地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

さよなら、ジャカルタの都営猫バス!(下)

2019-07-28 15:00:00 | インドネシアの鉄道


 東京の電車見本市状態のカヲスと化したジャカルタの地に、究極の謎電として現れた都営猫バスは、当初それこそボゴール事故の生き残りということで4連を組んでおりました。しかし2010年代にもなれば、最早タンゲラン線の急行も存在しない中、輸送力面で4連OKな主要系統など存在せず (今やタンゲラン線も12連の時代……)、結局例えばブカシ=タンジュンプリオク間の超ニッチ運用や、完全な環状運転にはならない環状線オンリー各停チリウン号の運用、あるいはカンプンバンダン・フィーダの類でちまちまと神出鬼没していたものでした。まぁ、どれも非常に濃いぃ運用であることは確かで、とりわけ猫バスが主に充当されていたブカシ=タンジュンプリオク運用は、ほとんど誰も乗っていない電車が、クマヨランからタンジュンプリオクへの連絡線に入って行き、しかもこの連絡線もコンテナ貨物で大盛況な今日の有様からは考えられないほどゴミだらけの単線でしたので (一応複線ながらも東側の線路は使わず放置)、謎電+ショボショボ線の組み合わせに狂喜乱舞したのも懐かしい思い出です。



 事故当該編成の中間車にやっつけで顔をくっつけた猫バスだけに、そんなうらぶれた運用が当たり前……と思っていたはずが、突然の編成替え・8連化の報せに思わず一瞬腰が抜け、次の瞬間血湧き肉躍る気分になったのも、昨日のことのように思い出しますね……。もともとクーラーの効きが悪かった都営6000系の中でも、猫バス編成6151Fはとりわけ効きが宜しくなく、4連のスッカスカ運用に入っていた頃は車内の人口密度の低さゆえ、辛うじて涼味を感じることも出来ましたが、8連化後は、乗ろうとするときに来れば絶句ものでした。生暖かい風を引っかき回しているだけと申しますか……。しかし、そんな猫バスも、撮るときに来れば最高にご機嫌であったことは言うまでもありません (笑)。
 何はともあれ、ジャカルタにおける都営6000系全般がそうであったように、猫バス編成も車両不足・整備暗中模索の時代において、事故やら何やらの満身創痍を乗り越えて、よくぞメトロ6000系やJRE205系の全盛期へとバトンを渡したものだと思います。ジャカルタにおける冷房電車列伝の中でも、最高に特異な一ページを飾る電車であり、乗って撮ったことがあるヲタによって、その存在感と功績は末永く語り伝えられることになるはずです。さようなら、猫バス!!

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