庭で雑草取りをしていると、頭をよぎるフレーズがある。
「親指の先ほどの草の小さいときにむしっているんだよ」
とか、
「『お前がここに生えてきたことには罪はないのだけれど、申し訳ないね、摘み取らせてね』と心の中で詫びながら抜いている」
と。
母が常々私に語っていた。
考えてみたら、私は3人兄弟で、おんなは私だけ。
そうすると、こんな細やかなイロイロを語り継いでくれたのは、私ひとりに、なのだろう。他に誰にも言う当てもないだろうし。
その時は、若い私は
「またか」
と聞き流していたのに、今、60代になって花壇の草取りをしながら、
同じことをしている。
母は、いっぱい私に伝えたかった人で、相槌を打つこともあり、煙たがったこともあり、だったけれど、前述のような、極小のほんのささやかなことも、
ほら、伝わっている!
きっと、いっぱい、伝わっているよ。
ありがとう。
昨日、弟から電話があった。
今月に入って、ひざの力が入らなくなって、歩行器につかまり立ちしても、全体重をもたれかけているので、手で持って歩行器を前に出すことができなくなった、と。
ひざが一瞬も身体を支えられなくなったのです。
そして、こ朝も朝食が要らないといって、まだベットから茶の間に出てきていない、とのこと。食卓に着きさえすれば、普段通りに食事も進むし表情も元通りなのだけど、と。
先月顔を見に行ったとき
「ひざがダメになるのと、命の終わりが一緒に来てほしい」
と、ボソッと言っていたのが思い出される。
考えているのだろうな、と思う。
明治21年生まれの祖母(母にとっては姑)は94歳で自宅で老衰死だった。
祖母は、水だけにして食事をとりたくない、と介護する母に断って1週間で逝ったと言っていた。
その顛末も充分に記憶にあるはずです。
私が母の失敗の始末をしても、申し訳ないね、悪いね、お前にこんなことをしてもらって、と言葉をかさねる。
弟夫婦にたいしても、同じような思いでいることだろう。
どうしたらいい。
・・・
・・・
母本人が、一番考えていること。
とりあえず、来月半ばにある結婚式。
弟夫婦の長男の結婚式に出席するのが目標。
きっと、アレコレ一生懸命段取りしている弟夫婦に迷惑を掛けれない、そう思っているハズです。
どうしたらいい。
施設に申し込んだ?
と訊いたら、
なんて?そんなことしてないよ、と弟。
施設に入りたくない母
入れたくない弟
すごく、一致していて、私はラッキーです。
弟の奥さんの負担が気になります。
弟曰く
「Uさん(弟の奥さん)が言うんだよ。『齢とって次男と同居できるって幸せだね。私もそうなったら、どんなに嬉しいか』」と。
弟夫婦は息子二人なんです。
母は幸せ者です。
こんな生き方が展開するのは、母の行いの賜物かもしれませんね。
一歩一歩が痛みで耐えられないギリギリまで、歩行器を使い続たというのも、母のやり方なのですから。
12月にまた顔を見られるからね。
一昨年、昨年と私の庭を見に来ました。
初めて庭を見たとき、母は驚きました。
あんなに草むしりもしなかった娘が、たくさんのバラを育てていたから。
なんでおまえが…こういうことに、という思いだったのでしょうか。
次に出た言葉が、
「勉強したからかね~」
でした。
どういう脈絡かしら。笑
母には18歳までの私の姿がいつも去来しているのでしょう。
「親指の先ほどの草の小さいときにむしっているんだよ」
とか、
「『お前がここに生えてきたことには罪はないのだけれど、申し訳ないね、摘み取らせてね』と心の中で詫びながら抜いている」
と。
母が常々私に語っていた。
考えてみたら、私は3人兄弟で、おんなは私だけ。
そうすると、こんな細やかなイロイロを語り継いでくれたのは、私ひとりに、なのだろう。他に誰にも言う当てもないだろうし。
その時は、若い私は
「またか」
と聞き流していたのに、今、60代になって花壇の草取りをしながら、
同じことをしている。
母は、いっぱい私に伝えたかった人で、相槌を打つこともあり、煙たがったこともあり、だったけれど、前述のような、極小のほんのささやかなことも、
ほら、伝わっている!
