと本数が少なく、転クロを備えた消費電力少なめの最新鋭車両ということで、客が少ない平日の山岳区間に封じ込めておくには最適だということなのでしょう。個人的には、どうしても古い車両好き・地味なカラーリングの車両好きということもあり、かつては「2300系つまらん。2000系で来てくれ」と思うこともありましたが、鮮やかな緑に映える2300系をこうして撮っていると、なかなかどうして、箱根登山にも通じるものがあり、思わず長居して真剣に撮りまくってしまいました。

鎌倉街道徒歩鉄録 (8) メトロ8000系

2020-04-08 12:41:00 | 都市民鉄 (首都圏)


 緊急事態宣言の発令と、少なくとも黄金週間明けまでの完全テレワーク化により、しばらく多摩川を越えないどころか、余程のことがないかぎり鉄道に乗らない生活となりましたので、これは鉄ヲタにあるまじき話なのですが、事ここに至れば仕方がありません。電車はこの事態の中でも通勤せざるを得ない皆様が少しでも低い密度で乗れるよう協力し、私はといえば自宅から散歩する圏内で小田急や相鉄を気晴らし程度に撮りつつ、過去画像をいじって楽しむのみです。



 というわけで、約1ヶ月前に歩いた鎌倉街道上道の道すがらでの撮り鉄記録、お次はメトロ8000系です。とにかく、8000系のデザインは今も色褪せない秀逸なもので、今後の18000系新造により消えて行くのは寂しいものですが、7人掛けでは激狭な椅子に何が何でも7人を座らせようとパーティションのポールを2本立てて以来のメトロ8000系は、腰痛製造機なメトロ08と並んで、田都で避けたい車両の両巨頭になってしまっていることは否めません。しかし、今の時勢に従えば、そんなメトロ8000の激狭シートこそ「密」の極みと言うべきでしょう。ジャカルタに転じた車両と同様、一人分を開けて着席させるような目印が椅子に貼られれば、地獄の激狭状態も解消され、リスクを犯しながらも乗らざるを得ない通勤客に福音となりそうです。