日々の暮らしから

「街中の案山子」「庭にいます。」から更にタイトル変更します。

ココロの中の蔵書を引っ張り出して・・・、<ことば>。

2013-02-27 06:37:40 | 
好きな言葉を引っ張り出して、自分の心棒の添え木にしたりする癖がある。

茨木のりこさんの「自分の感受性くらい」が、この一両日、私の脳裏を行き交っている。苦笑

全部記憶しているわけではないので、脳裏を行き交うのは詩文のさわり部分だけれど、萎えていくココロ、自信喪失しがちなところに、自分でカツを入れている。

さぁ、前を向いていこう。
自分の一度きりしかない今を心置きなく過ごそう。

ネットは情報の宝庫で、すぐ引っ張り出せる。
以下、詩文です。
たまたま検索して、2つ載っていたのですが、「みずうみ」という詩は、今回始めて読みました。やっぱり茨木のりこさんならではですね。
私にとってのまことに良薬です。


「自分の感受性くらい」茨木のり子

ぱさぱさに乾いてゆく心を
ひとのせいにはするな
みずから水やりを怠っておいて
*
気難しくなってきたのを
友人のせいにはするな
しなやかさを失ったのはどちらなのか
*
苛立つのを
近親のせいにはするな
なにもかも下手だったのはわたくし
*
初心消えかかるのを
暮らしのせいにはするな
そもそもが ひよわな志にすぎなかった
*
駄目なことの一切を
時代のせいにはするな
わずかに光る尊厳の放棄
*
自分の感受性くらい
自分で守れ
ばかものよ
*
*

「みずうみ」 茨木のり子

 
<だいたいお母さんてものはさ
しいん としたとこがなくちゃいけないんだ>
*
名台詞を聴くものかな!
*
ふりかえると
お下げとお河童と
二つのランドセルがゆれてゆく
落葉の道
*
お母さんだけとはかぎらない
人間は誰でも心の底に
しいんと静かな湖を持つべきなのだ
*
田沢湖のように深く青い湖を
かくし持っているひとは
話すとわかる 二言 三言で
*
それこそ しいんと落ちついて
容易に増えも減りもしない自分の湖
さらさらと他人の降りてはゆけない魔の湖
*
教養や学歴とはなんの関係もないらしい
人間の魅力とは
たぶんその湖のあたりから
発する霧だ
*
早くもそのことに
気づいたらしい
小さな
二人の
娘たち










コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

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安易に警鐘を聞く (ろこ)
2014-11-08 13:07:33
 こんにちは。
 「好きな言葉を引っ張り出して、自分の心棒の添え木にしたりする」
 茨木のりこさんの詩を紹介する前の、心の声が素晴らしすぎます。
 そしてご紹介の詩。人生街道を歩いていた足をハタと止めさせられます。
 知っている詩文でも、こうして目にすると、新しいものを発見したような気になります。ぬくぬくと安易にあぐらをかいた自分の頭を殴られたようです。
 ありがとうございました。
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コメントありがとうございます。 (案山子)
2014-11-08 19:14:23
彼女の詩は、私の宝物みたいなものです。うふふ。
この宝物は、幾度分け合っても減ることはない、特級品。感じ入ってくださると、私も嬉しくなるという、副作用まであります。笑
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