このドラマ、死神を扱ったいるものの、その内容はかなり現代の状況に即したものが多い。擬人化ならぬ擬会社化というフィルターをかぶせた事で自由に内容を描けるということなんだろう。
なんと、危機管理課は自殺をしようとしている犬を助けようとするのだ。韓国では日本以上にペットブームだと聞いた事がある。日本では猫もペットとして人気だが、韓国はペットとしてはやっぱり犬の人気が根強い。
道に飛び出し、車が来るのも避けようとしない犬を助けたジュヌンの妹。兄であることを隠しつつ妹から犬を預かったジュヌンは、犬が自殺をしようとしていた事を知るのだ。
子犬の頃から飼い主にかわいがられていたものの、飼い主の仕事が忙しくなり、さらに自分も老犬となり、自分の存在が飼い主にとって負担になると感じた犬は、家出をして自殺をしようとしていたのだ。動物は具合が悪くなると飼い主の前から姿を消して亡くなるとはいうものの、今の時代は、ペットと人間の距離が昔よりもずっと近くなっているのだ。そんな風な別れ方はどちらにも悲しみが残るもの。別れは悲しくとも穏やかに送ってあげる事で、「後で懐かしく思い出す事が出来る」という別れ方をさせてあげようとするのだ。
現代の状況に即した話はまだまだ続く。性被害に遭い、さらに裁判の中で二次被害に遭ってしまった女性。双子の兄は、自分が夜道を送ってあげればと後悔するものの、妹の苦しみは消えず、加害者は何の社会的処罰も受けずに優雅な学生生活を送り続けているのだ。
危機管理チームは兄妹を助け、死に行く者を迎える引導チームは、彼を超法規的な方法で裁き、悔しさという感情から抜け出せない被害者たちを救い出すのだ。死神のはずなのに、いつもどこか必殺仕事人的な活動がメインのドラマだ。