昨日は「JRE帝国と化したKCJで没落した東急車の命運を嘆く」という趣旨の駄文を書き散らして大変失礼しました (笑)。今日はそれ以外の、一年前と比較した全体的な変化を、個人的にこう見てこう感じた……という備忘録をダラダラと綴らせて頂きます。
* 全体的に遅延が深刻。もともとKCJ公式HPに掲載されているダイヤは「こう走らせたい」という努力目標であり (そう思うのは私だけ?)、実際の運転本数も概ねその通りに保たれていることは間違いないものの、既に列車本数の過密さはジャカルタコタ・ガンビール・マンガライの信号処理能力を超えつつあるのではないか……とすら思えます。このため、上記三大関所を越える前の運転停車時分もかつてなく長くなっているような気が。とくに個人的に目撃した衝撃の光景は……ナンボ発のセメント袋貨物がボゴール線の勾配を下って来てマンガライに進入する際、信号で何と20分以上停車! しかもその直後に東葉高速が追いつき、貨物の後ろで同じく20分以上停車! 急いでいる人はどうするのでしょう……。「それでもクルマよりは速い」と割り切るのか? もっとヤバいのは、急にトイレに行きたくなった人でしょうか?!
* また、環状線東半分、クマヨランやパサールスネンの前後に複数ある大踏切は、かねてから交通渋滞の発生源となっており、しかも年々深刻の度をきわめるクルマ・バイクの激増の結果、ついにラッシュアワーにはクルマ・バイク優先となったかの感があります。具体的には、複数の列車がさしかかるまで踏切を閉めず、それまで列車は踏切の手前で運転停車! これではタイ・バンコクのヨムマラート~チットラダー王宮駅界隈みたいではないか!! というわけで私も、朝6時半前にカンプンバンダンから環状線の電車に乗ってクマヨランに向かったところ、見事に20数分の運転停車を食らってしまいました……(超爆汗)。普段なら所要6~7分程度で済むところが35分近くかかってしまい、このために撮りそびれた列車もあり……(鬱)。何よりも、宿の自室で朝食と共に飲んだコーヒーと東葉高速車のギンギンのクーラーの組み合わせで、急激に小便がしたくなれど、ドアコックをいじって下車するわけにもゆかず、参りました……(この点、運転停車スポットとお気に入り撮り鉄スポットが重なればその場で下車出来た非冷房エコノミーは良かったですぅ! 笑)。
* 遅延原因ネタをもう一丁。既にパクアン急行様のブログでも簡単に触れられていますが、ジャカルタコタ~マンガライ間の中央線高架区間では一律に減速措置がとられており、概ね最高時速30km程度でダラダラと実にヤル気無く走ります。理由は高架橋・軌道の状態不良による騒音のためだとか。補強工事が終わるまで当面長らくこの措置が続くことでしょう。嗚呼、この区間を早朝かっ飛ばす非冷房エコノミー電車のドアに立って、MT54とMT55を足して2で割ったようなモーター音の雄叫びに惚れ惚れしながら、ジャカルタの朝の空気を深呼吸したのが懐かしい……。
* いっぽう、サービスの改善は少しずつ可能なところから図られているような印象ですが、その象徴が駅トイレ! 何と、全駅で無料となり、しかも以前と比べれば総じて清潔になりました(作業手順や様式などが規格化されている印象)。さらに一部の駅では、小便の色で健康状態を計る「Pee Meter」なる掲示 (しかもKCJ公式)が立小便器の前に貼られています。撮り鉄活動中の計測結果は……ご想像にお任せします (爆)。
* 電車列車と客車鈍行が並存する路線(スルポン=バンテン線および環状東線~ブカシ線)では、電車用切符の全ICカード化・自動改札化により、客車鈍行の切符を持っている客のためにセキュリティ氏がいちいち開閉用カードを自動改札の感知部位にかざしていたわけですが、その面倒を解消するため、多くの駅で電車用自動改札と客車鈍行用改札が分離されつつあります。とくに客車鈍行を利用する場合には注意。
* 駅ナカは加速の一途をたどっており、マンガライ駅には非常に小綺麗で洒落たパン屋が出現し、ハイソなジャカルタ女子 (爆) で賑わっていたほか、近日バブルジュース&ティーの店が進出する旨の予告が出ていました。駅ナカコンビニは完全に定着したかの感がありますが、電車区間の外側でもランカスビトゥン駅で駅コンビニが開業していました。そのうち、スタバの類のシアトル系コーヒー、あるいはそれに刺激されたジャワコーヒーの店あたりが大増殖するのも時間の問題か? (珈琲屋の増加は結構期待しているのですが)
*車内放送充実! これまではほとんど車内放送がなかったはずが、今年訪れると一気に普及しており感動しました。自動放送装備編成の場合は「ピンポーン、Stasiun ○○」と流れるのみですが、乗換駅で丁寧に肉声で案内する場合もあり。いっぽう自動放送なし編成の場合は、乗務員の肉声でかなり丁寧な内容の放送をしている……という印象です。とくに205系は今のところ完全肉声。
* いっぽうインフラ面では……マンガライ駅の客車区大改造が進展中。ガンビール駅やパサールスネン駅における長距離列車の集中による列車大渋滞を緩和し、マンガライ発着の列車を増やし、ジャワ島内全体における複線化の進展と合わせて増発を図るためと考えられます。しかしそれ以上に、マンガライ駅の立体化による関所の解消も急務だと思われるのですが……その気配は今のところ無し。まぁ、マンガライ駅が立体化されたら、重要な撮影スポットが壊滅してしまいますので、痛し痒しといったところですが (汗)。いっぽう、上述した環状線クマヨラン・パサールスネン界隈については、渋滞の劇的緩和のためジョコウィ(次期大統領)市政の目玉として高架化を急ぐ云々……という趣旨をどこかで目にした記憶があるのですが、これまた着手する気配はゼロ。しかも、オランダ風の古い架線柱を日本風の架線柱に代える動きが進んでおり、KAIは「しばらく高架化など実現しない」と割り切っている感が……(汗)。まぁ、ここも高架化されると撮影地が消えて困るという問題があります (^^;)。
* ドゥリの線路市場は消滅寸前の衰退ぶり……。今回の訪問直前には、タナアバン駅南側の鉄道用地不法占拠売春街が強制撤去され、荒廃した残骸と行き場を失った人々の野宿生活が車内からも生々しく見えました。この影響のためか、たびたび当局と衝突してきたドゥリ線路市場・周辺住民にも緊張が走っているようで、ただでさえホームから遠い位置に移動した線路市場の商売人から「写真は撮るな」と言われました。3~4年前までの隆盛を思い起こすにつけ、これも時代の流れというものでしょうか……。
* まぁとりあえずはこんな感じで、他にも思い出し次第ダラダラと綴ることにしますが、何はともあれ結論は……5年前のボロボロ気味な鉄道風景とは天地の差だ、ということです。最早電車の屋根に乗る客も全くいないのは言うまでもありません。屋根よりも車内の方が涼しいですから……。
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