平凡だったはずの大学生が突然殺人事件の容疑者になる。その様子が妙にリアルなドラマは、BBCのドラマ@クリミナル・ジャスティスの舞台を韓国に置き換えたもの。
リポート作成に目途がつき、友人から誘われていたイベントに父親の商売道具である個人タクシーを拝借して参加する事にしたスヒョン。
車でいくらもかからない場所だったはずなのに、営業中の車と思い若い女性が乗り込んで来た事から歯車が一気に別の方向に動き出すのだ。突然の出来事で思いもしなかった夜を過ごした彼に訪れたのは、遺体で見つかった女性と容疑者になった自分。車に乗せ、お酒を飲んだだけなのだから、なんの覚悟もあるわけがない。更に車を勝手に持ち出した罪悪感から、ドライブレコーダーのスイッチは切っていた事から証拠はないも残ってない。
警察で彼を見て弁護を引き受ける事を決めた弁護士のジュンハンはいわゆる町の弁護士だ。居候弁護士ではないようだが、それでも離婚した妻が育てる娘への養育費の送金も滞り、いわゆるステレオタイプの弁護士には見えない。それ故、スヒョンが「とりあえず何もしゃべるな。今警察はストーリーを作成している最中だ」という弁護士ジュンハンの言葉の意味をなかなか理解出来ないのも良くわかる。それでも、別の意味で切れ者らしい雰囲気は醸し出しているのだが・・・
そもそも、何もやっていないと思っているから、ただただ困惑するだけで、当事者意識も生まれていないのだ。定年間際の刑事は、スヒョンが不用意に口にした「弁護士のいない所で話す事はいいんですか?」という一言で送検を決める。
動機もはっきりせず、「現場から見たら彼が犯人」という一点だけで収監されることになるスヒョン。そうなってもまだ本人に当事者意識が芽生えているとは思えない。しかし、この先、ただただやっていないから・・・というだけでは乗り切れない事は、観ている私にもよくわかる。この先、ただの大学生だった彼がどんな風になっていくのか・・・
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1988年生まれ故、実年齢とは10歳以上も差がありながらも、非常にリアルに大学生役を演じているキム・スヒョン。
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