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山崎豊子展、  於・高島屋

2015年10月05日 | 紀  現場にアタック、何でも

 人間=山崎豊子


 

『不毛地帯』『白い巨頭』など、本やドラマ、映画などを通して、

多くの反響を呼ぶ作品を世に送り出した作家・山崎豊子。

その社会性の強いテーマや複雑に絡み合う人間模様は、徹底した取材から来た。


1924年大阪船場生まれ。新聞記者として、

事実を追い続ける取材への姿勢、世間や人間の本質をとらえる観察眼を養い、

上司である記者・作家・井上靖の背中を見つめて、作家の道に。

生涯書き続けた数々の作品は、故郷である今はなき大阪・船場の風俗や習慣、

戦争の悲劇を伝えたいという思いが込められていた。


また高度成長期に渦巻く社会の不条理を問わなければという強い信念で登場人物には

想像を超えた人間ドラマが生まれた。

 

 

展示会場はすべて、カメラ撮影は禁止です。
買い求めた、『山崎豊子、ガイドブック』を参考にしまとめた。



 

会場入り口周辺には、山崎豊子の実家・『小倉屋山本』老舗昆布屋のつくだ煮、京都のお菓子などが売られていた。
現在は、暖簾を守る4代目、山崎の甥にあたる・山崎博史社長が守っておられる。

 

 山崎豊子展を見て感じたこと

1、徹底した現場取材・人間観察

  現場や現地は宝の山と言う。「現場百辺、理自ら通ず」という言葉があります。
徹底して現場取材を行うと、自然とそこから真実が掘り起こされドラマが生まれてくる。「証拠の認定は事実による」の合言葉に、徹底した現場主義を貫き取材した。言葉を地を這いつくばうように資料を集めた作家であろう。

 易しい道と、困難の道との二つの道があれば、あえて難しい道を選ぶと言っていた。その理由はおそらく豊富な素材、材料、ドラマ、宝が一杯あるからであろう。
簡単な道をゆったり行くのと違い、取材を終えゴールしたときには多くの宝(素材・ネタ)を得ているのだろう。

2、写真、フィルム、カセット録音、整理保存

  展示会場にカメラ、カセットが数台置かれ、その脇には沢山の画像フイルム、カセットテープがうず高く積まれていた。
これこそが作家・山崎豊子の原点であったかと改めて見た。
『大地の子』取材に当たっては、尋ね歩いて大地(中国へは数限りなく、)、会った人は500人以上を超えていた。

3、正義は勝つ

  地を這って歩くような取材の果てには、数々の小説(ドラマ)が生まれた。
登場人物、想像を超えた人間ドラマが生まれ、読者の心を揺さぶった。反感、ののしられ、こんな小説書いて!!
○裁判で負けても小説(ドラマ)には、負けない。
○血みどらの果てに、必ず真実が生まれる。
○正義は必ず勝つ、ドラマ(小説)が命、作家・山崎豊子の原点

多くの展示品、多くの見学者で詳細を見ることができなかったが、作家・山崎豊子の生きざまは、ひしひしと伝わってきた。

 


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7 コメント

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徹底した取材 (とんちゃん)
2015-10-05 12:10:16
私は「大地の子」が一番印象深いです。
残留孤児、「陸 一心」を演じた上川隆也と実父役の仲代達矢の迫力ある演技が忘れられません。
全巻録画して残しています。
あれは、日中共同製鉄プラントの成功までのドラマでしたが、今尖閣の近くの排他的領海水域で「日中共同開発」を確約しながら一方的に中国がガスガス開発の櫓を何基も建てている状況は、彼女だったらどう読み解くのかと思います。
南京大虐殺だって、歴史を直視するなら実際の数字はどうだったのか真実を知りたいものです。
彼女の徹底した取材・・・今の報道関係者に少しは見習って欲しい!
返信する
9月27日NHKテレビスペシャル (ヒキノ)
2015-10-05 19:54:00
「山崎豊子・・・戦争と」録画しました。
大阪船場のお嬢さん。戦時下、学徒動員で弾丸づくりの町工場で働いたそうです。工場空襲で死んだ友だち、特攻隊で死んだ男友だち、戦争をまじかで見たようです。

