核保有国5カ国が共同声明を出した。アメリカ、イギリス、フランス、中国、ロシアの核保有5か国である。
「核戦争に勝者はおらず、決して戦ってはならないことを確認する」と表明し、中国の馬朝旭外務次官は「5カ国の指導者が核兵器の問題について声明を発表するのは初めて」と意義を強調し、国連のグテーレス事務総長も、「私の長年にわたる対話と協力の要求に合致し、勇気づけられる」と歓迎する声明を出している。
声明で核兵器不拡散条約については、全く触れることがないのは、核を所有することも禁じていることへの反発であろう。核保有国は実験を間断なく続けていながら、核戦争に勝者がいないのなら直ちに中止するべきである。保有の意味すらない。
「核兵器は防衛が目的」とは戦争の正当化への布石である。20世紀に入って、自衛以外の戦争は起きていない。どんな小さな諍いや侵攻でも、必ず双方とも自衛を理由にする。相手が悪いのだと、向こうが先に発砲したとか、我々は自衛のための正義戦いと双方が主張する。
5か国の声明は、核兵器使用した時への言い逃れでしかない。
ところで唯一の被爆国日本が、核兵器不拡散条約に批准しない理由を、各補給国への働きかけをしその橋渡しをする、ためと理由を掲げる。それでは具多雨的に何をしたかというと、なーんにもやっていないのが現実である。
「あなたは被爆国の総理でしょ!」と強く促されても、何も言えない安倍晋三であった。むしろ核保有国の方が積極的でもある。
金ばら撒くだけの無策な日本外交は、安倍晋三が築き上げた虚構でしか語れない。その典型が核兵器不拡散条約への対応である。