私の映画玉手箱(番外編)なんということは無い日常日記

なんということは無い日常の備忘録とあわせ、好きな映画、韓国ドラマ、そして
ソン・スンホンの事等を暢気に書いていく予定。

梟ーフクロウー

2024-03-02 20:33:02 | 映画鑑賞

17世紀の韓国。友好的に中国の明と関係を結んでいた李氏朝鮮に侵入し、属国となる事を要求してきたのは衰えが見えて来た明の隙を狙って台頭してきた後金(のちの清)。

映画はそんな清に人質として長年拘束されていた王の息子が、帰国後いくらもしないうちに亡くなった史実をベースに、その最期を目撃する事になった盲目の鍼師の目から描いた映画。

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身体の弱い弟を助ける為に宮廷に入り、その腕前からあっという間に王のお抱え医師の弟子となる盲目の鍼師。

清に人質として捕らわれていたにも関わらず快活な印象の王の息子と比べ、父である王はすべてに置いて疑心暗鬼だ。清に侵攻され籠城するも食糧難と寒さから降伏し、清への忠誠を誓う屈辱を味わった王。親子でありながらも全く違う様子の二人が過ごす宮廷内は、それぞれに仕える家臣たちの人間関係もあり、妙な緊張感が漂う。権力争いの香りがあちこちから強く漂う。

そんな中、盲目であるがゆえ、人々から必要以上の関心を持たれる事もなく過ごすはずだった鍼師だが、その特性故、人が見えない物を感じ取り、王の息子の最期を目撃する事になってしまうのだ。

真夜中、漆黒の暗闇となる宮廷内。顔を認識するのも難しい中、鍼師は音もなく宮廷の中を歩き回り、見えない物を感じとり、多くの事を目撃する事になるのだ。

スクリーンの中に描かれる宮廷内は、蝋燭の火も少なく薄暗く、その広さだけがかろうじて感じ取れるのみ。

スクリーンの中と同様に映画館の中も真っ暗だ。スクリーンから光が感じられない為、自分の手元さえもよく見えない。普通、画面の中で何が行われているか分からない位に暗かったりするとイライラを感じたりするものなのだが、逆に自分もスクリーンの中の様子を同時に体感しているような不思議な感覚に陥る。

映画館で観るべき映画だ。

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清が李氏朝鮮に侵略する丙子の乱は、韓国ドラマでもよく取り上げられる題材。ドラマ@恋人で丙子の乱によって翻弄された人生を送った女性を演じていた@アン・ウンジンが、ここでは若い王妃として手にした権力を見せつけている。

 

 



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