香港映画好きで、アクション映画好きの私にとっては見逃せない映画である。
爆弾処理のスペシャリストである警察官。仕事上でも素晴らしいパートナーがおり、プライベートでも自分の事をわかってくれている同僚である恋人がおり、順風満帆だった人生が、事故で全く変わったものになってしまう。爆発に巻き込まれ左足のひざ下を失ってしまうものの、苦しいリハビリと精神力で乗り越えようする彼。しかし警察上層部はトラブルが起こった場合の責任問題を恐れ、彼が現場復帰することは認めないのだ。行き場を失い自暴自棄になり、職場を去る彼。
そんな彼が再び元パートナーと元恋人の前に姿を現すも、彼はテロリストの一味が起こした事故に巻き込まれて記憶を失っているのだ。
なぜ、彼はテロリストと行動を共にしていたのか・・・・
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冒頭の香港国際空港の壮大な爆破シーン(?)から始まり、スペシャリストの二人が爆破処理を行うシーン、そしてテトリスとが襲うホテルのイベントでの爆破シーンと、バーニング・ダウン爆発都市という邦題通り爆破シーンはてんこ盛りだ。ただ、ホテルのイベント会場で発見された主人公が記憶喪失だったというあたりから、過去と現在が行き来する。なぜ彼は事故現場で発見されたのか?
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オリジナルタイトルがSHOCK WAVE2となっているのは、監督そして主演が一緒という「SHOCK WAVE ショック ウェイブ 爆弾処理班」のストーリーをリセットしてさらにスケールアップした映画だからだ。ただ、爆発は確かにスケールアップしているかもしれないが、ストーリーのカタルシスは前作の方に軍配が上がるような気がした。
前作は、潜入捜査官として組織に入り込んだ主人公を恨んだ組織のボスが徹底的に彼に復讐しようとする。主人公は自分が引き起こしてしまったトラブルと正面から対峙することになるのだが、今回は記憶喪失故、自分が対峙する敵が誰なのか、自分自身が敵なのかはっきりせず、うやむやなまま物語が進む。確かに前作で爆破されるのは九龍と香港島を結ぶ海底トンネルで、今回は海に浮かぶ空港と中環を結ぶ橋が舞台と、スケールが大きくなってはいるものの、向かう敵は誰なのか?という謎がやや内向きなため、そこでやや不完全燃焼が起こってしまうのだ。
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主人公を演じるアンディ・ラウももう60歳。相棒役のラウ・チンワンも同年代のはず。確かに奇跡の60歳は素晴らしいが、香港に彼らを継ぐ次の世代はいないのか・・・とちょっと寂しくもなるし、ストーリー的にも爆破されるのは上海や北京でなくやっぱり香港なのか・・・とも思ったりする。そしてエンディングで流れる曲のキーワードは来世と記憶。。。これは恋人とのキーワードでもあるのだ。さらに切ない。