公園を散策していたら
樹下で老夫婦に出会った。
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今日のメモ
老 境
水辺から右に折れると、散策路の樹下にたたずむ老夫婦があった。
空を見上げて、そこを離れようとしない。
近づくと、紅梅が咲いていた。
「空が青いから、紅梅が映えてとても奇麗」・・・と言いながら枝を手元に
引き寄せて梅花の香りを楽しんでいる様子。
香りにお婆さんの顔に笑みがかもし出され、とてもうれしそうに見えた。
杖を突いたおじいさんにも、ほのかに気持ちが伝わったのか
うなずく仕草が見られた。
梅の樹は、若い木より老い(ひねたように)曲がった幹がよい。
老木の樹肌は石のように固くなり 表皮が厚く剥がれかけ、幹色も幾分薄くなる。
樹肌の枯れ具合が 清楚な花を引き立てる。節くれて 曲った枝先、斜めに傾いた幹にうっすらと苔むして樹が好まれる。
年月を経た紅梅の樹がなんとも老夫婦の仕草とツウショットで、
花を引き立てていた。
◎ 世の中を 渡りくらべて 今ぞ知る
阿波の鳴門は 波風もなし (道歌より)