地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

京釜線土砂降り鉄 (9) トングリ5000

2019-05-14 00:00:00 | 韓国の鉄道


 韓国という国は、最近の日本の世間一般で思われているイメージと比べれば遥かに多様で面白い国ですし、普通に真面目に日本との友好を願っている人も多いですから、もう余りグダグダ並べたくはないですが、少なくとも現政権が続いている間は、日本から何かのアクションを起こしても全て無駄でしょうな。現政権が言う「積弊精算」とは要するに、日本との関係でこれまで形づくられた繁栄や、その中で利益を得ることそのものを何かの間違いと考え、日本と協力して韓国を盛り上げようとした人々を「土着倭寇」とレッテル貼りし、日本の影響を全て消し去らずにはいられないという、まるで腐れ儒者の淫祠邪教論と同じ発想法であるわけですから。だったら今すぐ、渋沢栄一が中心となって建設された京釜・京仁線を「日帝残滓」として廃止し撤去しろよ、と。明らかに日韓基本条約後の経済援助で建設されたソウルメトロ1・2号線なども、忘れずにキレイさっぱり廃止して埋め戻すということで。



 というわけで、昨年夏に撮影したKORAIL京釜線画像の続き……VVVF車5000系改め311000系のうち「トングリ (丸型)」と呼ばれるグループです。5000系は車体構造からして、韓国版の205系5000番台と呼べるような車両であり (個人的偏見)、かつて2000年代に何度か撮影した際には抵抗制御車がまだまだ大量に活躍していただけにほとんど興味なし!な車両でした。しかし久しぶりに訪れてみれば、1000系後期車も既に風前の灯火で、九老の車庫の片隅で寝ているのを見かけこそすれ運用に入っている車両は見かけず、日本国内で武蔵野線205系5000番台に感動するのと同じく、自ずと5000系改め311000系も真面目に撮る対象となったのでした (汗)。とくに、新トングリ (下の画像) なんて全然興味なかったはずなのですが、今や普通にカメラを向ける気になったのは、日本でも似たような顔の車両が増えて違和感がなくなったためかも知れません。
 
 話題変わりまして、韓国の首都圏電鉄網はジワジワと拡大を続けているところですが、このたび京元線の電鉄区間の北端が逍遙山소요산から漣川연천まで延伸されることとなり、電化工事を速やかに進めるため、東豆川동두천から白馬高地백마고지までの全列車が4月から全面運休となっています。同区間においては当然のことながら代替バスが運行されていますが、ソウル近郊でディーゼルカー (CDC) に乗りたいという方は、漣川~白馬高地間の再開まで乗れませんのでご注意を……。ソウル駅と都羅山を結ぶDMZ列車は、CDCの観光列車改造バージョンで運行されていますが……。
 それにしても、電化工事をするために全列車全区間運休とは相当荒っぽい話ですが、たぶん単に電化をするだけでなく、対北協力をしたくてたまらない現政権の肝煎りで、京元線の少なくとも韓国側(電化しない漣川~月井里も含む)については、長大編成の貨物列車の運行に耐えるよう、ついでに路盤を全面改良しておきたいということなのでしょう。