かつてセメントに石油・農産品……と様々な貨物を運んできた近江鉄道は、最早登録有形文化財級と言っても良い古典電機を大量に保有し、貨物輸送の廃止後も多くの車両が「魔境」の観のある彦根工場で保存されてきたほか、一部の罐は線路用の砕石輸送に動員されていました。しかし、可動車ですら老朽化の極みに達し、既に砕石輸送の主役は220形に譲って久しく、たまにミュージアム開館時には良好な保存状態でズラリと並んだところを拝むことも出来ましたが、最近では塗装の剥げも相当進み、果たして今後はどうなるのかと懸念する方も多かったことでしょう……。
そしてついに近江鉄道は、やはり保存整備の負担は余りにも大きいことから、状態の悪い車両から解体処分することを決め、昨16日には現存罐10両が揃う最後の撮影会が彦根にて開催されました。個人的にはここしばらく、なかなか鉄するヒマがなかったのですが (ブログも放置気味で大変恐縮です)、京都出張・宿泊の翌日はまるまる予定に空きがあったことから、帰宅する途中、今年の初秋に歩いたばかりの中山道・江州ゾーンの思い出に触れつつ、近江鉄道でフィーバーすることにしたのでした。
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というわけで、まずは京都から近江八幡まで223系に乗り、さらに800系 (元西武401系) の乗り心地とサウンドを小一時間楽しみまして、かつ車窓からはうっすらと雪化粧した近江の田園風景を眺めつつ、「あ〜、ここをずっと歩いたのだなぁ……」という感慨に浸ったのでした。その後は高宮で下車のうえ、しばらく彦根の古い街並みを散策し、ついに彦根駅の東西自由通路に達しますと……をを〜!居並ぶ電機にヲタが群がっている! そこで私も鉄ヲタモードに切り替わり (笑)、画面から人が消えた瞬間にババババッ!と撮りまくりつつ、これまで何度も訪れたEL天国・近江鉄道ミュージアムも、今回を最後に一大転機か……という感慨がこみ上げました。
そこで今後しばらくシリーズで、寒空の彦根でフィーバーした記録をアップして行くことに致します (中山道歩き鉄の最終ランナーである京阪800系はしばらくお預け。^^;)。まずは、黄ホキを従えたED31 3号機の雄姿です。今回、ED31のうち状態が良い4号機は汽笛・ブレーキ体験車としてヲタが群がり続けていたいっぽう、3号機はこのようにパン上げ+ホキ2両の「最晩年・工臨スタイル」を披露しており、「来て良かった!」と強く実感したのでした……。