老人が床下に残した現金を一枚ずつ乾かし、毎日残した銀行からの払い出しの際の控えを見て老人の思いを感じるグル。
払い出しの控え持って銀行に行き、おばあさんが毎日決まった時間に一定のお金を払い出すことが日課だったことを確認し、更には景品の飴を見つめ、その後街に飛び出していくグル。
「母の遺品はいらない」という息子の言葉をうのみにして、サングが捨ててしまった箱をゴミ捨て場に探しに行き、それを持って息子の元を訪れるグル。
おばあさんが、現金に「息子のスーツ」と書き残していた事。更に毎日立ち寄っていた銀行の景品の飴が近所の洋服店のレジにあった事を見つけて、グルは、おばあさんが息子にスーツを買ってあげようとしていた事を息子に伝えるグル。銀行から突然飛び出したのは、おばさんの家から銀行のそばにある洋服店を探し出す事だったのだ。更に息子が初任給で買ったセーターをおばあさんが一度も手を通すことなく大事に取っていた事もグルにとっては必ず伝えなければならない事だったのだ。
父親から教わった遺品整理士としてやるべき事、遺族に伝えるべき事を一人でもキチンとこなそうとするグル。
賭けの対象となるクラブファイトで人を殺めてしまった事から刑務所に入っていたサングにとっては、グルの行動一つ一つが驚きのようだ。
ただ、サングには借金があるようで、利子を返すために再び違法なクラブファイトに手を染めなければならないらしい。
そんな中、恋人同士の諍いから亡くなってしまった女性の部屋の片づけをする二人。
「殺人事件が起こったマンションでは資産価値が下がる」と近隣の住民には嫌がられ、幼稚園の先生をしていた彼女が生徒たちに残した絵本を子どもに渡そうとしても「子供たちは先生が殺されたと知ったらショックを受ける」と受け取りを快く思ってもらえない。そして同僚の先生は、「二人を引き合わせたのは私」と、彼女に彼を紹介しなければこんな事故は起こらなかったとショックを受けているのだ。
説明書だけはあるのに部屋の中にカメラが無かった事に気づき、そのカメラを探し出す中で、恋人を誤って殺めてしまったという男性の言葉の嘘を見破る事になるグルだが、それも亡くなった人が残した物からその人の暮らしやその人が言えなかった言葉を探し出そうしただけの事なのだ。
自分の仕事に真摯に向き合う姿に涙が出てしまう。
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