イラク開戦から今日で4年になる。アメリカはイラクに何のために攻め入ったのか。そして 今、イラクはアメリカの目的に沿うものになったのか?答えは、ほとんどあらゆる面で「ノー」である。
大義とされた事実も確認できないまま、その非をアメリカ政府自身が認めてはいるにも拘らず、日本は未だにこの戦争の正しさを、主張して譲らない、日本政府の滑稽な対応にもあきれる。
開戦まもなく勝利宣言した、この戦争の責任者であるブッシュ大統領は、中南米からも嫌 われるような存在になっている。アメリカは、なぜ9.11が生じたのか、中南米になぜ嫌われるのか、見直す作業をしなければ、本当の意味で、彼らはイラクから撤退できない。ところが、ブッシュには力の論理しかない。中間選挙で負けて、一部高官をすげ替えて、更に増派するしか彼には策がないのである。
結局、中東やイスラム社会を理解する知識や分析力を、経済的欲望と軍事力学が上回ったのである。この構図はベ トナム開戦時に、レッドパージで中国関係者を追放していた状況に酷似する。ブッシュは、本気でバクダッドではシーア派の熱烈な歓迎を受けると信じていた事実が、それを物語っている。
アメリカで、この戦争を見直そうとする動きが盛んである。 反戦運動は路上でデモを行なっているが、残念ながらこれはブッシュの非 理知性から見て、彼が反戦思想を受け入れるとは到底思えない。むしろ、アメリカ全体に 流れる、厭戦気分のほうが政治を動かすことになると思われる。
後日歴史は、ほとんど無目的で大量の人間を殺戮したこの戦争を、決して評価することはないだろう。ブッシュは犯罪人として、あるいは最も愚かだったアメリカ大統領としての評価を受けることになるであろう。これに追従した、小泉純一郎も安倍晋三も同罪である。
さよならブッシュさん。彼方を世界は必要としいませんよ。