M・ムーアが好きか嫌いか?と聞かれたら、「嫌い」と答えるだろう。
(これに関しては、上手く説明できない。下に華氏911の感想も乗せてみたが、この感想でもずいぶん言葉を選んで書いたつもりだ。)
それでも、アメリカの医療保険制度を描いたこの映画は面白い映画だった。
終盤のキューバの場面で涙する患者の姿を見ながら、胸が詰まりそうになった。
(もちろん貨幣価値が全然違うのだから、一概に比較するだけでは片手落ちだろう。それは分かってはいても、それでもあの場面は衝撃的だ)
民間保険会社に牛耳られたアメリカの医療保険制度は、やはり馬鹿げている面が多いと言わずにはいられない。
保険という言葉の中には、助け合いの意も含まれるはずだが、アメリカではそうではないらしい。
皆保険でないアメリカでは、医療保険制度でなく、医療企業制度なのだ。
ただ、この映画は、患者側からだけの視点で描いた映画だし、あるべき保険の姿として紹介される、イギリス、フランス、キューバの制度も、アメリカにはない面をクローズアップしているだけだ。どんな制度にも必ずあるであろう、弱点などには一言も言及していない。このあたりがやっぱりM・ムーアらしい。
***
本題とは若干話しがずれるかもしれないが、この映画を見て驚いたのは、アメリカがいかに共産主義を忌み嫌っているかということだった。
知識として知ってはいたが、あそこまで徹底しているとは思わなかった。
「国が主導権を取る(国民皆保険のこと)」→「自由がなくなる」→「共産主義だ」
あまりにも考え方が短絡的ではないのか?
****
(三年前に華氏911を見たときの感想)
真実を曲げるわけではないが、真実の全貌を明かそうとはせず、一部を見せるだけでそれが総てと信じ込ませること。
それがどんなに罪深いことか、2時間もの時間をかけてマイケル・ムーアが語る。
彼のいうことは確かに正しい。しかしそういう彼も一部を誇大することによって、それが総てと信じ込ませる手法をとってブッシュを批判していく。
トップに立つ者は常に批判にさらされ、自分を律していく必要はあるが、それを逆手にとり、面白おかしく扱って2時間の映画に仕立てることにどんな意義があるのか。批判するという大義名分を行うために彼が取る行動もブッシュの取る行動となんら変わりがないことに思えるのは私だけではないはずだ。
面白くはあるが、、2時間の映画にする必要もなく、ましてやカンヌのグランプリという栄光に与る映画でもない。
音楽にジョーイ・スキャベリーの唄ったThe Greatest American Hero(ドラマの邦題はアメリカン・ヒーロー)が使われていたので懐かしくなった。フルコーラス使用されており、思わず口ずさんでしまった。
80年代の初め日本テレビには吹き替えでアメリカのドラマを放送する枠があり(確か日曜日の夜10時30分からだったと思う)バイオニック・ジェミーやチャーリーズ・エンジェルなど楽しみに観ていたものだ。このアメリカン・ヒーローは確か83年頃放送されていたドラマだったはず。この音楽も全米ナンバーワンヒットになった歌だったはずだ。
ウィリアム・カットが何故かへなちょこスーパーマンになる高校教師役、そして相棒にロバート・カルプが出演していて、楽しいドラマだったことを覚えている。マイケル・ムーアも年代的にはこのドラマを楽しんだ世代のはずだ。彼がどんな意図をもってこの楽曲を選んだのかは解らないが、この映画を観て一番心に残ったのはこの歌だったとは・・・
(これに関しては、上手く説明できない。下に華氏911の感想も乗せてみたが、この感想でもずいぶん言葉を選んで書いたつもりだ。)
それでも、アメリカの医療保険制度を描いたこの映画は面白い映画だった。
終盤のキューバの場面で涙する患者の姿を見ながら、胸が詰まりそうになった。
(もちろん貨幣価値が全然違うのだから、一概に比較するだけでは片手落ちだろう。それは分かってはいても、それでもあの場面は衝撃的だ)
民間保険会社に牛耳られたアメリカの医療保険制度は、やはり馬鹿げている面が多いと言わずにはいられない。
保険という言葉の中には、助け合いの意も含まれるはずだが、アメリカではそうではないらしい。
皆保険でないアメリカでは、医療保険制度でなく、医療企業制度なのだ。
ただ、この映画は、患者側からだけの視点で描いた映画だし、あるべき保険の姿として紹介される、イギリス、フランス、キューバの制度も、アメリカにはない面をクローズアップしているだけだ。どんな制度にも必ずあるであろう、弱点などには一言も言及していない。このあたりがやっぱりM・ムーアらしい。
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本題とは若干話しがずれるかもしれないが、この映画を見て驚いたのは、アメリカがいかに共産主義を忌み嫌っているかということだった。
知識として知ってはいたが、あそこまで徹底しているとは思わなかった。
「国が主導権を取る(国民皆保険のこと)」→「自由がなくなる」→「共産主義だ」
あまりにも考え方が短絡的ではないのか?
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(三年前に華氏911を見たときの感想)
真実を曲げるわけではないが、真実の全貌を明かそうとはせず、一部を見せるだけでそれが総てと信じ込ませること。
それがどんなに罪深いことか、2時間もの時間をかけてマイケル・ムーアが語る。
彼のいうことは確かに正しい。しかしそういう彼も一部を誇大することによって、それが総てと信じ込ませる手法をとってブッシュを批判していく。
トップに立つ者は常に批判にさらされ、自分を律していく必要はあるが、それを逆手にとり、面白おかしく扱って2時間の映画に仕立てることにどんな意義があるのか。批判するという大義名分を行うために彼が取る行動もブッシュの取る行動となんら変わりがないことに思えるのは私だけではないはずだ。
面白くはあるが、、2時間の映画にする必要もなく、ましてやカンヌのグランプリという栄光に与る映画でもない。
音楽にジョーイ・スキャベリーの唄ったThe Greatest American Hero(ドラマの邦題はアメリカン・ヒーロー)が使われていたので懐かしくなった。フルコーラス使用されており、思わず口ずさんでしまった。
80年代の初め日本テレビには吹き替えでアメリカのドラマを放送する枠があり(確か日曜日の夜10時30分からだったと思う)バイオニック・ジェミーやチャーリーズ・エンジェルなど楽しみに観ていたものだ。このアメリカン・ヒーローは確か83年頃放送されていたドラマだったはず。この音楽も全米ナンバーワンヒットになった歌だったはずだ。
ウィリアム・カットが何故かへなちょこスーパーマンになる高校教師役、そして相棒にロバート・カルプが出演していて、楽しいドラマだったことを覚えている。マイケル・ムーアも年代的にはこのドラマを楽しんだ世代のはずだ。彼がどんな意図をもってこの楽曲を選んだのかは解らないが、この映画を観て一番心に残ったのはこの歌だったとは・・・
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