日々の暮らしから

「街中の案山子」「庭にいます。」から更にタイトル変更します。

「みんなにお金を配ったらーーベーシックインカムは世界でどう議論されているか?」

2019-12-19 09:23:04 | 
タイトルの本を読んでいる。

タイトルの本旨の前段階の箇所なのだけれど、読み手の私にとって、抜粋しておきたいと思ったので、記してみます。
著者はアメリカ人(だと思っています)。

以下、引用文

 どんな文明にも、その文明で美徳とされているものがある。ギリシャ文明では勇敢であることが美徳だった。ローマ文明では義務を果たすことが美徳だった。現代の私たちにとっては勤勉さが美徳だ。アメリカ人は労働のことを、経済的に必要であるだけでなく、社会的義務であり、よい人生の基盤であると考えている。

中略

ギリシャ人とローマ人は余暇と思索が人生の価値だと考えていた。アリストテレスに言わせれば、それこそが人として何より崇高な使命だった。

中略

その後ヨーロッパの貴族階級は、自分たちは単純労働をするような存在ではないとみなし、領土に実る果実と他者の労働によって生きていくのが当然と考えた。1500年代にこの大陸を訪れたスペインの征服者たちは、大地がすべてを恵む土地、人間が労を割かずとも生きていける土地を求めていた。だがアメリカはプロテスタントの労働倫理のもとで築かれた国だ。怠惰は罪だと信じ、人は労働を通じて神への愛を示し自らを浄化できると信じた清教徒とクエーカー教徒たちがこの国を作った。

中略

建国当初から、労働に対するアメリカの態度は、ヨーロッパ社会でのそれと大きく袂を分かっていたのである。植民地となり、ヨーロッパ本土から流された大勢の囚人と何十万人という奴隷たちの労働によってイギリスの貴族や富裕層を潤わせていた体験が、働かないことへの嫌悪感を強固なものにした。

中略

アメリカ人には、人は自力で家と農場を建てたり、西部を開拓ーー長らくその地で息づいてきた文明を排除または破壊しながら―ーしたりすることで、土地を我がものにしていくべしという思いがあった。こうしてアメリカ人の意識の中で、働くこと、個人主義と、成功とが、分かちがたく結びついていったのである。






文字が読めることの幸せを思います。日本語訳が出ているからこそ、ですけどね。そして、手元にあるIPadの書架に、自分でクリックしなくても並んでいる(家人が購入)、という環境にも恵まれているのでしょう。
現在は、私はこの導入部よりも、先に読み進めているのですが、富の偏在、格差拡大が言われている昨今にあって、ベーシックインカム(UBI)の有効性を実証しようと、いろんなところでの試みも紹介されています。
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