日々の暮らしから

「街中の案山子」「庭にいます。」から更にタイトル変更します。

村上元三著「田沼意次」上中下読了する。

2024-04-27 07:33:09 | 
村上元三著「田沼意次」
田沼意次の若いころは徳川吉宗の時代。その後徳川家重、徳川家治の時代に仕える。

徳川15代にわたる将軍のの系図

家治の本来の嫡子が病没したことにより後継者問題がでて、御三卿の一橋家は息子の家斉をと画策する。
御三家、御三卿から不興を買い田村意次の施政ことごとく中止になり、彼と縁のあった人々も次々と職を解かれていく。
御三家(尾張、水戸、紀州)というのは家康の分家筋。御三卿は徳川家の存続をより堅固にするために8代将軍吉宗のときにもうけられた制度(この本を読んで初めて知った)。御三卿とは一橋家、田安家、清水家だけれど、清水家は家重の時代に付け加えられたこともあって力は強くはなかったとのこと。

田沼意次=賄賂政治、と連想する。しかり。であるけれど、それはその時代に始まったことでもなく、そしてその後にすっかり消えてしまったことでもない、という思いもする。
農業重視の時代から商業重視の経済へと大きくかじ取りをした人です。御三卿の田安家で優秀な人材だと思われていた松平定信が白河の藩へ養子縁組で出たことにより、のちの将軍後継者候補から外れてしまったことを根に持って(?)、田沼憎しの反対勢力に育っていったともとれる展開。

こんな風に歴史小説で語られると、江戸期の社会や政治が身近に感じられる。戦国時代のように侍は戦闘するものではなく、組織の役割を果たすもの、公務員の存在になっていくさまがよく分かります。断固とした身分社会だから、格式第一、目上の人は絶対、位を頂くにも贈答がついて回るような社会出会って、現代とは異質なのだけれど、そういう社会が連綿とあって今の社会になってきているのだと考える一助になると思った。

そしてまた、次の読書が始まる。
「春風伝」葉室麟著 今度は高杉晋作を書いたものです。
まぁ、本を読めるって幸せです。
先日、新幹線の中でタブレットで👆を読んでいたら、同世代(60代かも?)の方に「活字を読むのに眼鏡がいらないってスゴイ!」といわれました。
ありがたいことです。
左目は白内障の手術済み。実は、近視でもなかった右目も少々ヤバく(ぼやけるように)なってきています。来年あたりに右目も手術が必要かもしれません。
コメント
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