「本物の香り」
山ウド大好き
「ウドの大木」という諺がある。
諺から来るイメージはよくない・・・が、山ウドが大好き人間。山や野がまだ芽吹きしない、土の中で蠢き出したころが適期。サクサクとした切れ味。ツーンとした鼻を突く香りがたまらない。白緑色の凛とした山ウドを食べると春の息吹を感じる。
(庭のドウダンツツジ冬芽)
最近の野菜は、本来の風味と季節感を失った。
温室栽培や、海外からの大量輸入が理由と思われる。真冬に食べるキュウリ、トマトはさすが味がない。太陽の下で丸々と成長し自然からの恩恵を受けた野菜がたまらなくおいしい。
ウドの初物は、一月ころになるとスーパーや八百屋の店先で見かける。土室(ムロ)の中で日光を遮断して徒長させたものである。見るからに白くて健康感がない。山ウドは、つや・風味・香り・力強さが格段に高い。酷寒の中、雨、風、雪にさらされて育ち、風味と香りが抜群だ。
彼岸まえ、山ウド堀りに山野に向かう。ウド大好き人間だけが知っている秘密の場所である。雑木林に囲まれた陽だまりにチョコンと顔を出している。あまり可憐なのでそっと手を添える。春の躍動感が伝わる。「ごめんね・・」と心の中でつぶやきながら根元を掘り下げる。三つ、四つ取れば十分で、山を後にする。
つるべ井戸からくみ上げた清水で洗い、自家製の味噌をつけて口の中に入れる。
「こりゃ~ウンメイ・・・」
山ウド クロッカス
「せせらぎ」より。 1996,4,1
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
今日のメモ
現役の頃「コラムの集い」に参加していた。
この会は、ニュース・ステイションのコメンテイターをされてた、
K氏にご指導を願っていた。そこに8年ばかしお世話になった。
添削指導を受けた初期の原稿が出てきた。
補正して掲載した。