アメリカ大統領選挙が佳境に入ってきた。どこの予想もバイデン有利であるが、4年前は1週間前でも民主党のクリントンが10%以上の差をつけて有利であった。どの点では現在も同じであるが、今年はトランプには不利なサプライズが起きてしまった。懸命に回復を狙うが、それがかえって周辺ばかりか国民の不信や不快感を与えている。トランプの敗北はほぼ決定的といえる。
しかし、トランプが仮に45対55辺りで敗北したなら、トランプは大統領という立場から、あの手この手で敗北を認めないだろう。2000年の時にはゴアが、最高裁まで争ってはみたが、却下されて敗北した。今年は最高裁判事が共和党立場の人物を先日トランプが指名した経過がある。
先ずは、トランプは法律チームを組んだが、今回の選挙で急増が見込まれ共和党に不利とされる郵送投票を、法的に疑義があると票の再集計作業を停止させる可能性がある。
あるいは集計で僅差の州の集計を洗い出し、ミスを見つけるかでっち上げて投票の無効を大統領権限で認める。「死んだ猫に投票用紙が来ている」とまで言っていたトランプ陣営なら、何でもやるだろう。
30:70辺りの差で敗北した場合はさすがに認める可能性はある。しかし、そこまでには至らないだろうから、相当期間大統領の不在のアメリカが続くことになるだろう。
ワシントン・ポストによると、共和党全国委員会は、選挙後「数週間にわたる法廷闘争」も視野に入れているという。トランプにとって、民主主義の健全化など関係ない。トランプファースト以外の論理は存在しないのか。トランプは敗北しない。