ソウルから一人済州島にやって来るも、海に落ち、海女たちに助けられるソナ。病院に運び込まれた彼女の身元保証人になったのは島のおばあちゃん相手にトラックの行商をしているドンソクだ。
学生時代、学校にも家に居場所がなく、ただただゲームセンターで時間を潰すしかなかった二人。なにも楽しみがない毎日の中でお互いしか頼るものがなかったはずなのに、ソナはドンソクの前から姿を消してしまうのだ。
そして何年も経ち、再び自分の前に姿を現した心ここにあらずの彼女を、一人放ってはおけなくなるドンソク。
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ソウルで結婚生活を送っていたソナ。しかし気分のすぐれない日が続く妻の様子に耐えられず、息子を置いて行った夫が、放棄したはずの息子の親権を取り返そうとしてきたのだ。「妻は体調が悪くて幼い息子の世話も出来ない」という申し立てに、反論するソナだが、息子は「お母さんは具合が悪いから一緒に遊べない」と言い、彼女が親権をそのまま保持することは限りなく不透明だ。それを信じようとせず、「息子は馬が好きだから、済州島で馬を育てて息子と一緒に暮らしたい」と古い家のリフォームを始めるソナ。
そんなソナを放っておけずに、リフォームも手伝う。さらには、息子は絶対自分で育てると言い張る彼女を放っておけず、親権を決定する裁判のために、彼女についてソウルまで出向くドンウク。
ソナがいなくなった後、決して幸せとは言えない生活をしていたドンソク。そんな彼は、今日だけを考えて生きてきたのだ。息子の事は何よりも大事に思っていても、どこか不安定なソナの言動に、裁判所の心証はよくない。親権を手放す事になり泣きじゃくる彼女に「寂しがってもいい。しかし、ただただ寂しいだけの中で生きていくのだけはやめろ」というドンソク。
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済州島の景色も美しいはずなのに、この二人のエピソードではソウルの夜景がとても綺麗に撮影されている。夜半から明け方にかけての漢江沿いに佇む二人の姿が、綺麗にシルエットになって浮かび上がるのだ。