テレビでは小説に到るまでの取材活動、資料、テープ、写真、小説の骨子造りのメモなどが映し出されていました。

50年付き添った野上孝子さんという秘書の方がいますが、あの人の陰の働きもあったと思います。

印税を投じて山崎育英財団を設立、戦争孤児の育英資金援助を続けているそうです。
返信する
お二人さんへ (縄文人)
2015-10-06 06:28:12


トンちゃん
ヒキノさん

「山崎豊子・不屈の取材、追真人間ドラマ、情熱の作家人生」
を買い求めてきたが、只今読み中です。
読み終えてから、コメしないと山崎豊子、そしてお二人さんにすまないような気がしてならない。

このコメは、後日とします。
返信する
骨太の (どんこ)
2015-10-06 09:00:11
社会派作家でしたね。
こういう催しがあると
改めてその人となり作品を
振り返ることが出来ますよね。
もう亡くなられて2年になるのですね。
早いものです・・・。
返信する
神出鬼没 (葛飾の山男)
2015-10-06 19:53:13
こんばんは。
相変わらず、神出鬼没ですね。
まさに、現場にアタック何でもみてやろう。
ですね。
返信する
皆さんへ 1 (縄文人)
2015-10-06 20:15:56


トンちゃん
ヒキノさん
どんこさん
葛飾の山男さん

NHKスペシャル山崎豊子』
瀬島竜三→シベリヤ抑留者→伊藤忠→中曽根内閣時代の影の人→『不毛地帯』。
西山太吉→新聞記者→沖縄返還密約事件→ペンを折る→『運命の人』。
山崎豊子は、抑留者の奥の奥を探し当て、また密約事件となった沖縄を訪ねて小説のモデルに仕立てあげた。両者人はシベリヤ、密約事件についてあまり世間に話さなかった。真底、真実を探し出し取材し見事なまでに軌跡を解き明かし小説のモデルに仕立て上げた。
瀬島はシベリヤ記念碑の前で亡くなった多くの人たちのために、お酒を捧げ、西山は、語らなかった密約事件を沖縄県民の前で語りかけた。(NHkスペシャル・終わり場面)

山崎豊子の作品は見事なまでに映画化され、読者に支持され心震わせて山崎劇場となりました。
不屈の取材、迫真の人間ドラマ、情熱の作家であったからであろう。
○ 船場生まれの船場育ち=花のれん、ぼんち、しぶちん
○ 社会派小説=白い巨塔、仮想集団、華麗なる一族、
○ 戦争小説=不毛地帯、二つの祖国、大地の子
○ 不条理の果てに見たもの=沈まぬ太陽、運命の人、約束の海
これらが山崎の作品であるが、展示会場で膨大な資料を見せてもらいました。
書き残したものがあるようでならなかったが、それは何であろう?
返信する
皆さんへ 2 (縄文人)
2015-10-06 20:25:13


トンちゃん
ヒキノさん
どんこさん
葛飾の山男さん

 =つづき=

 想像の翼を広げてみた。山崎の書き残したいものは、一体何だったのであろうか。
山崎豊子の日記が見つかった。
昭和20年1月1日~3月27日までのものであるという。およそ72ページ分である。戦時下の青春が色濃く出ていたという。
・空襲警報で防空壕へ、・家族で疎開の話、・愛情の真実、・あぁ家は焼かれた、・・・・etc
小さいときの生まれ環境は、その人の将来を決めると言われます。
 戦火の中をかいくぐった青春時代、膨大な沖縄の資料や戦後の体験記を展示会で見た。
きっと”沖縄と日本”に関しての、戦後に関する小説を書きたかったのであろう。
それが、『二つの祖国』『大地の子』に繋がる、青春時代であったからである。

展示会、NHKスペシャル、ガイドブックを見て読んで。

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