大人の立石・半村良・『葛飾物語』を読む
作家、半村良さんは葛飾区本田の出身である。
ヒョンナことから「葛飾物語」があることを知る。
昭和18年から平成2年までの、立石をルーツとする人々の平凡な、しかし他には無い人生。
死があり不倫があり挫折がある。簡潔でドライな筆致なのに沁み入るような読後感。
2年刻みが10年刻みになる。大きな筋はなく昭和という時代を生きた人々、下町のちょっと貧乏な主人公。
戦後の生活はみな貧しい生活でした。
昭和18年の場、立石そして葛飾
春野久子の夫、基夫の詳月命日に集まる・・その場所は、本奥戸橋と立石の中間あたり
だったようです。まさに半村良さんの育った場所です。
赤ん坊を背負った老人は、奥戸橋を背に坂道を下っていく。道の向こう側に風呂屋があって、
ちょうど入り口と向き合う位置に、“喜多向き観音”を祀った小さな社がありそこで足を止め
軽く両手を合わせ、背中の子供をひとゆすりして、また歩き始める。
(中公分庫11ページ)
物語冒頭に出てくる場所です。
中川に架かる奥戸街道の本奥戸橋。
喜多向観音
半村良さんの「葛飾物語」から別口に急展開します。
葛飾区郷土と天文博物館「葛飾区探偵団」に所属し、「喜多向き観音と縁日」
について調べたことがあります。
これを次回から掲載します。
コメ欄は閉めています。