いけないことをしたのに、全くお咎めなし。それどころかご褒美までをやる。北朝鮮の好き勝手な所業に、誰もが翻弄されている。
誰もが、あるいは何処の国もが(中国や韓国などの一部の連中を除いて)、金正日の失脚を望んでいるはずなのに、誰もそのことを言わない。国民の多くを飢えさせるばかりか、強力な言論統制と、時代錯誤な個人崇拝をいつまで認めるのであろうか。
わずか18ヶ月前に約束したことを反故にする、最貧国の真の要求は食べ物とエネルギーである。それらを援助することが、更に金正日の延命になるとする考え方は、万人の認めつところであろう。そのことを、どの国も口にすることなく、6者協議は続けられている。
北朝鮮が、核施設を凍結するか廃棄、破壊するか、それに見合って「何を出すか」「どれだけ出すか」の論議にはうんざりする。
更に、過去の経過を見てみると、作業部会に真摯に取り組む保障など何処にもない。拉致がそれほど大切なら、核施設を認めるか、あるいは核廃棄が重要なら拉致をほおって置くかしなければ、この国とは交渉できない。時間の中で、残した問題を再度討議すればいいのではないか。
北朝鮮の非を攻めるばかりでなく、クリントン政権時代から、左右に大きく振れてきた、アメリカや韓国の非一貫性も、この国をのさばらせたのである。
日本も、30年以上も前の拉致を、ほんの数年前からやっと騒ぎ出したに過ぎない。しかも、北 朝鮮側から部分的にも認めたために、表ざたになったのである。金丸自民党副総裁や、社会党の執行部や日本共産党も社民党も、結局は彼らの老獪な戦術の餌食になって、翻弄されたのである。こうした一貫性のない関係国に対して、彼らは「偉大な将軍様親子」が長年鎮座していたために、一貫して好きなことをやってこれたのである。
今こそ、「この政権がなくならなければ、この国の平和も安定も国民生活も回復できない」と、どうして6者協議で発言する国が現れないのだろうか。