時空を超えて Beyond Time and Space

人生の断片から Fragmentary Notes in My Life 
   桑原靖夫のブログ

日本の未来に見えるもの

2006年01月23日 | 雑記帳の欄外

新年への期待と不安

  今年こそは回復の年と、大きな期待がかけられて船出した日本経済である。しかし、ライブドア社の事件などもあって、新年早々から波乱含みとなった。2006年はどんな年となるだろうか。そして、その先にはなにが見えてくるか。

  とりあえず、外国では始まったばかりの自国の1年をどう見ているのだろうか。自国経済についての楽観が悲観を上回る程度について、グラント・ソーントン Grant Thorntonという会計ファームが各国のビジネスマンを対象に調査をした結果が目についた*。

  それによると、新年について楽観の程度が高い国からみると、インド、アイルランド、南アフリカ、中国、フィリピン、メキシコ、オーストラリア、シンガポール、オランダ、香港、トルコ、カナダ、スエーデン、ドイツ、アメリカ、ポーランド、ロシア、スペイン、イギリス、フランス、(イタリア)、(日本)、(台湾)の順になっている。イタリア、日本、台湾は悲観が楽観を上回っている。 調査の事情によるのか、BRICsの一角であるブラジルが見あたらないが、ロシア、インド、中国はいずれも楽観的である。

  新年度の回復について楽観度が前年より大きく伸びている国の中にドイツが入っているのはEUの基軸国であるだけに、期待したい。逆にアメリカ、イギリス、カナダなどは悲観度が高まっている。

  日本はこの調査では、悲観が楽観を上回っていることになっているが、2004年よりはその程度が減少しているのは救いである。全体にやや明るさが見えてきたといえよう。しかし、その明るさを感じる度合いは、人によって大きく異なる。

  少子高齢化の影響が急速に浸透し、社会保障のあり方など自分たちの将来に不安を訴える人々が多い。とりわけ、若い世代が日本の行方にかつてのような確信を抱いていないことが気になる。これは、他の国々にはあまり見られない特徴である。外国から見ると、物質的には大変豊かに見える日本だが、いつの間にか大きな不安が日本人の心に忍びこみ住み着いてしまったようだ。「富」は「幸せ」にはつながらないらしい。
  
The Economist January 7th 2005

コメント
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