バラックの家の居住権物語、
役所の正月休み中、バタバタと仕上げる!!
「下町の太陽」(1963年)に手伝うようになって、
山田さんと気安く交流し、世田谷の団地迄遊びに行ったりした。
この様な下町の生活内容を仕上げるのには、新人山田監督には少々荷物が重いものだった。
その理由は、山田さんは関西の出身で、旧満州からの引き上げで、その辺の知らない内容部分のことに
力を貸せたら何かお役に立てるのではないだろうかと言う気持ちからでした。
山田さんが仕事の打ち合わせで、葛飾高砂の我が家に来たときのことである。
バラックの我が家で山田さんが不思議そうな顔をされたのは、一段高くなった一間を見た時だった。
私は床の一部を高くした理由を語らねばならなかった。
「最寄りの駅は高砂でも、地名に高と付くがそれとは逆でした。少々の雨でもすぐに床下浸水です。
濡れて困るものはその一段高くした一間、分かり易く言えば、高下駄的発想かもしれませんね」
「なるほど」うなずきながら山田さんは笑った。
この話はよほど印象的に残ったのであろう、のちに執筆された、「早乙女家訪問記」に出てくる強烈な印象を残した訪問物語として語られる。
(東京人から抜粋、原文のまま)
田舎から建築材料、職人さんが来る
正月休み中に仕上げる
上気黄色い塗部分の文章が、いかにバラック家で粗末な家屋であるのが分かる、ります。
所謂、居住権取得の違法建築だったのです。その詳細原文を早乙女氏が自叙伝として綴っている。
リアルに描いているので、時間の許す方はどうぞ。
(区役所、正月休み中に建物完成、バラック骨組み)
早乙女勝元氏小説選集
早乙女氏の自叙伝に詳細に記述(1)
詳細記述(2)
大工さんも大変、役所の正月休み中に建築を仕上げることに!
違法建築でも役所が休みであれば難を逃れる発想…!!
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