私の映画玉手箱(番外編)なんということは無い日常日記

なんということは無い日常の備忘録とあわせ、好きな映画、韓国ドラマ、そして
ソン・スンホンの事等を暢気に書いていく予定。

孫文の義士団

2011-04-26 21:33:38 | 映画鑑賞
孫文が志を同じくする者たちと話をする1時間を作り出すために、ただそれだけのために集まった人々。
しかし団結する時間もその術も持たない彼らは、自分の持てるものをそれぞれ個々に使って、孫文暗殺をもくろむ者たちに対峙するしかない。

1時間という時間の中で戦いは行われる。
一人の敵を倒すと、また新しい敵が現れる。
倒したと思った敵がまた再び現れる。
各々の個人技は素晴らしいが、それはあくまでも個々の戦い。
個々の力が集結し、それが更なる大きな力を生むということはないのだ。

日本人なら、「孫文を守るために、個々だったものが一つになった1時間。」という、団結したところに感動を見出すはずだが、中国では「個々が自分の持てる力を使った。その結果、孫文を1時間守りきるという奇跡のようなことが起こった」その奇跡のようなことが起こったに対して、熱い感動が集まったのだろう。
感動するポイントが違うのだと考えれば、中国での大ヒットも理解できる。

主人公は本当に無名の一市民を演じたドニー・イェンだが、レオン・ライも扇一つで、15分という時間を一人耐え続ける。さらに人力車を引く青年を演じたニコラス・ツェー。
彼のエピソードが、やや細くはあっても物語の縦糸として心に横る。


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(しつこいようだが)
敵を一人倒してクリア、さらに一人倒してクリアという描き方が、戦闘ゲームを連想させ、私としてはやや物足りない思いがある。

香港映画が好きな私にとっては、あんな人があんな役でとか、あんな人がカメオ出演というのもうれしかった。

孫文〈下〉辛亥への道 (中公文庫)
クリエーター情報なし
中央公論新社