きっと、いっぱい、伝わっているよ。
ありがとう。
昨日、弟から電話があった。
今月に入って、ひざの力が入らなくなって、歩行器につかまり立ちしても、全体重をもたれかけているので、手で持って歩行器を前に出すことができなくなった、と。
ひざが一瞬も身体を支えられなくなったのです。
そして、こ朝も朝食が要らないといって、まだベットから茶の間に出てきていない、とのこと。食卓に着きさえすれば、普段通りに食事も進むし表情も元通りなのだけど、と。
先月顔を見に行ったとき
「ひざがダメになるのと、命の終わりが一緒に来てほしい」
と、ボソッと言っていたのが思い出される。
考えているのだろうな、と思う。
明治21年生まれの祖母(母にとっては姑)は94歳で自宅で老衰死だった。
祖母は、水だけにして食事をとりたくない、と介護する母に断って1週間で逝ったと言っていた。
その顛末も充分に記憶にあるはずです。
私が母の失敗の始末をしても、申し訳ないね、悪いね、お前にこんなことをしてもらって、と言葉をかさねる。
弟夫婦にたいしても、同じような思いでいることだろう。
どうしたらいい。
・・・
・・・
母本人が、一番考えていること。
とりあえず、来月半ばにある結婚式。
弟夫婦の長男の結婚式に出席するのが目標。
きっと、アレコレ一生懸命段取りしている弟夫婦に迷惑を掛けれない、そう思っているハズです。
どうしたらいい。
施設に申し込んだ?
と訊いたら、
なんて?そんなことしてないよ、と弟。
施設に入りたくない母
入れたくない弟
すごく、一致していて、私はラッキーです。
弟の奥さんの負担が気になります。
弟曰く
「Uさん(弟の奥さん)が言うんだよ。『齢とって次男と同居できるって幸せだね。私もそうなったら、どんなに嬉しいか』」と。
弟夫婦は息子二人なんです。
母は幸せ者です。
こんな生き方が展開するのは、母の行いの賜物かもしれませんね。
一歩一歩が痛みで耐えられないギリギリまで、歩行器を使い続たというのも、母のやり方なのですから。
12月にまた顔を見られるからね。
一昨年、昨年と私の庭を見に来ました。
初めて庭を見たとき、母は驚きました。
あんなに草むしりもしなかった娘が、たくさんのバラを育てていたから。
なんでおまえが…こういうことに、という思いだったのでしょうか。
次に出た言葉が、
「勉強したからかね~」
でした。
どういう脈絡かしら。笑
母には18歳までの私の姿がいつも去来しているのでしょう。
風邪を引いたり、あちこち痛みを抱える弱っちい娘なので外に連れ出すこともままならず、このままでは後悔すると思いつつ、です。
私たちが介護が必要になる頃、どうなっているでしょうね。最近、お嫁さんが、お金に困ったら転げ込もうと息子と話しているのよと言われ、絶対に嫌と断りましたw。最後まで自由に自分らしく暮らせるかしらね。この強気、いつまでw。
「きっと、Uさん(弟の奥さん)のこれからににいいことがあるよ」と。
そして、今朝、Uさんに悪いな~とつぶやくと、夫は
「キミのお母さんはいい人だから・・・」と。
なんだか、うま~く、いっているのです。
こんな展開に持って行ったのも、母の徳なのかもしれません。
高齢者10人いるとしたら、善い人の部類だと、そう思えることが、ワタシ幸せ者です。
そして義妹(Uさん)の人となりに感動いたしました。
姑の世話は・・困る的・・な、今時の風潮。
Uさんのようなお嫁さんもいらっしゃるのですね。
Uさんへの案山子さん御姉兄弟の接し方も
義妹さんが義親を労わる人間になれる環境だったのかもしれません。
記事に接し、案山子さん夫婦や弟さん御夫婦、
親族皆さんが家族を思いやる家系の人々であることを感じました。
その子も孫も父母・叔父叔母の姿を見て、いつか来るその日に自分たちの役割を全うすることでしょう。
特に義妹・Uさんの老後が見える思いです~感動。
また、彼女って器が大きいのだね、といったことも。彼女のお父さんも今年の初めに脳こうそくで倒れて、かつ一人暮らし。毎晩夕食時に実家に顔出ししています。
なんだか~、なのに、うまく回転しているのです。
潤滑油があるからかしら(苦笑)。
コメントでの私の言葉足らずでした。
弟さんは良きご家庭を築かれているのですね。
義妹さんも負担には思われていないかと・・
周囲からのサポートもあることでしょうし・・
弟は、絶対妻のしたいことを我慢させることはしたくない、に徹しています。母は、妻が夫を残してしばしば旅行に出かけるあり方に、留守番の息子を不憫と思うこともあったと思いますが、克服しました。多分。
私の夫の母親だと、こうは行かなかったでしょう。苦笑
上手く暮らしていくのも、お互いの知恵ですね。
素敵な弟さん御夫婦
母が1人暮らし。
妹も私も嫁いでいる身。
週に1度往復3時間車で行きますが、
一緒に暮らすが1番いいんでしょうね。
老いるって悲しいのかな。
生きてきて最期をどこでむかえるか
みなさん、それぞれ、ですね。
週に一度、顔をみにいらしているって、私から見ると理想です。
母は「一緒に暮らすが1番いいんでしょうね」タイプの人で、紆余曲折がありましたが、恵まれた現在です。
老いるって、体力や記憶力の低下というマイナス面もありますが、60代に関して言えば、物事を味わい深く受け止められる、豊かな時期です。
少しでも、この期間を長引かせたいものです。