客車区から出て来た5Upがゆっくりとヤンゴン駅に入線。
アッパークラス客車・BDUEZ 14116。窓が見事にOrdinary……。
普通客車・BDTEZ 14124。椅子以外は完全にアッパーと同じ。
長大編成がマンダレーへと北上して行きます。
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今年に入って新塗装DF2000とともに登場した中国中車・四方工場製の新型客車は、従来からのミャンマー国鉄客車の基本構造に倣いながらも、何と!空気バネ台車を装備して登場し、ミャンマー最速の看板列車である5Up・6Downに投入されています。これはすなわち、1950年代に日本から輸出された客車で構成された豪華急行列車「ダゴンマン」のスジに他ならないのですが (勿論線路状態の悪さから、年々遅くなったことは否定できないでしょう)、それでは果たしてこの最新空気バネ急行列車が往年の日本製「ダゴンマン」に比肩しうるかどうかについては、疑問の余地がかなり大きいように思います。何故なら、この新型客車編成は食堂車や寝台車を全く連結していないのみならず、回転リクライニングのアッパークラス客車の窓割りがボックスシートのオーディナリー客車と全く同じであるという……。景色を眺めようとしても見事に柱の部分に当たってしまう超ハズレ席が出現してしまったのみならず、前後の客がブラインドを下げて自分は景色が見えないという「日除け冷戦」が勃発しやすい環境も揃ってしまったわけですが、そんなことを気にするのは鉄ヲタと外国人バックパッカーくらいのもので、一般のミャンマー人は逆に「俺の席は最初から日除け完備でラッキー♪」と思っているのかも知れません。それほど直射日光は強烈ですから……。
ともあれ、最新車両の名が廃る超テキトーな事実に驚愕しつつ、車番を仔細に確認してみますと、何と!従来でしたら等級ごとに全く別の形式を立てるはずが、この客車についてはアッパーとオーディナリーを問わず、完全に14100番台の続き番になっているではありませんか (@o@)。
その意味するところは、ミャンマー国鉄の中の人ではありませんので良く分かりませんが、勝手に推測するにつけ……2015~2016年の新造車であるにもかかわらず空調を省略している今回のアッパークラス新車は、数年後のヤンゴン~マンダレー高速化完成 (本当に実現するのか?) による日本製電気式DCの投入後、フツーのオーディナリー客車に格下げされるのかも知れません。そして椅子は、従来の細かい窓割りのアッパークラス客車に転用とか……? 中国中車は最近、タイ国鉄に空調付きの優等客車 (しかも2等寝台はプルマン風)を輸出し、さらには中国国内向けに膨大な数の空調客車を製造した実績があるわけですから、いくら何でも中国中車側が「ミャンマーの優等客車にはこの程度のテキトーな車両で良かろう」と考えたはずはないでしょう(ウリナラなら、ソウルメトロ→ハロンエクスプレスという前科がありますので有り得ますが w)。というわけで個人的には早くも、この「ショボいアッパークラス客車」の今後に注目せずにはいられません (→マニア過ぎ ^^;)。
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