母親の運営する小学生向けの学習塾のバスをバスジャックし、子供たちを山に連れて行き楽しい放課後を過ごさせたソウル大出身の息子。
誘拐の罪で起訴されるのだが、彼は自分を「子ども解放隊の隊長」と称し、日本語的には「おならプー」という有り得ない名前に改名している。しかし本人は「子どもは楽しく遊ぶべきだ」という主張を明るく皆に告げるのだ。
改名している時点で彼の本気度が伝わって来た。パンというごくごく普通の名字に名前をグポンと改名した事で、続けて読むとパングポン。パング(おらなの意)ポン(まさしくおならの音)で『おならプー』だ。。。
韓国では日本よりもずっと改名する人が多いそうだ。名字と名前、別々だとなんの問題もないのに、一緒に読むとまったく別の意味になってしまう名前が多いからだとも聞いた。名字の種類が少ない韓国ではフルネームで呼ばないと誰の事を指しているか分からないため、名前を呼ぶ時はフルネームが基本だと思う。彼の場合は改名が受理されやすいというのを逆手にとって、子どもが面白がる名前を手に入れたのだ。
ヨンウ達は子どもたちを遊ばせた彼に事情を聴くものの、彼は子供たちは解放されるべきだという主張を変える事はない。
ヨンウ達は子どもたちが、夜9時過ぎにファストフード店で夕食を摂る姿を見、夜10時過ぎのコンビニでおにぎりやカップ麺を買い漁る姿を目にする。しかしそんな彼らは、山で拾ったどんぐりを大切に保管し、たった数時間山で過ごした時間を楽しい大事な時間として覚えているのだ。
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知的障害のある女性とアプリで知りあった男性は、普通の恋人同士のように付き合うものの、彼は彼女のクレジットカードを使いデート代に使っていた事が分かる。彼女は小学生のような受け答えをし、彼の事は好きと言いながらも、自分を心配する母の言いつけに反論することも出来ない。ヨンウ達も男性の「本当に好きなんですよ」という言葉を信じていいか分からないのだ。
「彼がチェビ(ツバメの意:遊び人を指す言葉だ)な事を知っている?」と確認すると「知っています」と明るく返事をする彼女。(今は死語かもしれないが、日本でも年上の女性の愛人になっている若い男のこと『若いツバメ』などと言ったりしたはずだ。それが思い出され、更に切なくなる・・・)それは分かっていても好きですという、彼女の子どものような受け答えになんとも切ない思いに駆られるヨンウ。
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ヨンウ自身ははジュノに対する自分の気持ちをハッキリ確認すると、それをキチンと伝えようと、見ていて気持ちがいい位にストレートな態度でジュノの前に進み出るのだ。
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私も韓国の街角で幼稚園の送迎バスのようなカラフルなバスが夕方街角に留まっている事を見た事がある。
小学生は放課後学習塾に通ったりするが、中高生は学校に残って自習するケースも多く、お弁当は昼食と夕食の2食分を持って通学することが普通だと聞いた。
韓国語を教えてくれているSさんからは「韓国の中高生がクラブ活動をすることはない」と聞いた。勉強が忙しくクラブ活動どころではないのだという・・・・